• 井上清華アナ

“伝えること”のこだわりについて、井上アナは「私が『めざましテレビ』を見ていたときは、出ている方が毎朝同じテンションで、“この人、今日疲れてるのかな”とか思ったことがなかったので、“この人今日、調子悪いかな?”と思われることがなるべくないように努めようというのが、まず大きくあります。その安心感の中に、“奇抜な髪型だな”とか“すごいメイク濃いな”とも思われないように、細かい見かけから中身の気持ちまで自分を安定させようというのが、結構『めざましテレビ』のメインキャスターになってからは大きいかもしれないです」。

片渕アナは「テレビは本当にいろんな立場の人が見ているというところで、『モーニングサテライト』だと、専門家の視点が“今物価が上がってきています。これで企業の業績が良くなりますよね。賃金も上がって好循環が生まれていいですね”という話になるんです。でも、実際に見ている方の中で、この物価高で生活が苦しくなっている人たちの気持ちはどうなんだろうとか、その事象の良し悪しを私たちがつけないほうがいいのかなと思う場面もあるので、いろんな立場の人が見てこの発言をどう思うかを気にするようにしています。あくまで視聴者の判断に任せて、こちらは事実を伝えるというスタンスを取りたいと思っています」。

田村アナは「井上さんがおっしゃったように、安心感と楽しさを見ている方に感じてほしいので、笑顔や元気は意識してるんですけど、“この後、ミサイルが飛ぶかもしれません”という情報が直前に入ってきたり、前の番組でJアラートが出て解除された後のときは、本当にハラハラしてるので、顔がこわばっちゃったりするんです。実際、オープニングで映ったときに、母に“今日すっごい怖い顔してたよ”と言われたこともあります…。それと、間合いですね。例えば、“ここを切って次のコーナーに行きます”って入る間とか、ゲストの方を紹介したり送り出すときの間とか、そういうのはすごく難しい部分があるので、そこを常に意識して毎日毎日こだわってます」。

櫻井翔が「僕の言葉で悲しい思いをした人がいるかな…」

安村アナは「私は医者を目指していたということもあって、アナウンサーになったときに会社の人間から、“お医者さんにはお医者さんにしか治せない病気があるけれども、アナウンサーにもアナウンサーにしか治せない病気があるんじゃないか”と言われて日本テレビに入りまして、テレビを見てくれた方が“つらいことを忘れられたな”とか“元気になったな”となってほしいという思いでアナウンサーをやっているんです。かつ、人を傷つけないということを大切にやっています。やっぱり視聴者の方に安心感を与えるというのが、テレビというメディアにおいて大切だと思うので」と述べた上で、共演者たちの印象に残る言葉を紹介。

「『シューイチ』でご一緒してるKAT-TUNの中丸(雄一)さんが反省会のときに、“僕の発言で99人が喜んだかもしれないけど、1人傷つけたかもしれません”ってめちゃくちゃ落ち込んでたんです。『zero』では櫻井翔さんが、“僕の言葉で悲しい思いをした人がいるかな…”とずっとへこんでいるところを見ているので、皆さんの話も聞いて、改めて大事なことだと思いました」(安村アナ)

  • 寺川俊平アナ

そして、寺川アナは「“心配性であることと、あっさり捨てられる想像力”です。まず“心配性であること”というのは、特にサッカー中継は、はっきり言って90分間フリートークなんですよ。その中で、一つ一つしゃべった言葉は果たして合っているのか、間違っているのかということに対して、ものすごく心配性で、“あれも言ったほうが良かったかな…”と思う性格なんです。それは、少なくともアナウンサーにおいては向いてる性格だと思っていて。一言一言発したものに対して、しっかりと自分の中で精査しながらしゃべる、その客観的に自分を見る力というのは、こだわりとして持っておきたいなと思います。それともう一つ、“簡単に捨てられる想像力”というのは、“この試合はきっとこういう展開になるだろう”と、自分の中で様々な想像をしてイメージを持って試合に臨むのですが、それを超えてくる展開とか、全く違う展開になったときに、しっかり驚ける準備をすることで、見てる人と一緒に驚いてる感覚を味わいたいんです」と、実況への臨み方を語った。