日本三名泉の一つとして知られる、岐阜県「下呂温泉(げろおんせん)」。1000年以上もの歴史を誇るこの温泉地に、ある異変が起きているのを知っていますか!?

かつては中高年の姿が目立っていた「下呂温泉」ですが、近年若い世代の観光客が殺到中。そう言えば、筆者が下呂温泉に足を運んだのは、もう7年も前のこと……。その当時と比べて、今はどうなっているのだろう?

  • 下呂温泉

ということで、今回は"イマドキの温泉街"として支持される下呂温泉へ、1泊2日で行ってきました!

■温泉街がSNS映えを全力サポート

「下呂温泉」があるJR下呂駅へは、名古屋駅から特急「ひだ」で約1時間半。緑豊かな飛騨の山々や清らかな飛騨川を眺めながら、温泉街へ向かいます。

  • スマホスタンドがあるから、日本三名泉の名付け親「林羅山」像と一緒に写真が撮れる

いつもよりおだやかな時間の流れを感じるのは、今も昔も同じ。でも、明らかに違うのは、すっかり若返った客層です。この日も温泉街は若い世代の観光客であふれかえっていました。

温泉街を歩いていて驚いたのが、「撮った写真は、どんどんSNSにアップしてね」というホスピタリティ精神がちりばめられていたこと。例えば、誰もが写真を撮りたくなる温泉街の中心地「白鷺橋」に、自撮り用のセルフィースタンドが設置されていました。かゆいところに手が届く、楽しい空間づくりに余念がありません。

  • 下呂旅をサポートしてくれる下呂市観光交流センター「湯めぐり館」

そして、2022年4月に下呂市観光交流センター「湯めぐり館」がオープン。情報収集からランチスポット選び、おみやげ探しまで、まちなか観光の拠点として活用できます。

  • 利用する際は「湯めぐり館」でチョークを借りて書く

また「湯めぐり館」前の広場には、観光客が自由にコメントを残せる大きな黒板が置かれています。のぞいてみるとこれがまた面白い!

「俺参上」「次こそ恋人と……」「給料上下呂」など、思わずクスッと笑ってしまったり、何をいっているんですか的な内容だったり、突っ込みどころ満載。

  • 木製でしっかり作られた「湯めぐり手形」。お土産にも良さそう

「湯めぐり館」でゲットしておくと便利なのが「湯めぐり手形」です。これ一つで、対象旅館や日帰り温泉施設に3軒まで入浴できて、1,300円とリーズナブル。有効期限が半年と長いのもうれしいポイントです。※2024年4月1日より1枚1,500円

■2023年登場のSNS映え展望台

  • 引きで見ると、その存在感に驚く

続いて向かったのは、2023年4月に誕生した「ふれあい広場」。ここで「映えて楽しい」と話題になっているのが、不思議な形の展望台。これ、何か分かりますか? ヒントは温泉で使うもの。

  • 写真を撮る人も、撮られる人も楽しい

答えは、そう。風呂おけです。ここで写真を撮れば、温泉街らしい映える写真が撮れますよ。

■観光客に大人気の街ブラを満喫

  • 牛さんのベンチが目印

展望台で写真を撮ったら、次はいよいよ食べ歩きへレッツゴー。今回は、新旧交えて、食べ歩きを楽しみます。

まず向かったのは、老若男女に人気の「湯島庵(ゆしまあん)」。こちらは老舗精肉店が営むテイクアウト専門店です。A5等級の飛騨牛をまるごと一頭買う精肉店直営とあれば、絶対おいしいはず……! がぜん期待が高まります。

  • 「珠玉の三種盛り」(900円)

注文したのは、一番人気の「珠玉の三種盛り」。お皿代わりのえびせんべいの上に、飛騨牛霜降りにぎり、飛騨牛赤身にぎり、飛騨納豆喰豚(ひだなっとくとん)にぎりがのっています。憧れの飛騨牛と、知る人ぞ知る飛騨のブランド豚を一度に楽しめるとは、なんて贅沢なの!!!!

