多彩な武器と豊富な流派がもたらすアクションの奥深さ

肝心のバトルは、幅広いアクションが特徴的。まず何と言っても武器種が豊富だ。主武器には「刀」「槍」「二刀」「大太刀」「サーベル」「薙刀」「銃剣」「大剣」「牛尾刀」、副武器には「短銃」「長銃(火縄式 / 火打石式 / 連発式)」「弓」「手裏剣」「捕火方」などがある。どちらも2つずつ装備でき、相手に合わせて切り替えながら戦うのが基本だろう。

しかも、「無明流」「天然理心流」「神道無念流」といった主武器ごとの「流派」もいくつか用意されている。それぞれで「武技」と呼ばれるアクションが異なるので、立ち回りの幅はかなり広い。武技も流派も、物語を進めたり、特定の相手との因縁レベルを高めたりすることで身につく。

また、武器自体は、敵を倒したり、宝箱を回収したりしているうちにガンガン増える。気がつけば上限の2,000個近くまで溜まっていることもしばしばあった。そのため筆者は、特定の武器種を固定で使うよりも、「攻撃力の高い武器を手に入れたから使ってみよう」「新しい流派の武技を覚えたから使ってみよう」と、武器を頻繁に切り替えながらプレイした。

さらに、相手によって有利になる流派、反対に不利になる流派があり、それらを使い分けて戦うので、多彩なアクションを思う存分楽しめるだろう。

なお、鍛冶屋では、武器やアイテムを消費することで、能力を1つ継承する「因縁継承」を行えるほか、分解して素材にできるので、大量に武器を手に入れて困ることはない。

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    武器の種類は豊富。しかもガンガン手に入る。同じ名前の武器でも「攻撃力↑」「ガードの消費気力↓」などの能力が異なるケースが多い

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    武器ごとに複数の流派をセット可能。「R1」を押しながら右スティックで切り替える

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    有利不利を見て、流派を変えながら戦うのが大事。画面右下の青いマークが有利な流派、赤いマークが不利な流派

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    鍛冶屋では、武器の強化や因縁継承、分解などを行える

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    遠く離れた敵には副武器の長銃や弓で攻撃

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    火炎放射のような「捕火方」も強力。ヒャッハー! 攘夷志士は消毒だー!

バトルのうえで大事だと感じたのが、「気力」の管理だ。これはスタミナのようなもので、戦闘中に回避したり、攻撃したりすることで消費され、ゼロになると一定時間行動できなくなる。何もしなければ自動で回復するのだが、このわずかなスキが命取り。一心不乱に攻撃をしていると、意外とすぐ使い切ってしまうので気をつけなければならない。

そのため、攻撃のタイミングも重要になってくる。防御の「回避」「ガード」「石火(パリィ)」をうまく駆使しながら攻撃のチャンスを伺うわけだ。特に、石火を相手の攻撃に合わせてタイミングよく決め続けることで、相手を「動揺」状態にして、体勢を大きく崩すことができる。

そこで「追い打ち」できれば相手に大ダメージ。キレイに決まるとかなり気持ちがいい。ほかにも、近くのものを投げつける鈎縄アクションや、バレずに背後から暗殺するステルスキルもあって、多彩なバトルスタイルに対応する。

ちなみに、筆者は中間難易度の「黄昏」でプレイ。石火がうまく決まらずやられることは何度もあったが、“死にゲー”ほどの難しさはない印象だ。徒党を組んでいるミッションでは自分がやられても操作キャラが切り替わるし、集めた「業(経験値のようなもの)」を能力ポイントに変えてスキルを強化していけば、回復薬「丸薬」の補充量や最大体力が増えるので、バトルは安定するだろう。

  • ライズオブローニン レビュー

    難易度は中間の「黄昏」でプレイ。手強い敵も出てくるが、「超難しい」とは感じなかった

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    バトルでは気力管理が大事。ゼロになると動けなくなるので、回復薬を飲むことすらできない

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    ガムシャラに攻撃するのではなく、石火で攻撃を捌きつつ、相手の気力を削るのが定石

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    「追い打ち」が決まるとダイナミックな演出が発生する

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    多勢に無勢な状況を回避するためには、ステルスキル「暗殺」を使っていくといい

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    相手に気づかれず行う「暗殺」も、背後から襲いかかるもの、屋根の上などから鈎縄で引っ張り上げるもの、「阿鼻機流」で滑空中に空から奇襲するものなど多彩

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    手に入れたポイントを使って4ジャンルの能力を強化していけば戦闘はけっこう安定していく

最大3人でミッションにチャレンジ!

