――名古屋から上京して10年になり、夢だったというGP帯ドラマの主演もかなえられた状況ですが、改めてこれまでを振り返ってみていかがですか?
僕はデビューが遅いんですよ。みんな10代からやられている中、自分にはお芝居の感覚だったり、人に見られる感覚というのがなくて、本当に苦しくて。まず「お芝居って何?」みたいなところから始めていっぱい苦しんで、何となく分かってくるようになって、ちょっとずつ広がっていった感じなんです。20代を振り返ると、めちゃくちゃ遠回りした気がするんですけど、「あのときこうすればよかったな」という悔いはなく、がむしゃらに生きてきたなと思います。
――遠回りしつつも、無駄なことはなかったと。
全くなかったんじゃないかなと思いますね。全部が糧になっています。
――そうした中で、ご自身のターニングポイントを挙げるとどこでしょうか?
作品は人を幸せにしてエンタテイメントって素敵だなと思わせてもらったのは、『チェリまほ』(『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』)ですね。国内外関係なく届くんだって思ったのもそうですし、すごく楽しみに待ってくれている人たちがリアルタイムでSNSを通じて感じられたのもその作品だったので。
――そこから仕事への向き合い方や、心境の変化などはありましたか?
仕事との向き合い方は変わらないんですけど、見ている人たちに楽しんでいただけたらなという思いが、さらに強くなったような感じですね。ただ、皆さんから「これをやる赤楚が見たい」というものと、自分のやりたいものが違ったりするときもあるので、そういう環境の中でみんなそれぞれ考えながら仕事に臨んでいるんだなと考えたりしますね。
――今回の足立遼太朗プロデューサーはGP帯初プロデュース、前回の日テレの鈴木将大さんもGP帯初プロデュースでした。そういったフレッシュなプロデューサーと一緒に仕事するのは、刺激を受ける部分もありますか?
初めてだからこそ、仕事に対する本気度やクリエイティブ精神がすごく強い方が、ありがたいことに多いですね。僕自身も「この作品で失敗したら次はない」と毎回思いながら頑張って生きているつもりなので、熱量が同じだとホッとするところがあります。大人になればなるほど、熱量とはまた別の生き方があって、それもまた素敵ではあるんですけど、やっぱり2人とも若さゆえの力をすごく感じたので、僕もいい意味で引っ張られて、頑張ろうという気持ちになります。
欲望しているものは…「物欲にまみれてますね(笑)」
――3月で30歳を迎えられて、節目の作品になると思います。30代の抱負はいかがですか?
この役自体が、振り回されるところから振り回していくところまで結構幅広く演じられるポジションであり、若すぎても年を重ねすぎてもできなくて、今の年齢が本当にぴったりだと思うので、このタイミングでやらせていただけるのは本当にうれしいです。20代のがむしゃら感というものはなくなりつつあると思うんですけど、その分ちょっとクレバーにもなった気がするので、お仕事もプライベートも、頭を使いつつ、深く広く楽しんでいけたらなと思います。
――クレバーになってきたというのは、どこで感じますか?
人のことを見るようになったし、周りのことも見えるようになったと思います。これまでは相手がどう思っているかより自分がこうしたいって思いが強かったりするときがあったりしたんです。去年が結構ハードで、余裕がないときは目の前のことしか見えなかったのですが、そこを乗り越えて一気にガーッと開いた感じがあります。
――今回の作品で新しい赤楚さんが見られそうですね。
そうですね。作品自体もそうなんですけど、結構エグみのある役なので、これを表現するのはちょっとプレッシャーでもあるんですけども、これを乗り越えたらまた幅が広がるなという楽しみもあります。
――ちなみに、30歳になった今「欲望しているもの」は何ですか?
何もないんですよ。何か欲しいもの……あっウソです。全然あった、ガンプラです(笑)。映画(『劇場版機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』)に出てくるMETAL BUILDっていうデスティニーガンダムのシリーズのフィギュアが欲しくて買いまして、届くのが7月なんです。だからずっと欲してる状態です。めちゃくちゃ欲しいものあった。物欲にまみれてますね(笑)
●赤楚衛二
1994年3月1日生まれ、愛知県出身。2015年、『ヒロイン失格』で映画デビュー。その後、「仮面ライダービルド」で万丈龍我/仮面ライダークローズ役を務め話題に。主な出演作はドラマ『チェリまほ~30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』(20)、『石子と羽男-そんなことで訴えます?-』(22)、『舞いあがれ!』(22~23)、『ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と』(23)、『こっち向いてよ向井くん』(23)、映画『思い、思われ、ふり、ふられ』(20)、『チェリまほ THE MOVIE~30歳まで道程だと魔法使いになれるらしい~』(22)、Netflix映画『ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと~』(23)など。今年は4月11日にドラマ『Re:リベンジ-欲望の果てに-』がスタートするほか、映画『もしも徳川家康が総理大臣になったら』が7月26日、『六人の嘘つきな大学生』が11月22日に公開予定。
ヘアメイク:箙あおい
スタイリスト:根岸豪