2024年2月8日に発売される『HELLDIVERS 2』は、最大4人でチームを組んでプレイするオンライン専用の協力型SFシューティングゲーム。前作『HELLDIVERS』は見下ろし視点だったが、今作では視点が地上に近づいて「TPS」タイプに変更された。プラットフォームはPlayStation 5(PS5)とPC(Steam)で、クロスプレイに対応する。

発売に先駆けて、同作を試遊できるメディア向けの「ハンズオンイベント」が開催された。ほかのメディアとチームを組み、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)稲垣健氏のサポートを受けながら、実際にゲームを体験したので、その様子をお伝えする。

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    『HELLDIVERS 2』をPS5でプレイ。ゲーム本編の価格は4,480円。「DP-53 自由の守護者」アーマーセットや「戦略支援ヒーロー」ゲームなどの特典が付属する「スーパー市民エディション」は6,480円。プレイするにはインターネット接続が必要。PS5版の場合、PlayStation Plus(PS Plus)への加入が必要だ

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    PC版のスペック表。1080p60FPSの推奨スペックは、グラフィックスがNVIDIA GeForce GTX 2060またはAMD Radeon RX 6600、CPUがIntel Core i7-9700KまたはAMD Ryzen 7 3700X、メモリが16 GB DDR4

ストーリーはリアルタイムに進行! プレイヤーの選択が物語を変える

『HELLDIVERS 2』の舞台は、人類の故郷「スーパーアース」を含むさまざまな惑星が存在する銀河。スーパーアースは、巨大な虫のような「ターミニッド」と、殺戮を行うロボット「オートマトン」による侵略の危機に直面しており、「銀河大戦」と呼ばれる宇宙規模の勢力争いの真っ只中だ。プレイヤーは、スーパーアースのエリート兵士「ヘルダイバー」となって、この「銀河大戦」に参加する。

ストーリーはリアルタイムで進行。プレイヤー全員の行動の結果によって、開発サイドが「全体命令」と呼ばれる目標を更新するなど、銀河大戦の大局が変化し、物語が展開されていく。ゲームで挑戦できるミッションの種類はさまざまで、それぞれのプレイヤーがどのような形で貢献するかは自由だが、コミュニティ全体で協力しながら「全体命令」の達成を目指すイメージだ。

ミッションのステージになる惑星には「解放率」が表示されており、この数字を見れば、コミュニティがどの惑星に侵攻しているかわかるようになっている。たとえば、コミュニティの多数が「ターミニッド」の攻略に向かっている場合、その流れに乗るのもいいし、反対に「オートマトン」の侵攻を防ぐべく動くのもいいだろう。

「全体命令」の進行度がイマイチであれば、クリアしやすいよう武器が提供される可能性もあるし、反対にさらなるチャレンジングなミッションが課されることもある。そんなコミュニティと開発のインタラクティブな体験も、同タイトルのおもしろさの1つと言える。

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ゲームの概要を紹介する「銀河大戦トレーラー」がYouTubeで公開されている

フレンドリーファイアあり、支給品投下の下敷きもあり。リアルだからおもしろい

ハンズオンイベントでは、まず初心者向けの「ターミニッドの卵破壊」ミッションにチャレンジした。難易度は9レベル中の1レベル。ミッションを決めたあとは「ヘルポッド」に乗り込み、投下ポイントを選択して、「戦略支援」を決めたらスタートだ。

「戦略支援」は、ミッション中に呼び出せる支援物資のようなもの。「火炎放射器」「設置型ガトリングガン」といったアイテムを、上空にいる宇宙船から投下してもらえる。投下されたアイテムは仲間とシェア可能。1度使うと一定時間のクールタイムが発生するほか、投下地点にいると支給ボックスの下敷きになって命を落とすため注意が必要だ。

この「戦略支援」の呼び出し方法がユニーク。「L1」ボタンを押しながら十字キーのコマンドを、たとえば「↓←→→←」といったように、順に入力しなければならない。敵がいない場所ならまだしも、敵と対峙しているときに呼び出すのはかなり難しいと感じた。

