津田健次郎、心臓外科医の“悪い男”役に全力投球「新境地を応援していただけたら」

佐々木蔵之介・筒井道隆の印象

――反町さんのほかにも、佐々木さん、筒井道隆さんと、津田さんと同世代の俳優さんが出演されている今作ですが、津田さんから見た、お二人の魅力的なところを教えてください。

筒井さんは穏やかで、朗らかで、その明るさが少年のようにキラキラしている方。初対面だったのですが、本当にフレンドリーですし、たくさんお話ししてくれます。アニメをすごく見られていて、中でも『呪術廻戦』がお好きみたいで。そんな話もしてくださるので、日々楽しく過ごさせていただいています。

蔵之介さんは映画で共演させていただいたのですが、こんなに短いスパンでまたご一緒できると思っていなかったので、本当にうれしくて。ビシッとした中にバッと色気がにじむかっこよさを持っている方です。ちょこちょこ話しかけてくださって、他愛もないお話もさせていただいています。

――佐々木さんとお話しされるときは、お二人とも関西弁になるんでしょうか。

蔵之介さんがぽんっと関西弁になられるので、僕も合わせてそうなりますね。

プロデューサーから「津田さんしかいない」とオファー

――テレビ朝日のYouTubeチャンネル『動画、はじめてみました』の番組「おねだり! 声優フェス」では、プロデューサーからのメッセージで、津田さんへ郡司役をオファーした理由を「視聴者の予想を裏切る動きを見せる“トリックスター”で、ドラマのカギを握る重要なキャラクター。そんな役の多面性を体現できるのは津田健次郎さんしかいない!」と明かされていました。その言葉を聞いたときの心境を改めて教えてください。

めちゃくちゃうれしかったです。「トリックスターか」と、テンションが上がりましたね。場を引っかき回す役割もあるので、期待をさらに上回る面白いお芝居ができたらと、クランクイン前から気合いが入りました。

――今作で「こんな新しい津田健次郎が見られる」とアピールするなら。

心臓の手術シーンは今までやったことがなかったですし、不倫するような“女性絡みの悪い男”というキャラクターもがっつりお見せしたことはなかったと思います。いろいろな意味で悪い男だし、女性の敵です。僕としても、今までにない面白さを感じているので、僕の新境地を応援していただけたらうれしいです。

ネガティブな感情もポジティブな感情も大事に

――郡司は藤巻に嫉妬や憎悪を抱く役どころです。津田さんの中にもそんな感情が生まれたことはありますか。

言語化が難しいですが、そういうネガティブな感情が生まれたことはもちろんたくさんあります。他人を見て「いいな」と嫉妬心に駆られたことも、憎しみを抱えたこともありました。いい感情も悪い感情も、ネガもポジも一体となっているのが人間なので、俳優としてどちらも大事にしています。

――ネガティブな思いを抱いていたとき、津田さんはその苦難をどうやって乗り越えてきましたか。

いつの間にか、という感じですね。ネガティブな感情を抱えていてもしょうがない、それよりもっと違う感情で生きたほうがきっといろいろうまくいくだろうし、楽しみも増えるだろうし、と考えを変えられるようになって。どんな感情もどんな体験も大事にしていますが、やっぱりポジティブな感情を持って生きるほうが素敵な人生になりますよね。

――声優としても、俳優としても第一線でたくさんの作品に出演されている津田さんですが、改めて今大事にしていることを教えてください。

一つひとつのご縁を大事にしようと思っています。アニメだったり、洋画の吹き替えだったり、ナレーションだったりという声の仕事もそうですし、こういった実写のドラマだったり、映画だったりも、瞬間瞬間、全部をきちっと大事にしていきたいという気持ちがより強くなってきました。油断せず、より謙虚に丁寧に、でも大胆に。一本一本の作品と対峙していきたいです。

――では最後に、3話の見どころをお願いします。

3話からさらに郡司がドライブしていきます。これまでは藤巻の対抗馬として「嫌な奴だな」という印象が先行していたと思うんですけど、3話からはぐっとアクセルを踏んで、全然違う一面がパンと出てくるので、「こんな人だっけ!?」と思っていただけるかもしれません。物語としてもすごいスピードでどんどん展開していくので、1話たりとも逃さずに見ていただくのがいいんじゃないかなと。「謎が謎を呼ぶ」とても面白い脚本になっていると思います。