――SKE48を卒業されて1年になりますが、ここまでを振り返っていかがでしょうか?

休みの日の使い方が変わりましたね。今まではメンバーがたくさんいる楽屋にいたので、その分プライベートは1人で過ごす時間が多かったんです。でも、今は現場で1人の名前で扱われることが多い分、休日は誰かに会おうと思ったりするんですけど、そういう時間の使い方に慣れるまで、少し戸惑いました。人に会わないと、自分の頭の中にある言葉の数がアップデートされていかないって最近すごく思うので、だからこそ人と会う時間を増やさないと、自分も豊かにならないと思って。今まではメンバーが自然とそういう刺激をくれていたんだと気づかされました。

――名古屋と東京の2拠点生活ということですが、大変ではないですか?

新幹線に乗る1時間半が自分の中で足りないものを補う時間になってるんです。次の仕事を準備する時間にしてもいいし、ボーッとして寝てもいいし。私、学生時代からすごく効率が悪い人間だったんですけど、新幹線の移動があるほうが、今何をしなきゃいけないんだって効率的に考えられるようになったんですよ。「新幹線であれやればいいから、家に帰ったらあれやろう」とか、逆算して考えるようになりました。もし東京だけでお仕事してて、次の仕事まで1時間空いてカフェを探してる時間よりも、濃い時間が過ごせているような気がします。

――お仕事では、ジャンル別け隔てなく活躍されている印象があります。

今までも、アイドルなのにバラエティでドロドロになるとか、本を書かせてもらうとか、お芝居やコメンテーターのお仕事など、1週間の中でもいろんなことしてるなと思いながら生きてきたんですけど、卒業しても全部やりたいから、肩書きが「タレント」になったんです。どれかに絞らず、全部やれる今がすごく幸せで楽しくて刺激があるので、いろんなことを任せてもらえて、いろんなところで「面白い」と思ってもらえる人材になれるように頑張りたいと思って。この1年、いろんなお仕事をさせてもらって、ますます絞らずいっぱいやりたいなと思いました。

――いろんなジャンルに取り組むことによって、プラスになることはありますか?

自分に飽きないところがすごく好きですね。私、毎日同じことができなくて、毎日違うことをするからこそ、脳みそをその都度切り替えて新しい自分として新鮮に楽しめるんです。1日のうちにお芝居やって、バラエティやって、原稿書いたりするとさすがにパンクするので、塩梅は難しいなと思うんですけど、訓練すれば何とかなるかなと思うので、どこまで広げられるか頑張ってみたいです。アイドル時代もいろんなことをやってきたからこそ、キャパが広がったと思うので。

――その中でも、将来的にずっとやっていきたいお仕事は何でしょうか?

なくならないでほしいのはラジオですね。生放送が好きで、リスナーさんとリアルタイムで番組の流れを作っていける感じが、他のお仕事にはない唯一無二感なんです。何が起きるか分からない感じや、自分ひとりじゃ生み出せないものができたというのを、生放送が終わった後に感じられる場で、それがすごく好きですね。特に深夜は、みんなが自由になった時間にわざわざ自分につながってくれる人がいるんだという感動もあるし、好きなお仕事です。

●須田亜香里
1991年生まれ、愛知県出身。09年11月にSKE48第3期生としてメンバーに加入。SKE48チームEリーダーを務めた。16年・17年の選抜総選挙では2年連続「神セブン」に選ばれ、18年には2位の座を獲得。握手会での神対応が話題で「握手会の女王」とも呼ばれていた。持ち前のトーク力でバラエティやワイドショーに出演。SKE48を22年秋に卒業し、現在はラジオや新聞連載など、多方面で活躍中。