『Rise of the Ronin』では、合計3人までのオンラインプレイに対応している。ミッションを開始する前にフレンドリストからプレーヤーを招待するか、「隠し刀の旗印」に触れて協力プレイを有効にすると、NPCキャラクターの「徒党」の代わりに、最大でほかの2人のプレイヤーと一緒にゲームを進めることができる。

試しに、超序盤のミッション「幕引きと幕開け」でマルチのメンバーを募集してみた。「隠し刀の旗印」のメニュー画面から「助太刀」を選び、スタート。なお、募集状態にしておけば、ほかのプレイヤーが入ってくるまではソロで進められる。プレイしていたタイミングが発売前だったこともあって、正直ダメ元で設定してみたのだが、なんと後半に誰かが助太刀に入ってきてくれた。

同じく先行プレイ中のほかのメディアの人だろうか。はたまた、開発スタッフのメンバーだろうか。どちらにしろ、きっと強力な浪人であるに違いない。ガンガン進んでいくので、とりあえずあとをついて行くことにした。

すると、バシバシ敵を倒していく野良のマルチ浪人さん。「ついてこい」と言わんばかりの行動力で、あっという間にボスまで到着した。筆者は慣れないミッションであたふたしていたが、ボスの討伐含めてかなり頼りになった。強い人のプレイを参考にしたり、友だちと強敵に挑んだりと、マルチで楽しみ方の幅は一層広がるだろう。

その後、募集側ではなく参加側で何度かマルチプレイのミッションを探してみたが、やはり発売前のタイトルだからか、残念ながらうまくマッチングしなかったので、このあたりは発売後に挑戦してみたい。なお、協力マルチプレイで遊ぶには、PlayStation Plus(PS Plus)の加入が必要だ。

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    助太刀は「隠し刀の旗印」から設定する

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    すると、強そうな浪人が参加してくれた。ガンガン進んでいく姿から手慣れている印象を受けた

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    なお、マルチで便利な「ジェスチャー」も多数搭載する

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    天を仰ぐジェスチャー。味方が死んでしまったときに使おう

幕末のオープンワールドはやることいっぱい! 猫を見つけたら抱っこすべし

そして、忘れてはいけないのが『Rise of the Ronin』が“幕末オープンワールド”であること。「横浜」「江戸」「京都」での探索要素はめちゃめちゃ充実している。メインストーリー「浪人ミッション」以外にも、「因縁ミッション」「草莽ミッション」があちこちで発生するほか、お祈りすると能力ポイントを獲得できる「社」、和の景色を写真機に残す「撮影スポット」、幕府が行方を追っている「お尋ね者」成敗、ならず者が占拠する「治安悪化ポイント」、ミニゲームの「砲術訓練」「流鏑馬」「滑空訓練」など、とにかくやることが多い。

筆者は執筆時点で50時間以上プレイしているが、ようやく終わりが見えてきた(かもしれない)状況。記事に使うスクリーンショットを撮影するなど、通常よりも効率の悪いプレイをしているとはいえ、ゲームボリュームはかなりのものだとわかる。サブミッションや収集要素をコンプリートしようとしたら、まだまだ時間がかかるだろう。

探索要素のなかでも、「猫」を見つけて撫でる「猫蒐集」は心癒されるものがあった。しかも、ただ癒されるだけでない。たくさん猫を集めると、主人公の拠点「長屋」で、さまざまな人に猫を貸し出す「貸し猫」を営めるようになるのだ。

また、猫だけではなく犬も侮れない。お金を持たせたわんこをお参りに行かせる「こんぴら狗」はモッフモフでかわいさ満点。わしゃわしゃするときの、前足をバタバタさせる喜びの仕草といったらもうたまらん。ちなみに、戦闘時、敵側に犬がいることもあるが、手なづけて味方にするスキルも覚えられるので、動物を斬りたくない人は早く獲得したほうがいい。

そんな愛らしい動物たち。「倒幕派」と「佐幕派」の板挟みになったり、仲良くなったキャラを斬らないといけなかったり、返り血を浴び続ける幕末での日常に、ささやかな和みを提供してくれること間違いなしだ。

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    江戸のマップの一部。浅草の浅草寺や芝の増上寺といった有名な建築物も数多く見かけた。かつての情景を見ながら馬を走らせるのも楽しいものだ

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    「土地名鑑」では、訪れた建造物の概要をチェックできる

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    「社」で拝むと能力ポイントをゲットできる

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    探索していると「宝箱」を発見。強い武器防具が手に入ることも?

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    猫をだっこしたり

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    犬をわしゃわしゃしたり

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    ナデナデした猫は「貸し猫」で活躍してくれるようになる

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    探索に便利な滑空アイテム「阿鼻機流」。幕末の空の旅も乙なものよ

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    馬に乗ってあちこち探索するだけでも楽しくて時間が溶けていくだろう

キャラメイクした片割れとの“因縁”や、選択の結果で変化するストーリーは、まさに“自分だけの物語”。幅広いアクションが楽しめる奥深いバトルに、ボリューム満点の探索要素と、かなり満足度の高いタイトルと言える。

自分なら動乱の日本をどのようにするか。ぜひ、唯一無二の幕末譚をその手で刻んでほしい。諸君、狂いたまえ――。