試遊会では、先行プレイのあとに『龍が如く8』チーフプロデューサー阪本寛之氏への合同インタビューの時間が設けられた。ここでその内容についてもざっくりお伝えしたい。
インタビューでは、ほかのメディアさんから「スジモンバトル」など、筆者が試遊しなかった要素に関する質問もけっこうあった。あらためて未プレイ部分の多さを実感するとともに、質問を聞いていたら、スジモンバトルにもかなり興味を持った。
オンライン要素も搭載。他プレイヤーのドンドコ島にも遊びに行ける!
――やりごたえ抜群の「ドンドコ島」を実装した意図を教えてください。
阪本氏:ハワイを舞台にしているので、南国リゾートの大自然に触れ合えるようなコンテンツを入れたいと思ったところから出発しました。そこから、「龍が如く」ならではのクリエイティブの幅を提供したいと、どんどんボリュームが膨れ上がっていき、最終的には神室町にあるビルもドカドカ島に置いて繁華街まで作れるようになったんです。真面目に遊ぶと20~30時間くらいかかりますよ。1本のゲームとして出しても遊べるほどなので、ハマるとメインシナリオの進みが遅くなるでしょう。
――前作の会社経営のようですね。
阪本氏:会社経営は1画面の2Dゲームでしたが、ドンドコ島はカメラも制御もモーションも全部専用で作っています。それくらい遊び尽くせるようにしています。
――会社経営で大きかったのが資金調達面だと思います。ドンドコ島では、本編を遊ぶうえでのメリットはありますか?
阪本氏:ドンドコ島もお金を稼ぐのが目的のコンテンツです。貯めたお金はハワイに戻るときに換金できます。
――プレスリリースに記載のあった「ドンドコ島のオンライン要素」について教えてください。
阪本氏:ゲームを進めていくと、「オンラインコ」が出てくるんですが、アクセスすると他人が作った島に遊びに行けるようになります。非同期のオンライン要素ですね。あと、相手のスジモンとバトルもできます。
――設置したオブジェクトは島でのバトル時に使えますか?
阪本氏:使えません。妨害してくる奴らは装備しているバットで追い返します。放っておくと作ったものが壊されてしまいます。
――マスコットキャラクターにガチャピンとムックを起用した理由を教えてください。
阪本氏:サイドコンテンツの良さをブーストできるコラボがないかと考えた結果です。ガチャピンは多方面で活躍しているキャラクターなので、ドンドコ島に出てきても違和感がないと思いました。
――コラボを打診されたときの先方の反応はいかがでしたか。
阪本氏:おもしろいと言ってもらえましたよ。ガチャピンとムックはYouTubeで活動していますし、企業コラボも活発。今回もノリノリでした。
――ガチャピンとムックのインタビュー動画にあったフェイスキャプチャーは実際に撮影されたのでしょうか。
阪本氏:撮りましたよ(笑)。あれも1つのネタとしておもしろかったと思います。
――名産品を集めるメリットを教えてください。
阪本氏:名産品は、観光客にわたせるほか、島内のバトルでの体力回復に使える「お土産」を作る材料にもなります。使い道はけっこうあるので、拾えるものはできるだけ拾ったほうがいいですよ。
――どんなキャラクターがお客さんとして訪れるのでしょうか。
阪本氏:シリーズならではのキャラクターも後半にどんどんやってきます。ハワイでもお客さんを呼び込めますし、レア度の高いお客さんはお金をたくさん使ってくれます。
――スジモンとドンドコ島の連携要素について教えてください。
阪本氏:ドンドコ島のシナリオを進めると「ドンドコファーム」と呼ばれる場所で自分のスジモンに野菜を育てさせたり、素材を集めさせたり、トレーニングさせたりできるようになります。そこでは、ウェザーニュースの檜山沙耶さん、駒木結衣さんが受付として登場してくれます。ちなみに、ドンドコファームでも敵の妨害があるんですが、スジモンが代わりに戦います。
スジモンも“沼”。メインストーリーはシリーズで一番泣ける!?
