お笑いコンビ・ニューヨーク(屋敷裕政、嶋佐和也)が今夏、史上最大規模の単独ライブ「そろそろ、」を全国5都市13公演開催する。多くのレギュラー番組を抱える売れっ子になっても、毎年単独ライブを開催している2人にインタビューし、単独ライブへの思いや今年の意気込みなど話を聞いた。

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    ニューヨークの嶋佐和也(左)と屋敷裕政

『M-1グランプリ』『キングオブコント』あわせて4度決勝に進出した実力を持つニューヨーク。昨年1万人を動員した単独ライブ「虫の息」に続き、今年は延べ1万2000人を動員する単独ライブとなる。

――単独ライブ「そろそろ、」への意気込みをお願いします。

屋敷:毎年単独させていただいていて、僕らが一年で一番本気を出す場というか、力を入れている場です。去年、一昨年来てくれた人にももちろん見てほしいですが、まだ来たことない人に見てもらえたらなと。見たことないという人を減らしたいので、ぜひ1回来てほしいなと思います。

嶋佐:デビュー15年目に突入しますが、10年以上毎年単独ライブをやっていて、3~4年前ぐらいから全国を回る規模でやらせてもらうようになって、今年は過去最大の延べ1万2000人の動員を目指しています。ありがたいことに最近はテレビとかメディアにちょこちょこ出させていたただいていますが、単独ライブを見たことがないという人がまだまだたくさんいるので、もっともっとたくさんの人に見てもらいたいなと思っています。

――一番力を入れている場とのことですが、単独ライブはお二人にとってどういうものになっているか改めてお聞かせください。

屋敷:昔はずっと2人でネタを作ってライブでネタをやるというのが基本でしたが、ありがたいことにいろんな大人の人が力を貸してくれるようになって、テレビもYouTubeもそうで。単独ライブもそうですが、一番2人が脳みそと体を使っている感じがします。作家さんと一緒に作っていますが、一番ニューヨークというコンビの純度が高いものが単独になってきたなという意識があるので、見てもらいたいなと思います。

嶋佐:単独ライブに来てくださる方は、しっかり僕らのことを好きな方々。ステージに立ったときに、僕らのことを好きな人がこんなにいてくれているんだなというのを体感できて、すごくうれしい場です。YouTubeやテレビは実感が湧きづらいですが、単独ライブでこれだけ見に来てくださる方がいるというは、やりがいをすごく感じるものの一個です。

――テレビなど活躍の幅が広がっている中で、単独ライブの大切さをより感じるように?

屋敷:そうですね。ファンの方とコミュニケーションをとれる場なので。昔はしょっちゅう劇場に出ていて出待ちとかいろんなコミュニケーションがありましたが、今はSNSで面白いと言ってもらうとかYouTubeでコメントしてもらうとかが多い中、実際に僕らのネタを見て笑ってもらうというのがない。それが単独ライブではすごく感じるので、ないと寂しいというか、ハリがないんじゃないかなという気がします。

嶋佐:昔はとにかくネタを作って、その上で賞レースの決勝に行くというのが単独ライブの先の目標としてあった気がしますが、今は単純に単独ライブ自体をいろんな人に見てほしいというか、純粋にネタを見てほしいなと。

賞レース卒業で純粋にやりたいネタができるように

――2021年を最後に賞レースに出場されず、もう出ないと発言されていましたが、変わらず今後出るつもりはないですか?

屋敷:今のところないですね。

――先ほど、以前は単独ライブの先の目標として賞レースの決勝があったという話がありましたが、賞レースを卒業されてから単独ライブの意味合いなど変わりましたか?

屋敷:そうかもしれないですね。単独をする上であまり意識しないようにしていましたが、結局どこかで賞レースがちらついていて、これ賞レースでできんかなとか思いながら単独をやっていたと思うんですよね。今は、去年もめっちゃ大がかりな、嶋佐が宙に浮くマジックをやったんですけど、そんなの絶対単独でしかできない。賞レースを意識していたらそういうのはやらんかったかもしれません。

嶋佐:尺とか気にせず全部のネタがけっこう長めというか、10分ぐらいあるコントもあったり、単独ライブでは基本4~5分に収まっているネタが1本もない。テレビだと中身や尺の問題でやれてないネタもいっぱいあり、単独ライブでしか見られないネタもいっぱいあるので見てほしいなという思いがあります。

――今は純粋に自分たちがやりたいネタができるようになり楽しさが増していますか?

2人:そうですね。