――ロケを振り返って、特に印象的なものは何でしょうか?
小田井:今回はとにかく富士山です。道中いろんな場所に行ってるんですけど、常にそこに富士山があるんです。大体同じ大きさ、輪郭もはっきり確認できるぐらいで、「富士山って本当は5個くらいある?」って思うくらい、どこに行っても目の前にある。天気にも恵まれたので、ものすごくきれいな状態の富士山が見られているというのが、印象的ですね。
坂本:改めて富士山を目の前にしたときに、ものすごい場所に生まれたんだなと感じました。僕は水を見るのが好きだったんですけど、富士山の湧水を体に入れた時に「こんなにも優しくて力強い水には、なかなか出会えないな」という気持ちになりました。おいしいお水って言葉にすると簡単に伝わるようで、実際に飲まないと分からないというのを、今回の旅で感じました。
――今回のロケで、お互いのここを見てほしいという部分はありますか?
坂本:皆さんご存じの通り、冗舌でおしゃべりが大好きな人なんですけど、一瞬「俺に話しかけかけてるのかな?」と思いきや、全然関係ない一般の方と話してるシーンが多々あるんですよ(笑)。それぐらい、いる人みんなを共演者にしてしまう力を小田井くんは持っていて。その柔軟さ、ニュートラルさというのも魅力だと思うので、見ていただきたいですね。
小田井:坂本くんは、自分のスタンスをものすごくもってはる人だと思うんですけど、めちゃくちゃ合わせていただけるんですよ。僕がおばさんに話しかけたりすると、ちゃんと乗っかってきておばさんと会話してくれるんです。柔軟さという意味は俺以上なので、たぶん骨ないんじゃないですかね(笑)。やわやわなんですよ。そのあたりを見ていただけると、坂本くんがこれまでリーダーとしてやってきた部分というのも見られると思います。
脳みそと体のアンバランスをどう解決するか
――今回の旅やこれまでの中で、お互いのいたグループについてもお話はされましたか?
小田井:今回カメラ回ってるときも話しましたけど、お互いのグループ内で仲が悪いという印象がないんですよね。よくよく聞くと、メンバー同士に変な意味じゃなくて、ちゃんと距離があるんですよ。だからグループの長続きのコツは、あんまり活動中にベッタリしないということなんだと思いました。うちなんて、プライベートで飲みに行ったこと1回もないんで。そんな話を聞いてると楽しいですね。
――そこから個人活動を行う際の心境は、いかがでしたか?
小田井:もちろん「仕事ほんまにあんのかな」っていう不安はありましたけど、自分で決めたことやし、もし何もなかったらなかったで一から頑張ろうって腹くくってたんで。この番組は卒業してすぐ決まったので、心の支えになりましたね。
坂本:小田井くんが「ソロになってひな壇に座って芸人さんと戦うっていうのは、自分のフィールドとしては難しいな」ってボソッと言ってるのを聞いたんだけど、「芸人さんと勝負しようと思ってたんだ! すげえなこの人」と思ったよ(笑)
小田井:純烈の時も、クイズ番組とかロケのVTR見てスタジオでトークするみたいな番組にゲストで何回か呼ばれたことあるんですけど、MCの方が振った時に、芸人さんはすぐ面白いことを言って返す能力がすごいなと思うことがめちゃくちゃあって。「俺はあそこで勝負できへんわ」と思って、自分に向いてて、らしさが生かせて、楽しくやれる仕事って何やろって、グループ辞める前はすごく考えてました。その結果、純烈であちこち地方を回る仕事をしてて、マダムのみなさんとお話ししたりするのが楽しかったんで、それを仕事にしようって思ったら、「ロケか!」ってなったんですよ。
坂本:なるほど。ロケ芸人(笑)
小田井:だから芸人じゃないって(笑)
坂本:僕はグループを組む前からミュージカルに携わっていたので、自分の求める場所をしっかり見つめようと思いましたね。その分、責任はより大きくなるなと感じていました。
小田井:同い年だけど歩んでる道が全然違う感じがしてて、こうやってお話ししてると同じ感覚なんですけど、「ミュージカルで座長やれ」なんて言われたら、ごっついハードル高いですよね。そこをあえて主戦場に選ぶなんて、僕からすると「大変なことやってるなあ」って印象がめっちゃあります。
坂本:うん、大変だね(笑)
――その中でも、共感する部分はどんなところでしょうか?
小田井:やっぱり年が近いから、自分の体の限界という点で、程度の差はあるにしろ、「若い頃はああいうこともっとできてたのに」みたいなことはありますよね。「もういけいけー!!」って言うてる年代とは違うんで、自分の残りの人生と仕事を、少しずつ天秤にかけながら仕事していくやり方はありますよね。
坂本:今までできていたことが脳みそではできてるんだけど、体ができなくなってるっていう、自分の中のアンバランスさは出てきますよね。そうなってくると、「ここをやらなきゃ」「ここを伸ばそう」という感じで自然と自分の中でチョイスできて、それを求めてより勉強していくという感じですね。無理くりそうしようと思ってないし、苦でもないんです。