ミッション開始の投下ポイント選択時には、おおよそ敵集団のいる位置がわかるようになっており、今回は敵が少なそうな場所をチョイス。敵がいないうちに稲垣氏から基本的な操作方法を学ぼうとしたのだが、試し撃ちの銃声を聞きつけたのか、すぐに敵が襲来した。

基本中の基本である「銃の撃ち方」を聞いただけだったので、とにかく撃つしかない。しかし、慌てて手持ちの銃で敵を攻撃しようと「R2」ボタンを押したら、うっかり味方を誤射してしまった(申し訳ございません)。同作には、味方にも攻撃が当たる「フレンドリーファイア」の要素が搭載されているので、位置取りは非常に大事。誤射はもちろん、仲間の射線に入らないよう気をつけなければならない。

だが、フレンドリーファイアで味方を撃ってしまっても、不思議と険悪な雰囲気にはならなかった。稲垣氏も「おお~、危ない危ない。ははは」と誤射すら楽しんでいる。そして、申し訳ないと思いながらも「すみません(笑)」とニヤニヤしている自分がいた。

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なお、味方がデスした場合のリスポーンも、「戦略支援」と同様にほかの生存メンバーによる「増援」のコマンド入力が必要だ。しかし、「味方がやられる」すなわち、「ほぼ敵と戦っている状況」なので、そこで素早くコマンドを入力するのも、慣れないうちは難しそうに感じた。リスポーンは「新たなヘルダイバー」が宇宙船から投下されるイメージ。「戦略支援」と同じで投下ポイントにいると下敷きになってしまう。

一方、下敷きになるのは敵も同じ。ヘルダイバーのリスポーンでは、短い時間ながら落下場所の補正を自分で行えるので、当然簡単にはできないものの、うまいこと利用すれば攻撃に使うこともできる。そりゃあ、普通に考えたら、はるか上空から落とした物資に直撃した人が生きているはずはない。フレンドリーファイアも同様だ。そのあたりの“リアルさ”も、このゲームのおもしろいところである。

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その後、手探りでアレコレ試しながらも、最初のミッション自体は問題なくクリアした。稲垣氏によるチュートリアルもあって、基本的な操作方法はひと通りチェックできただろう。目標を達成したら「帰還フェーズ」に移る。

それぞれのミッションで設定されているタイムリミットは、脱出するまでの時間。手に入れたアイテムを最大限持ち帰るには、マップに示されたポイントへ移動し、全員が無事に帰還する必要がある。しかも、帰還するための船が迎えに来るまでには数分かかるうえ、待っている間に敵がどんどん攻めてくる。最後まで気が抜けないのだ。無事に脱出できれば、今度こそミッション終了。母船へ帰還する。

帰還後、ミッションで手に入れた報酬を使えば、新しい「武器」や「戦略支援」「アーマー」などをアンロック可能だ。ただし、キャラクターの能力を向上させるレベルアップのようなものは用意されていない。アンロックした武器は、「戦略支援」でその場のメンバーに共有できるため、始めたばかりのプレイヤーでも長時間遊んでいるプレイヤーと近い条件で一緒にプレイできるだろう。

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協力プレイの醍醐味を味わえるデザインと、死んでも笑える空気感

いくつかの武器をアンロックしたら、次はレベル2のミッションに挑戦。今度の敵は、心を持たない「オートマトン」たちだ。基本操作を覚えたこともあり、活躍できるかもしれないと考えたが、そんなことはまったくなかった。

前回の教訓を活かし、敵が近づいてくる前に「戦略支援」で武器を要請するも、今回もすぐにオートマトンたちの襲撃を受ける。しかも、さっきまでの虫と違って、かなり遠くから光線銃のような武器をバシバシ撃ってくるではないか。正面から撃ち合うのは得策ではないと、戦闘が苦手な筆者が選んだのは「あまり戦わないこと」。そそくさとギミックの解除に向かった。

なお、1つのミッションでクリアする目標は1とは限らない。たとえば、今回挑戦した「ミサイル発射」のミッションでは、まず発射のための「コード」入手し、ミサイル発射用の端末に移動してその「コード」を入力するといったタスクを完了させる必要がある。

