2023年7月から2024年1月まで全25話を放送した特撮テレビドラマ『ウルトラマンブレーザー』の劇場版となる『ウルトラマンブレーザー THE MOVIE 大怪獣首都激突』が公開中。頻発する巨大怪獣から人々の平和と安全を守る任務を帯びた特殊怪獣対応分遣隊「SKaRD(スカード)」のヒルマ ゲント隊長と4人の隊員の活躍は、テレビ画面からスクリーンへとスケールを拡大し、首都・東京のど真ん中を揺るがす圧倒的ボリューム感の大怪獣「妖骸魔獣ゴンギルガン」を迎え撃つ、SKaRDメンバーとウルトラマンブレーザーの激闘が描かれる。
『ウルトラマンブレーザー THE MOVIE 大怪獣首都激突』公開記念インタビューに抜群の身体能力でハードな任務をこなすSKaRDの若き3人の隊員が登場する。諜報活動のスペシャリスト・アオベ エミ隊員役の搗宮姫奈、格闘技が得意で、特戦獣アースガロンの操縦士を務めるミナミ アンリ隊員役の内藤好美、アースガロンの開発にも関わったメカニックのスペシャリスト・バンドウ ヤスノブ隊員役の梶原颯が、『ウルトラマンブレーザー』テレビシリーズの撮影の日々をふりかえると共に、ウルトラマンブレーザーやSKaRDを応援してくれる子どもたちからもらった無限のパワーについて、そして大迫力の特撮アクションが満載された劇場版の見どころを、エネルギッシュに話してくれた。
『ウルトラマンブレーザー』でフレッシュな魅力を見せた搗宮姫奈&内藤好美&梶原颯が登場
――『ウルトラマンブレーザー』のテレビシリーズ放送時、SNSでは毎週のように熱心なファンからのコメントが上がっていました。キャストのみなさんも可能な限りオンタイムで放送をご覧になっていたとうかがいましたが、ファンの方からのコメントを読まれることも多いんですよね。
内藤:私たちもスマホを片手に、テレビを観ていましたね(笑)。毎週放送終了後、嬉しいコメントばかりついているので楽しかったです。
梶原:反響のすごさには、毎週驚かされました。
搗宮:リアルタイムで感想を書いてくださる方もたくさんいらっしゃいましたよね。
内藤:毎回、楽しみにしていました。トレンドワードに“ウルトラマンブレーザー”が来るのはもちろんのこと、ときどき「アンリ隊員」とか、その回で目立った動きをしたキャラクターがトレンドに入るのがすごかった。私自身、自分の演じた役がトレンドになるなんて!? とびっくりしました。
搗宮:もう、嬉しい限りですね。
梶原:YouTubeの見逃し配信だと、進行と同時にみなさんからのコメントがつくのが面白いんです。
搗宮:そうそう、リアルタイムで場面場面の反響がダイレクトに来るの、チェックするのが楽しかった!
――SKaRDのみなさんのチームワークが、エピソードを積み重ねるごとに強化されていく様子がとてもよかったと思います。第21話「天空の激戦」だと、落ち込んでいるヤスノブ隊員にアンリ隊員がそっとアイス「ゴリゴリくん」を差し入れをするカットなど、ふだんのみなさんの関係性が見えるかのような自然な雰囲気でした。
梶原:ありましたねえ~。
搗宮:アンリちゃんが「ゴリゴリくん」をヤスノブのほっぺたに当てて(笑)
内藤:しかもカレー味(笑)。シリアスな展開の合間に、ちょっとコミカルなところを入れ込むバランスがいいよね。
梶原:そういうところ、観ていても心地よかったね。
内藤:エミちゃんがシリアス担当で、本筋のキーパーソンだったでしょう。私やヤスノブさん、そしてテルアキさんは潤滑剤のように、ちょっと息抜きみたいなシーンが印象に残りました。
搗宮:このバランス、ほんとうにいいなって思います。私がメインで動いているシーンはちょっとムードが暗くて、子どもたちに観てもらえるのかどうか心配していたんです。撮影中はみんなのシーンを見ていないから。でもオンエアだと、みんながめちゃくちゃ面白い動きをするので、これはいいなって(笑)
内藤:緩急のメリハリが絶妙! っていう感想をよくいただくんですよね。SKaRDメンバーそれぞれの役割分担がしっかりできていて、お互いにない部分を補い、助け合い、支え合っているところがしっかり伝わっているのかなって思って、嬉しくなりますね。
――第20話「虫の音の夜」では、SKaRDメンバー全員で「怪獣が出て来た時の対処法講座」と題された寸劇の稽古をされています。演出を務めるテルアキさん以外のみなさんが、かなり奇抜なコスチュームで臨んでいたのが話題となりました。
梶原:「お母さん」役のエミがかわいかったって、コメントいっぱいついてたよね(笑)
内藤:あの格好、似合ってた!
搗宮:最初、監督からは「サザエさんみたいな感じ」って言われていて、ええっ? て思ってた。
梶原:ふつうに、おしゃれママって雰囲気だったよね。
搗宮:そう。決まった衣装を着て、現場に入ったら、あれ? サザエさんじゃなかったの?って(笑)
内藤:なんでイメージが変わったのかな。ヤスノブさんはヒーロー風コスチュームで張り切ってた。
梶原:そうですね。腕をあえて露出させて、筋肉を強調させていただきました。
内藤:登場ポーズを考えて、事前に練習してきたって言ってたねえ(笑)
梶原:そう! S・K・a・R・Dの文字を全身で表すポーズを考えました。
搗宮:あれ、急にやりはじめるからびっくりしたんだよね。
梶原:本番でいきなりやったろうと思って、準備してたからね(笑)
搗宮:アンリちゃんは幼稚園児の格好だったでしょ。かわいかった(笑)
内藤:園児になった写真をSNSにアップしたら、過去最高じゃないかっていうくらいの「いいね!」がつきましたし、フォロワーさんが4,500人も増えました(笑)
搗宮:すご!!