飛騨牛の霜降りは、舌の上でとろける至極の味わい。そして赤身は肉の濃いうまみがたっぷり。飛騨納豆喰豚は脂が上品かつ甘みたっぷりなのに、全然しつこくない。「飛騨に、こんなおいしい豚があったなんて!」と目からウロコです。

  • カラフルな桶の壁がSNS映え

実は今、スイーツの聖地となりつつある「下呂温泉」。中でも、「ゆあみ屋」は、カラフルな風呂おけのオブジェがかわいい!と話題のお店です。この風呂おけを背景に写真を撮るのが、インスタでよく見かけるシーン。

  • 大きな桶の中には、温められたプリンがいっぱい

「ゆあみ屋」の名物は、湯煎されてほかほかになった「ほんわかプリン」。プリンって、冷やして食べるイメージだけど、温めてもおいしいんです! 温められたプリンは、とろ~り、なめらか。特に冬場は、ハフハフしながらホットプリンを食べると幸せ倍増です。

  • 「ほんわかプリン」(400円~)、「げろぷりんソフト」(490円)、「温玉ソフト」(470円)

「ほんわかプリン」のほかにも、プリンの上にソフトクリームをのせた「げろぷりんソフト」や温泉卵をトッピングした「温玉ソフト」など、スイーツのバリエーション豊か。いろんな選択肢の中から、選ぶ楽しさがあります。

  • おしゃれでかわいいコスメがせいぞろい

2024年2月から姉妹店『湯めかし堂』がオープン。温泉をテーマにしたコスメが大充実です。たくさんの商品の中から、筆者が注目する"推しアイテム"はこの3つ。

・「サボン(サクラ)」(1,540円)
ぷるぷるとしたゼリー状石けん。今までにない、ぷるぷるのとりこになります。保湿力が高く、洗い上がりの肌はしっとり。

・「御守りバスボム‐カエルの形のバスボム」(800円)
炭酸浴で血行促進! 疲労物質・老廃物を体の外に排出し、代謝アップが期待されます。「定時で帰れる御守」パッケージもユニーク。残業まみれの人は、これをそっと上司に渡してみると良いかも。

・「足用アロマシート‐貼る、足湯‐」(500円)
岐阜県伝統の美濃和紙に、天然植物成分を塗りのばした足用アロマシート。原材料に飛騨産エゴマオイル、ミツロウ、美濃和紙を使った本格派。4種類の香りから選べるのもうれしいポイント。

  • カエルさんがこっちを見てる!

街歩きのお楽しみは、ほかにもたくさん。下呂温泉は、カエルの鳴き声「ゲロゲロ~」にちなみ、カエルキャラをいたるところで見ることができます。

例えば、道にカエルの絵が描かれていたり、マンホールのイラストがカエルだったり……。隠れミッキーならぬ、隠れカエル探しで盛り上がれるのも、下呂温泉ならでは。

  • 牛さんと一緒に入れる足湯が目印の「ゲロ ゲロ バター スタンド」

次に行ったのは、2020年3月オープンの「ゲロ ゲロ バター スタンド」。とにかく、ここはどこを見渡してもかわいい。写真を撮る手が止まらなくなるほど、映えに死角なしです。

  • 自家製バターがたっぷりのった「焼きおにぎり」ピリ辛明太子バター味(620円)

バターサンドのお店だけど、筆者の推しは焼きおにぎり。こんがり焼けた焼きおにぎりの上には、モ~、バターがたっぷり(笑)。背徳感という名のスパイスが、食欲を最大限に高めてくれます。

■温泉街の定番がレトロポップな映えスポットに

  • おしゃれなお土産も買える「下呂観光倶楽部 テルマエ射的」

おなかが満たされたところで、温泉街の定番・射的を楽しむため「下呂観光倶楽部 テルマエ射的」へ向かいます。こちらのお店は、2023年9月にオープンしたばかりの注目スポット。

  • 本気でもらってうれしい景品ばかり

しかも、射的の景品が豪華。1等はなんと「飛騨牛焼肉orすき焼きセット」や「下呂プリン12個セット」など。うん、これは絶対やるしかないですよね。

  • 狙いを定めたら、ターゲットを打ち落とせ!

料金は、1ゲーム500円。ガチャガチャに500円を入れると、コルク製のタマが出てきます。タマの数も、運次第(8~10個入っています)。おもちゃの銃にタマを入れたら、ハンターのまなざしでターゲットを狙います。

普通、ターゲットにタマが当たれば、バコッ!と落ちますが、タマがコルク製だけに当たってもなかなか落ちません(笑)。簡単そうに見えて難しいけど、目標をクリアしたときの達成感はひとしお。筆者も何度かトライして、無事ターゲットを撃破しました!