――コンビ解消の期間もありますが、結成から52年という中でお互いの魅力は、どんなところに感じていますか?

まさと:当然20代の時のような漫才を我々は今できないですけど、この年になってもこういうボケができる「ぼんちおさむ」というのはすごいですよ。

――言葉を選ばずに言うと、おさむ師匠はかわいく見えてくるんです。観覧客の皆さんも、きっとそう感じていたと思います。

まさと:ありがとうございます。

おさむ:うれしいですね。元気な年寄りなんで(笑)

――ネタの後の平場のトークでも、ステージの真ん中にどんどん出てきて、存在感を作ってくれますよね。

まさと:あれは死ぬまでやってはると思います(笑)

おさむ:目の前にお客さんがおったら笑ってほしいんですよ。緊張してるのが分かりますから、いらんことばっかりしてる(笑)

――おさむ師匠から見て、まさと師匠はいかがですか?

おさむ:「これをやるんだ」っていう筋が通ってるところがすごいですよね。

――今回の『THE SECOND』への出場にしても、先導してくれるんですね。

おさむ:そうそう。僕は全然ダメですから、途中言うてることが分からなくなってきて説得力がないけど、相方は説得力あるからね。

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    (C)フジテレビ

来年のエントリー決断以前に望むこと

――漫才師の皆さんにとっての「セカンドチャンス」というコンセプトの『THE SECOND』ですが、この大会への印象はいかがですか?

まさと:よくこの大会を作っていただいたなというのが本音ですね。『M-1』という素晴らしいビッグなイベントがあって、そこの出場資格が終わって「師匠」と呼ばれる人も含めて、これからどうやって頑張ったらいいんだろうと思う人たちがいる中で、大きな目標ができて、やっぱり頑張りがいがありますよね。

おさむ:刺激になってると思いますね。僕らみたいな70過ぎてる芸人は「よう出るな」って言われますけど(笑)。でも、元気な若い人にも負けてられない。体力で負けるのはしゃあないけど、気持ちで負けたらあかんと思ってますから。

――スタッフの皆さんは、ぜひ来年もエントリーしてほしいと言っていました。

まさと:その前に、『爆笑ヒットパレード』(※)に出してください。3分半のネタ作っておきますんで。

(※)…フジテレビで毎年元日に長時間生放送している恒例のお笑い特番

おさむ:『爆笑ヒットパレード』で印象に残ってるのは、「おっ、おっ、おさむちゃんです!」って言った瞬間CM入ってしもうて、「まだ漫才やってません!」なんてこともありました(笑)。そんな長い時間「おさむちゃんです」やってたかな?って。

――生放送らしいハプニングですね(笑)。今回の出場で話題にもなりましたし、フジテレビでは年末の『THE MANZAI』や『ENGEIグランドスラム』もありますから、いろんなテレビのネタ番組に出られるのを期待しています。

まさと:ネタはいっぱいありますし、今日もテレビサイズでできましたから。こっちは出る気満々です(笑)

おさむ:テレビ局の人はそう言うけど、信用できんからな~(笑)

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●ザ・ぼんち
高校の同級生のぼんちおさむと里見まさとで、1972年にコンビを結成。ツービート、島田紳助・松本竜介、B&Bらとともに80年代漫才ブームの立役者の1組として活躍し、シングルレコード「恋のぼんちシート」(81年)も大ヒット、芸人で初めて日本武道館でコンサートを開催した。86年に解散するも、2002年に再結成。14年には賞レース『THE MANZAI』で認定漫才師に選出された。現在は、なんばグランド花月以外にも、ルミネtheよしもと、大宮ラクーン吉本劇場、沼津ラクーン吉本劇場、さらには学園祭など、若手メインの舞台にも精力的に出演している。主な受賞歴は「上方漫才大賞」第14回新人賞・第16回大賞、「花王名人大賞」第1回最優秀新人賞、「ゴールデンアロー賞」第18回最優秀新人賞、「上方お笑い大賞」第7回銀賞。また、第73回文化庁芸術祭 大衆芸能部門大賞を受賞し、上方漫才師が大賞を獲るのは73年の歴史上で初の快挙となった。