――スジモンのシナリオを進めるとどうなるのでしょうか。
阪本氏:スジモンのシナリオを進めると、春日専用のジョブ「召喚士」が解放されます。「召喚士」は自ら育てたスジモンの力を借りて戦います。サイドコンテンツでこっちを遊んだり、あっちを遊んだりしていても、本編に交わっていくよう気を遣っていますよ。
――召喚士はすべてのスジモンを召喚できるのでしょうか。
阪本氏:基本的にほぼすべてのスジモンを連れていくことができますが、一部制限があったと思います。
――スジモンで一番おもしろいポイントはどこでしょうか。
阪本氏:スジモンをスカウトできるところですかね。「必ずここでこのスジモンが手に入る」ものではないので、一期一会の出会いの中で強いスジモンを集めるうれしさがあると思います。ガチャはあくまでも救済要素。本当に強いスジモンはなかなか手に入りません。大筋は、ジムを巡って、最後に黒幕と戦う流れ。街中でも野試合できますし、“沼”ですよ。
――ダンジョンは各地にあるのでしょうか。
阪本氏:あります。ハワイと横浜それぞれ何カ所か用意しています。
――試遊ではプレイできませんでしたが、マッチングアプリが気になりました。
阪本氏:マッチングアプリには一部、実写シーンも用意しています。プレイスポットのバリエーションの多さが「龍が如く」の特徴ですから、興味あるものを遊んでもらえると。「前作にあったプレイスポットが今回ない」ことに対するクレームが多いので、なるべく残すようにしています。
――巨大イカバトルではギミックの多さに驚かれました。
阪本氏:巨大イカは特殊ですね。また、通常バトルでも背の高い敵を出すなど、新たな制御を加えてレギュレーションを増やしています。
――戦闘中はポジショニングも大事ですね。
阪本氏:味方との連携攻撃も膨らませています。前作では「追撃」だけでしたが、味方との絆が強まると、たとえば「吹き飛ばした敵で、ほかの敵を倒すと、さらにそこに追撃する」など、連携が続くようになり、攻撃の回数が1コマンドでかなり増えます。なので、それを踏まえて位置取りを考えることも大事です。うまくいくとものすごい連鎖するんで、ダメージも全然変わりますよ。
――ジョブに変更点について教えてください。
阪本氏:今回はジョブの持ち越せる技が増えました。ほかのジョブでもセットできるので、技の構成を自由にカスタマイズできます。そういう意味では、ジョブチェンジはやりやすくなったのではないでしょうか。もちろん、転職せずに1つのジョブを極めても大丈夫です。また、水攻撃で濡らしたあと雷攻撃のダメージが増えるなど「属性の効果の掛け算」もいくつか仕込んでいますよ。
――武器の自由度も高まったように感じます。
阪本氏:前作では「自分の好きな武器で最後まで戦いたかった」という声が多くありました。なので、今作では、強化はもちろん、属性を付けられるようなスロットも搭載しています。カスタマイズの幅が広がったので、プレイヤーのこだわりを実現できるでしょう。
――アーケードゲームで『スパイクアウト』を遊べるようになったのがエモいと思いました。
阪本氏:いろいろなレトロゲームを入れてきた結果、球数がなくなってきたんです。「MODEL3」のエミュレーターを作ろうという話になったがきっかけでした。代表的なタイトルとして、コンシューマー初の『スパイクアウト』を遊べるようにしたら満足度は高いのかなと。もちろん社内でも「あれ入れたい、これ入れたい」という話は出ています。今後継続していけば、もしかすると「NAOMI」基板も手を出すかもしれません。ただ、版権ものは契約的に厳しいものもあります。
――複数人で遊べるのでしょうか。
阪本氏:プラットフォームによって仕様に差はありますが、『スパイクアウト』はローカルでマルチプレイ可能です。
――今日の試遊で初めてプレイできるようになった“実はまだ言っていなかった要素”はありますか。
阪本氏:桐生専用の「エンディングノート」は初めてプレイできたはずです。桐生が過去を振り返るシーンや昔の馴染みのキャラクターとの再開が待っているんですが、かなりのボリュームを用意しています。
――ゲーム全体のクリアの目安時間はどのくらいでしょうか。
阪本氏:ストーリーだけだと60時間くらいでしょうか。いろいろ埋めると80時間は余裕でかかりますよ。ボリュームが過去最大なのは言い切れます。
――最後に、発売に向けて一言お願いします。
阪本氏:いよいよ発売まで1カ月切りましたが、すべてを語れないほどの要素が入っていて、どれ1つ取っても楽しめる仕上がりです。メインストーリーは、ファンだからこそ感情が揺さぶられる内容で、シリーズで一番涙するのではないかと思っています。遊ぶと心に残る1本になるはずです。ぜひご期待ください。
――ありがとうございました。