• Aマッソの加納愛子

――今作は会話劇ということですが、どのような意識で執筆されたのですか?

やっぱり登場人物が全員他人に興味があるということがベースになっていると思います。日常で「こいつ他人に興味ないな」っていう人もたくさんいるんですけど、他人に興味を持つだけでこれだけいろんな交流ができるんだぞっていうのを、ちょっと意識しました。あと、コメディを書くときは結構女性が受け手になってリアクターとしての笑いの作り方がベースになることが多いなと私自身感じていたので、そこを自分のオリジナリティで打破できないかなというのを、裏テーマとして考えていました。

――実際にスナックは取材されたのですか?

後輩とか友達と何軒かお邪魔しました。スナックにあんまり行ったことがなかったんで、「まあまあウザいんだろうな」って偏見を持ってたんですけど、全然ウザくなかったですし、やっぱ行ってみんことには分からんことが多いなと思いました。

――そこで感じたスナックの魅力は、どんなところでしょう?

ちょっと語弊があるかもしれないですけど、適当にしゃべっていいとこですかね。別に芯食った話をしなくていいし、してもいいし、ママも聞いてるようで聞いてないじゃないですか(笑)。あの感じが良いなと思って。結構こっちが熱を帯びてしゃべり出したら、隣のお客さんのとこ行ったりとか、あの感じがすごくいいなと。何か社会の縮図のような気もします。

――お酒の席でのエピソードで、ドラマに生かしているものはありますか?

相方がすごくお酒を飲むほうで、飲んだらやっぱ人間が変わるんですよ。普段あんまり自分の気持ちをストレート表現するタイプではないんですけど、お酒飲んだときにすごい本音しゃべるんです。「二面性」って言葉もありますけど、人間ってそんなパキッと表と裏があるわけではないので、そのへんのグラデーションを含めて1人の人間なんだっていう部分は、だいぶ参考にさせていただきました。

ほくそ笑みながらセリフを作る

――主演の山口紗弥加さんと北香那さんの印象はいかがでしょうか。

最高ですよね(笑)。北香那さんは今からの女優さんですし、山口紗弥加さんはいろんな作品に携わってこられた方ですので、自分の台本でおそれ多いと思いますけど、そんな2人に「こんなこと言わしたら面白いな」っていうのを、ほくそ笑みながら書いてます(笑)

――どんなところに注目してほしいですか?

結構、各話ごとに弾けさせたり、感動できる部分もあったり、いろんな感情が見えると思います。大激怒も大爆笑もあって、ウザい絡みもあってっていう会話の種類を楽しんでもらいたいですね。

  • (左から)山口紗弥加、加納愛子、北香那 (C)CTV

    (左から)山口紗弥加、加納愛子、北香那 (C)CTV

――全話の脚本を担当され、絶賛執筆中(※取材は2月中旬実施)ということですが、やはり大変ですか。

そうですね、嫌ですね(笑)。去年の年末ぐらいから書いてまだ終わってないので、ちょっと自分の遅筆にもビビってますけど、撮影日が迫っておりますので、何とか頑張りたいなと思います。

――では改めて、今作の見どころをお願いします。

スナックという場所の特性上、いろんな世代の方が出入りするということがテーマになっています。お酒を飲む場ですので、砕けた会話から、真に迫るということもあるでしょうし、真面目な話を真面目にするということだけではなくて、ほんの会話からヒントになって物事が解決したりすることもあるでしょうし、意外とおっさんってウザくないんだなとか、おっさんからしたら若い子って意外と根源的には感覚が同じだなとか、自分と違う世代の人との会話の中で、いろんな気づきあったり、楽しさを見つけてもらえるドラマにしたいと思います。役者の皆さんの演技とか、面白い部分がたくさんあると思いますので、そこを楽しんでもらいたいですね。