ゴリゴリに前線に立って戦闘するだけでなく、敵の目を盗んでそれらの作業を遂行するプレイヤーがいてもいいだろう。2人ずつ2手に分かれて行動する戦略もある。ボイスチャットなどでフレンドと相談しながら、臨機応変にミッションに挑むのも楽しそうだ。

あまり戦わないようにしたにもかかわらず、今回のミッションでも筆者は何回も死んでしまった。だが、頼もしい味方たちのお陰でミサイルは発射完了。個人的に活躍できている手応えはまったくなかったが、足手まといがいても、チームとしてはちゃんとプレイできている。

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そして、最後に「とんでもないレベルのやつもやってみましょう」という稲垣氏の提案により、レベル4のミッション「バイルタイタン」の討伐に行くことになった。

「今回こそは」と意気込むも、ボスに到達する前に早速デス。ほかの敵のターミニッドがウヨウヨと湧いてくるのはそれだけで脅威に感じる。そして、リスポーンコマンドを入力してくれるメンバーに申し訳ないと思いつつも、「ああー。すみません(笑)、死んじゃいました(笑)」と、やはりニヤニヤしている自分がいた(申し訳ございません)。

しかし、周りを見ると、死んでいるのは筆者だけではなかったようだ。全員同時に死ぬと、コマンド入力なしで全員すぐにリスポーンするのだが、運が良かったのか悪かったのか、今回のミッションではそのシーンも確認できた。「デス=即終了」ではなく、ある程度織り込み済みの雰囲気が、死んでも気まずくならない大きな要因なのかもしれない。

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ちなみに、「バイルタイタン」戦はあっけない形で決着した。リスポーンのヘルダイバーが入ったポッドが直撃したのだ。もちろん、筆者ではない。見事な突撃に、会場は拍手喝采である。とはいえ、先述した通り、帰るまでがミッション。ボスを倒したからといって安心できない。というか、むしろ帰るほうが大変だった。

走って帰還ポイントまで向かうも、うしろからゾロゾロとついてくるターミニッド。帰還船を呼び出してから、迎えが来るまでの時間は、攻めくる大勢の敵から生き延びなければならない。

次々とやられるメンバー。ゼロになる残りの増援数。ちなみに、増援の残数(ヘルダイバーの残機)がゼロになると、2分のクールタイムが発生して、すぐには呼び出せなくなる。そんななか、最後に残ったのが筆者だった。

もう助けてくれる仲間はいない。帰還できるかどうかは自分にかかっている――。「生き延びなければ!」と、いままで足を引っ張った分を取り返そうと気合を入れたが、無情にも表示される「足故障」のアイコン。同タイトルでは、敵キャラクターにもプレイヤー側にも「部位破壊」のようなシステムが搭載されており、足を怪我してしまうと、移動が極端に遅くなってしまうのだ。

結果、一瞬にしてターミニッドに囲まれ、あえなく死亡してしまった。しかし、かなりのピンチにもかかわらず、会場はみんな「逃げろ逃げろ(笑)」「あ~! 足が、足が(笑)」と大爆笑。死んだあと、リスポーンで呼び出されるまでは、ほかのプレイヤーの画面が映し出されるのだが、全員の画面で筆者のやられる様を観ながら、大盛り上がりで試遊が終了した。

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言うまでもないかもしれないが、筆者は『The Last of Us Part II Remastered(ラスアス2リマスター)』新モードの「NO RETURN」でボスのブローターを倒せないほどアクションシューティングが苦手だ。なので、プレイする前は、ほかのメディアさんに迷惑をかけてしまうのではないかと心配していた。

もちろん、実際に迷惑はかけまくったのだが、苦手なりにも、ワイワイと盛り上がれるおもしろさを体験できた。全員が死んで終了したバイルタイタン戦も、ボスの討伐報酬はゲットできていたようで、「完全なミッション失敗」にならないところも、笑いながらプレイできる気軽さにつながっているのだろう。