本作の制作が決定した際、光源氏を誰が演じるのかという声が上がったが、『源氏物語』を劇中劇として描くことは現段階ではないという。

「一見、男女の寝たり起きたりに見えながら、その行間に人生哲学と権力批判と文学論のようなものを込めた紫式部が、どういう生い立ちの中で歴史に残る文学作品を書きあげられる人物に成長していったのかということを描きたいです」

ただ、『源氏物語』の出来事を用いたシーンもあるという。

「道長とまひろの出会いは『源氏物語』の中から取っていますし、女房たちのささやきも『源氏物語』の中から。わかる方にはわかることがいっぱい出てきます。紫式部の人生で起きた出来事が作品に影響を与えていたかもしれないというような散りばめ方はしています」

紫式部を演じる吉高の持ち味について「陰と陽が同居している」と語る。

「普段は明るい子ですが、ふとしたときの陰な感じ。弾けた感じと、悲しさや寂しさという、陰と陽が同居しているので、紫式部の気難しい感じに合っているなと。のびのび演じてくれればそこが出ると思いました」

柄本佑を絶賛「いい男もさりげなくやる」

柄本については、『知らなくていいコト』のときに男前な役も演じられるのだと幅の広さを感じたという。

「本当に素敵なんです。女性スタッフもうっとりしていて。悪い役もやるし、いい男もさりげなくやるので、今回道長をやってほしいなと思いました。道長は最初の頃は上昇志向もなくぼーっとしていていますがあっという間に頂点に立つ。そういう時の変わり目が出てくると思うし、柄本さんは自分の見せ方を計算している、すごい役者だと思います」

どのように恋愛や男女関係を描くのか気になるところ。「そこはかとないエロスが漂う雰囲気は出したいと思います。もちろんキスシーンもあるし、キュンとするところもいっぱいあります」と説明した。

そして、同じ作家として紫式部について、「世界の偉人10人に入るような人。物語構築力と確固たる世の中の見方や自己批判の精神がないと長い物語は書けない。作品としての面白さと非常に深い哲学的なものが両方、根底に流れているというのが、世界でも高く評価されている理由だと思います。日本が誇る作家だと思うので、このドラマも世界配信とかしていただいて、紫式部をもっともっとアピールしたいなと思います」と笑顔で話していた。

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