奈緒&木梨憲武は本当の親子のよう

――現場での奈緒さんと木梨さんの雰囲気を教えてください。

お互いのことが大好きです! 今日も朝から撮影だったのですが、木梨さんが「奈緒ちゃん、何が食べたいかな」と言いながら奈緒さんのために朝ごはんを買ってきていました。奈緒さんは、撮影がお休みの日に「一緒に本読みをしてもらえませんか」と木梨さんのアトリエに足を運んでいて。木梨さんはきっと、奈緒さんが自分のために台詞を覚える時間を作ってくれていると感じているし、お互いがお互いを思い合っていて、とても微笑ましい関係です。いつもお互いの撮影が終わるまで待っていたりして、本当の親子のようです。

表現力の高さに脱帽…濱田岳は「天才」

――続いて、ほかのキャストの皆さんについてもお伺いしていきたいのですが、まずは一馬役の濱田岳さんの魅力を教えてください。

天才だと思います。台本を読んでいろいろなことを考えてきてくださるのですが、第6話の車から降りられないというシーンでは、シリアスな場面のあとにクスッと笑えるようなアドリブを挟んでくださって、D1グランプリで自分の番号がないというシーンでは胸元をちらっと見る仕草をしていたり、ちょっとした所作が素晴らしくて。それでいて、自分の我や個性よりも役が強いという凄みもあります。確かな演技力と表現力の高さに脱帽で、唯一無二だと感じさせてくださる俳優さんです。“皆に愛されるカズマルくん”になったのは、濱田さんが演じているからだな、と。

奈緒・深澤辰哉・見上愛の共通点は「自分よりも相手思いやる優しさ」

――瞳の同級生役の岸を演じるSnow Manの深澤辰哉さん、美奈子を演じる見上愛さんの印象も教えてください。

奈緒さんを含めて、あの3人は全員がおしゃべりなんです。年齢もバラバラ、経歴としても全然違うフィールドで生きてきているのに、「よくそんなに話題があるな!?」と思うほどずっと話していて、本当に仲がいいです。演じるキャラクターにも通ずるのですが、3人が共通して持っているのは、自分よりも相手のことを思いやるという優しさ。3人でいるとすごく居心地がいいんだろうなと思いますし、些細なことでも笑い合っている姿には、まわりのスタッフも幸せにする力があります。深澤さんは普段はアイドルとして活躍されていますが、番組を拝見していて「仲間思いで優しい方なんだろうな」と感じたことがキャスティングのきっかけになりました。持ち前の人思いな優しさが岸という役ににじみ出ていると思います。現場では、木梨さんはじめ、キャストにもスタッフにも愛されています。

小林聡美・光石研・筒井真理子…ベテラン俳優が物語に奥行きを

――さらに今作には、瞳が務める助産院の杉村院長役に小林聡美さん、雅彦の緩和ケア医・阿波野先生役に光石研さん、雅彦の姉・まき役に筒井真理子さんと、豪華なベテラン俳優さんたちが出演されています。それぞれの魅力を教えてください。

たたずまいだけで包容力と説得力のある小林さんですが、現場ではとてもチャーミング。皆に気を使いながら、柔らかい空気の中でお芝居をしてくださっています。奈緒さん、小林聡美さん、影山優佳さん3人の助産院のシーンはいつも癒しの空気が流れています。筒井さん演じる雅彦の姉・まきは、瞳よりもずっと前から雅彦と一緒にいたことを感じさせる“姉弟の空気感”や、姉として、弟が先に亡くなってしまう寂しさや苦しさを演じる振る舞いがすごく素敵です。筒井さんは、誰よりも現場を楽しんでいて、ハッピーなオーラを纏っていらっしゃる、笑顔の絶えない明るい方です。木梨さんには普段から「姉ちゃん」と呼ばれているほど仲が良くて、距離の近さがお芝居にも表現されていると思います。そして、ドラマの大事なところは光石さんに締めていただきたいとつい考えてしまう、“皆大好き、光石研さん”。大信頼している光石さん演じる阿波野先生が、雅彦が死と向き合うための受け皿をしっかりと担ってくれています。ベテラン俳優の皆さんが『春になったら』を支え、物語に奥行きと深みを与えてくださっていることに大変感謝しています。

――では最後に、『春になったら』11日放送の第9話の見どころを教えてください。

雅彦の体調が悪くなっていく中で「死ぬまでにやりたいことリスト」を叶えられないかもしれないというピンチが訪れ、瞳と一馬が奮闘するストーリーになっています。雅彦が小学校のときに埋めたびっくり箱のようなタイムカプセルにどんな思いが眠っているのか、想像しながら見ていただけたらうれしいです。

■カンテレ 岡光寛子プロデューサー
1989年生まれ、広島県出身。12年、関西テレビ放送に入社し、宣伝部、制作部を経てドラマプロデューサーに。これまでのプロデュース作品に『TWO WEEKS』『姉ちゃんの恋人』『アバランチ』『魔法のリノベ』など。『ウソ婚』『時をかけるな、恋人たち』『春になったら』と、3クール連続で連ドラプロデューサーを担当中。