『ジャマト・アウェイキング』で道長の優しさが表現できた

――さていよいよVシネクスト『ジャマト・アウェイキング』の話題に移りたいと思います。台本を読まれて、本作のストーリーを知ったときのお気持ちを聞かせてください。

今までの『ギーツ』では描けないようなショッキングな描写であるとか、種族間で争うような、わりと生々しい表現とかがある作品だなと思いました。テレビだと、子どもたちから大人まで、幅広い年齢層にアピールできるよう作られていますが、今回はコアな『ギーツ』ファンに向けていると思うんです。「争いだけじゃ問題は解決しない」といった、深いメッセージ性のある作品なので、様々な世代の方たちにも観ていただき、メッセージを受け取ってほしいという気持ちになりました。

  • 杢代和人
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――杢代さんが本作のドラマ部分で特に印象に残っているのは、どんなところですか。

春樹を演じた(正垣)湊都くんと、ベンチに座って話すという静かなシーンです。あそこでは、ふだんの『ギーツ』では見せることのなかった、道長の優しさが表現できたと思っています。いつも、誰に対しても反抗してきた道長だけど、今回は雰囲気が違うぞ? と感じてもらえれば、と思いながら演じていました。道長の新しい部分をお見せすることができたのではないでしょうか。

――また、アクションシーンではバッファ、タイクーン、ナーゴの3人同時キックで道長、景和、祢音に戻り、背後で大爆発が起きるというところが迫力満点でした。あの爆発シーンを変身前で体験されたときのことについて詳しく聞かせてください。

変身解除してから着地、そして後ろで爆発というのは、珍しいですよね。僕だけじゃなく、2人もめっちゃ興奮していました。あの規模の爆発は撮り直しがききませんから、坂本監督には「もう、目だけはつぶらないで!」と念を押されました。目をつぶっているとNGになりますから……。しっかり目を開けて、キメキメで頑張ったところです!

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新フォーム「プロージョンレイジ」には「やっと!」

――バッファが新フォーム「プロージョンレイジ」に変身したことも大きなトピックスですね。プロージョンレイジが出る、と知ったときどう思いましたか。

それはもう「やっと!」という思いでした。同級生(ギーツ、タイクーン、ナーゴ)が次々と強化フォームに進化しているのに、バッファだけ変わらず、置いていかれている感がありましたから。あれ、景和も祢音も、英寿もずいぶんカッコよくなっちゃって~って(笑)。テレビのころから「バッファはいつ強化フォームになるんですか」とプロデューサーに質問しても、ご返答がなく(笑)。やっとVシネクストでプロージョンレイジに変身できて、嬉しい限りです。

――バッファプロージョンレイジへの変身は、従来のバッファの変身とどういう変化をつけようとされましたか。

今回の新フォームの特徴である「盾」と「チェンソーの爪」を意識して、いつもの変身ポーズのときに突き出す左腕に「武器を装着するぞ」という動きを加えています。通常のバッファの変身と、ぜひ見比べてほしいです!

――エンディングでは、それまでの世界を揺るがす凄絶な戦いから一転し、道長をはじめみなさんがにこやかに歩み寄る、よい雰囲気のシーンが観られました。

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先ほど話したように、道長が春樹に優しく接するという部分を意識して、安らぎをもたらすようなシーンになっていたと思います。僕たちキャストも同じように、ほのぼのとしたかったんですけど、撮影時期がちょうど真夏の猛暑の真っ只中でロケでしたから、みんな汗だくになりながら芝居をしていました。でも、そんな苦労があったからこそ、思い出に残るシーンになりました。

――1年以上にわたる『仮面ライダーギーツ』の撮影の日々をふりかえり、改めて今どんなお気持ちでいるでしょうか。

1年間ずっと一緒に仕事をしていたキャスト、スタッフ、すべての方たちに感謝の言葉を贈りたいです。全員が『仮面ライダーギーツ』への愛を持って、作品作りに取り込んでいました。それぞれが真剣に、いろんな作業をしなければならない中、作品への愛情、情熱があるからこそこんなに頑張ってくださるんだと、現場にいてすごく感じていました。これからも、作品作りに取り組む際には必ず「愛」を込めなければならないという、大切なことを『ギーツ』に携わったすべての人から教えていただきました。

――最後に、仮面ライダーバッファ/吾妻道長を愛するファンのみなさんに向け、メッセージをお願いします。

長い間『仮面ライダーギーツ』、そして仮面ライダーバッファ/吾妻道長を応援してくださって、ありがとうございます。『ギーツ』の物語は今回のVシネクストでひとつの区切りを迎えますが、映像はさまざまな形で何度でも観返すことができますし、もしこれからみなさんが「新しい挑戦」をしようかなというときなど、ぜひテレビシリーズの最初から観てほしいです。これから先、自分自身にちょっときつそうな「壁」が待っているなというときがあれば『ギーツ』の仮面ライダーたちの戦いを思い出して、一緒に壁を乗り越えていくことができれば嬉しいです。いつまでも、みなさんの心の中に『ギーツ』がいると信じています。これからも『ギーツ』を好きでいていただいて、大きな夢や、達成したい「願い」と向き合っていってほしいなと思います!

■杢代和人
2004年5月20日生まれ、東京都出身。ダンスボーカルユニット「原因は自分にある。」メンバー。テレビドラマ『FAKE MOTION -たったひとつの願い-』『あせとせっけん』『卒業式に、神谷詩子がいない』、『最高の生徒~余命1年のラストダンス~』などで活躍。