■隠れたカニの名店&美しい海辺の温泉民宿
さて、豊岡で"冬のキング・オブ・グルメ"といえばカニ! 毎年11月6日のズワイガニ漁が解禁されると、カニ好き・カニ通の人たちが豊岡に押し寄せるそう。
そんな豊岡で「安くておいしいカニが食べたい!」なら、豊岡駅から徒歩7分の「割烹 紀ノ川」へ。こちらのお店は、お手頃価格で「これでもか!」というほどカニを食べられる隠れた名店です。
この日いただいたのは8800円のカニコース。大皿に生のズワイガニをドサッと豪快に盛り付けたメインの「カニすき」に加え、小鉢3品もすべてカニづくしです。
生のままカットされたカニを、さっと煮込んで、ふうふうしながら口へ運びます。品格ある出汁をまとったカニの身は、ほっこり甘くてやわらか。気づけば無心でカニをさばき、ひたすら無言で食べ続け、身も心も幸せで満たされました。
人生最高のカニを前にすると、自分の悩みがちっぽけに見えるから不思議。あぁ、本当においしいカニって、この世のすべての悩みを解決するのね……!!
旅の目的が絶景なら、「日本の渚百選」に選ばれた、豊岡市竹野町にある竹野海岸へ行ってほしい! 南国を思わせる青い海や白い砂浜、別名「お昼寝キューピー」で親しまれるミステリアスな猫崎半島も見られて、非日常感たっぷり。夏は多くの海水浴客でにぎわいますが、冬は人も少なく静かに過ごせる穴場です。
おすすめのお宿は、竹野浜海水浴場から歩いて3分ほどの場所にある「温泉民宿 久兵衛」。ここはお食事付きプランが基本ですが、時期によっては1泊朝食のみや素泊まりもOK。格安で泊まれます。
「温泉民宿 久兵衛」は、創業50年以上の老舗ですがお部屋はリニューアルされていてきれい。オーナーさんご夫婦の優しい人柄がにじみ出る、居心地の良いお宿です。
宿の自慢は温泉。泉質はナトリウム・カルシウム・塩化物低温泉で、寒い冬にうれしい"よく温まる温泉"です。やや熱めのお湯は、つるりとした感触。温泉成分が濃いため、10分も浸かっていると汗がじんわりにじんできます。
■豊岡といえばやっぱり「城崎温泉」
温泉好きなら一生に一度は行きたい「城崎温泉」も実は豊岡にあるんです。城崎温泉といえば、超メジャーな人気温泉地。英国最大の旅行ガイドブック『ロンリープラネット』が選ぶ"日本のベスト温泉12"のうちの1つに選ばれたことで、近年外国人観光客が爆増中。日本のみならず世界が注目する温泉地になっています。
温泉街には7つの外湯が点在。泉質はどこも同じ「ナトリウム・カルシウム塩化物泉」ですが、それぞれ趣やロケーションが異なります。
特におすすめは「御所の湯」。外に大きな露天風呂があり、温泉にどっぷり浸かりながら山肌からすべり落ちる滝を眺められます。
冬場なら、温泉街でカニを買うのも一興。冬は"カニが主役"といわんばかりに、日本海でとれる有名なブランドカニ「松葉ガニ」が並んでいます。
その中には、地元の津居山港で水揚げされた中で、厳格な選別基準により選定された「津居山カニ」も!
ランチのおすすめは、1階が鮮魚売場、2階がお食事処になっている「おけしょう鮮魚の海中苑」。ここはなんといっても、お刺身が分厚くてとびきり新鮮! 漁港直送だからお値段も良心的です。
温泉といえば"コーヒー牛乳"……ですが、城崎温泉はひと味違います。「TOKIWA GARDEN」で提供しているのは、エスプレッソと牛乳が2層に分かれている一風変わったコーヒー牛乳。自分で混ぜながら飲む新感覚の一杯です。
ほろ苦いリッチなコーヒーと牛乳を混ぜ合わせれば、さっぱり大人のコーヒー牛乳が完成。甘さ控えめで、無限に飲めそうなおいしさです。飲んだ後で瓶を返すと、50円をキャシュバックされる取り組みも◎!
映えるドリンクでテンションを高めたら、モダンでおしゃれなモノづくり体験にトライしてみませんか?
「麦わら細工 かみや民藝店」は色染めされた麦わらを使い、美しい模様を作る伝統工芸・麦わら細工のお店。店内では毎日、麦わら細工体験を随時開催。予約なしでも、空いていればすぐに体験ができます。
筆者が体験したのは、桐箱の表面に色とりどりの麦わらを貼り付け、模様を作るボックス体験。麦わら細工と聞くと、麦わら帽子のような茶色をイメージするかもしれませんが、全く違います! ここで扱う麦わらは、染色した麦わらを割いて組み合わせるため繊細でカラフル。気品のある光沢と唯一無二の美しさがあります。
体験は好きな色の麦わらを選ぶところからスタート。デザインを決めたら、桐箱のフタ部分にでんぷん糊で麦わらを貼り付け、はみ出たところをカットしていきます。細かい作業にはなりますが、最後の仕上げは職人さんがやってくれるので不器用さんでも安心!
気になる出来上がりは……初めてとは思えない美しい仕上がりに大・大・大満足です。モダンでかわいらしいボックスは、いつもの日常に彩りを添えてくれそう。
今回、体験の手ほどきをしてくれたのは、麦わら細工に魅せられ、地域おこし協力隊の制度を利用して、東京から移住した今井幸子さん。「無限に広がる、麦わら細工の奥深さにワクワクしています」と一言。やわらかい雰囲気の彼女が、これからどんな作品を作られるのか、今後の活躍も楽しみです。
■豊岡市のふるさと納税返礼品にも注目
最後にもう一つ。豊岡市のふるさと納税の返礼品「直感オペラ」も、スイーツ好きの間で話題になっています。
このケーキを作るのは、日本のみならずパリの有名店で腕を磨いたフリーランス・パティシエのゴージャス和代さん。常に直感を信じるゴージャスさんは、直感で豊岡市の地域おこし協力隊に応募し、移住を決意。なんと本製品のレシピも、地元産の食材を使い、直感のみで生み出したのだとか。
「直感オペラ」は、甘さの中にほろ苦さもあり、それぞれの素材がしっかり活きた大人の味わい。一口食べるだけで、リッチで幸せな気分になれますよ。
多彩な魅力があふれる兵庫の秘境・豊岡。日々仕事や家事に追われ、疲れ切っている人は、ぜひ豊岡でリフレッシュ旅をしてみてはいかがでしょう?
※取材協力:豊岡市