テレビシリーズ全25話をふりかえって印象的なエピソード
――テレビシリーズ全25話をふりかえって、みなさんが特に印象的だったストーリーやシーンを挙げてみていただけますか。
搗宮:私は最終回で、寺田農さんや加藤雅也さんを前にしてひとりで長いセリフを喋るシーンが強く印象に残っています。緊張感がすごかったですし、田口(清隆)監督は「このシーン、君にかかってるからね」って脅かしますし(笑)。エピソードの中盤あたりからは「作品がうまくいくかいかないかはエミ次第」って言われてきましたので、ようやく最後の場面を終えることができて、ホッとしたのを覚えています。
梶原:ドバシを演じた寺田さんは、すごく怖そうなお芝居をされてたけど。
搗宮:ふだんはすごく優しい方でした。気さくに話かけてくださって、こんなに優しいんだ……と驚くくらい(笑)
梶原:僕はさっきも話した第21話が印象深いです。アースガロンMod.3の操縦テストに失敗してパイロットから外されたヤスノブが、一生懸命努力して、頑張って、アンリさんたちにも励まされて、ふたたび操縦できるようになるという「成長」を見せることができました。『ウルトラマンブレーザー』では、すべてにおいて完成されているゲント隊長がウルトラマンに変身する「主役」なので、従来のウルトラマンでよく見られた「成長していくヒーロー」の部分は、僕らが見せないといけないぞという意気込みを持っていました。第21話はちょうど、ヤスノブの挫折と成長を描く回だったので、とても気合いが入りました。撮影以外の時間を使って、アンリさんたちともよく話し合っていましたね。
内藤:ヤスノブのお芝居をiPhoneで撮影して、見返しながら練習していたよね。副隊長(伊藤祐輝)に見てもらったりして。
梶原:そう。ロケ帰りのバスの中でテルアキさんに動画を見てもらったんです。
搗宮:そんなことが!!
梶原:テルアキさんに「いいじゃん、これならイケるよ!」と励ましてもらって、自信がつきました!
内藤:私は第24話「第3波接近襲来」で、司令部からの命令をゲント隊長がみんなに伝えるシーンですね。会話が中心のシリアスな芝居だったので、事前に練習して臨みましたが、ワンシーンほぼほぼワンカットで、何度も何度もひたすら撮っていたのがすごく印象に残っています。もう1回最初からやるとなったとき、みんながテンションを維持しながら、気持ちを作り直して撮影していたたいへんさを思い出します。
梶原:ずいぶん長く撮影していたよね。
内藤:スタッフの方たちも、私たちが演技をしやすいような空気を作ってくださいました。ゲント隊長の言葉を受けて、みんなが何を思ったのか、ひとりひとり違う表情を浮かべていたのも印象的でした。
搗宮:あのときの撮影は、ほんとうに緊張しましたね。
内藤:4人が月へ行ってヴァラロンと戦わなければならない一方で、エミちゃんひとりだけ地球に残るのが切なかった。アンリにとってエミちゃんは唯一の女子仲間ですから、離ればなれになるかもしれないという局面で、いろいろ思うところがあったんじゃないでしょうか。オンエアを観たとき、そんなアンリの繊細な心情が撮影現場で生まれていったんだなあと思うと、感慨深かったです。
――怪獣との戦闘がないエピソード・第13話「スカードノクターン」でも、アンリとエミの自然な「女子トーク」が話題を集めましたね。
搗宮:あの会話シーン、最初に私たちがイメージしていたのは、もっとカラッと明るい感じだったんです。
内藤:そうでしたね。監督からいきなり「2人とも後ろ向いて」って言われて、ちょっと驚きました(笑)
搗宮:2人して「えっ!?」って言ったよね(笑)
梶原:お互いに、まだ完全に打ち解けてない、ちょっとよそよそしい感じが出てた。
搗宮:エミちゃん的にもまだみんなに心を開ききっていないタイミングでしたね。そんな中でアンリちゃんと話していて、ちょっと話しすぎちゃったかな? と思って、いきなり「恋愛トーク」に切り替えたりして(笑)
内藤:重くなった空気を変えてみようかな?って感じだったよね。
搗宮:そうでしたね(笑)
――劇中でSKaRDのみんながだんだんファミリーっぽくなっていくのと同じように、役者のみなさんも段階を経てチームワークが確立していったと見てよいですか。
梶原:まさにそうだと思います。
搗宮:だんだんみんなが現場に慣れてきて「ここで仲良くなるタイミングだ」というときにゲント隊長がみんなを食事に誘ってくれたんだよね。それがきっかけになってみんなが急に打ち解けた(笑)
梶原:撮影が始まったころは、あえてプライベートで一緒にならないようにしておこうみたいな空気があったもんね。
搗宮:それだけに、途中から一気に仲良くなった印象ですね。
内藤:ねー。
梶原:エピソードが進むごとにSKaRDメンバーの絆が深まっていくというのは、演じる僕たちも強く意識していました。