1月7日にスタートするNHK大河ドラマ『光る君へ』(総合 毎週日曜20:00~ほか)で主演を務める吉高由里子にインタビュー。2014年に連続テレビ小説『花子とアン』で主演を務めてから10年というタイミングでの大河ドラマ主演にどのような気持ちで臨んでいるのか。昨年5月から撮影を続けてきて感じた思い、演じる紫式部の印象や本作の魅力、柄本佑との再共演などについて話を聞いた。

  • 吉高由里子

大河ドラマ『光る君へ』で主人公・紫式部を演じる

大河ドラマ第63作となる『光る君へ』は、平安時代を舞台に、のちに世界最古の女性文学といわれる『源氏物語』を生み出した紫式部の人生を描く物語。主人公・紫式部(まひろ)を吉高、紫式部の生涯のソウルメイト・藤原道長を柄本が演じ、脚本は大石静氏が手掛けている。

5月28日に京都の平安神宮でクランクインした本作。吉高は「平安神宮でスタートが切れるなんて願ってもないことだったので、すごくうれしいスタートが切れたなと思います」と振り返り、「平安時代の装束を着て平安神宮で歩くだけでも高揚感があったなと。胸が高鳴るような、でも緊張で不安になるような、もう始まるのかという気持ちと、いろいろ噛みしめていました」と語った。

そこから半年以上経ち、「民放のドラマをやっていたら2本目が終わる頃だと思うと、どれだけこの作品を長い期間かけてやっているのか改めて実感しました」としみじみ。「着物は毎日着るたびに自分の肌の形に合ってくるという、革靴のようなところがあって、自分に馴染むように着物を育てていく日々が楽しみです」と声を弾ませた。

朝ドラから10年「30代でまた1人の人物を長く演じられる作品に出会えた」

吉高は、2014年度前期の連続テレビ小説『花子とアン』で主演を務めたが、朝ドラと大河で心境の違いはあるのだろうか。

「朝ドラはちょうど10年前で、25歳のほうが怖いものなしというか、何もわかってなかったなと。今回のほうが人数も多いですし、期間も長いので、それはだいぶ違うなと感じています。朝ドラの時もみんなと家族みたいになって、終わるのが寂しすぎたので、今回はおかしくなってしまうのではないかなと思いますが、寂しさはあまり考えないようにしています。年齢的にも安堵のほうが強くなるのかなと、そう感じるようになっていたら大人になったなと思います」

朝ドラで1人の人生を長く演じた経験は今回にも生きているようで、「1回経験があるので、ゆとりまではいかないですが、そんなに不安がらなくても大丈夫でいられるのかなと思いました」と、少しは心に余裕を持てたと明かす。

そして、30代半ばで大河ドラマの主演を務めることに、「偶然のような必然のようなタイミングだったなと感じています」と感慨深げに語る。

「ちょうどいいタイミングで巡り合えた作品だなと。朝ドラから10年経ち、30代でまた1人の人物を長く演じられる作品に出会え、そういうスケジュールが取れたということも含めて、偶然のような必然のような。もうちょっと年齢を重ねたら体力的に『1年半は無理』ってなっているかもしれないですし」

続けて、「10年経った自分がどういう風になっているのか、これから知っていくと思うので、それも楽しみです」と10年前との自身の変化に期待。

本作を演じ切った時にどうなっていたいか尋ねると「充実感と達成感をちゃんと感じられていたらいいな。お芝居のキャッチボールがこれだけ楽しいことなんだというのを一つでも多く見つけられたらと思っています」と答えた。

主演としては、「みんなを巻き込んで楽しんでいきたい」と考えているそうで、「座長としてというより、人に甘えるところは甘えて、なるべくみんなを巻き込んでこの作品に全員で没頭できたらと思っています」と語った。