BiSH解散後の自身の変化を尋ねると「肩の力が抜けました」と答えた。
「BiSHの時は、『何も見落としちゃいけない』『まとめなきゃいけない』というのがずっと頭にあり、常に考えることをやめないと自分で決めていたので、肩に力が入っていたのだと思います。解散してグループとしての枠がなくなると、自分自身でしかないので、気をつけないといけないことも減り、話もしやすくなりました」
そして、プレッシャーは「グループのほうがもっとありました。リーダーみたいな立ち位置だったからかもしれませんが……」と打ち明け、「解散後は、6分割していた目が1つになった感じで気持ちが楽になり、生きやすくなった気がします」と穏やかな表情で語った。
BiSH時代に培ったもので今でも大切にしていることを尋ねると、「嘘つかないこと」「素直でいること」と自身のポリシーを明かした。
「そうやってステージに立つことで伝わるものがあったので、これからも真っすぐ生きていきたいなと。言いたいことは言うし、言ってほしいと思って生きてきて、私はそのほうが生きやすかったですし、隠さずにいろんな人と話し合うことは大事だと感じています」
■仕事の広がりに喜び「自分の知らない自分に出会うことが多い」
BiSH解散後、CENTとしてアルバムリリースやライブ開催など精力的に活動。加藤千尋として俳優デビューも果たし、長編舞台作品に初出演した。さらに本作で声優初挑戦と、幅広く活躍しているが、チッチは「まだまだできることがあるんだなと知れて本当にうれしいです」と笑顔を見せる。
BiSH解散時は「歌をメインでやるとか何も決めてなかったです」と言い、「自分がやりたいことをやって、新しいことに挑戦し続けるということだけ決めて、ソロ活動を始めました」と説明。自分の中で可能性を狭めなかったことで、「最近は自分の知らない自分に出会うことが多く、ワクワクできている」と新しい自分に出会えたという。
「舞台や声優のお仕事をすることで、自分の中になかった表現に出会えたり、ヌードルの生き方を見ることで、そこに乗っかった自分が自分の知らない自分だったり、びっくりすることも多いです」
だからこそ今後も、方向性を絞ることなく、さまざまな挑戦をしていきたいと考えている。
「これからも自分のことを決めつけずに、もっといろんなことに挑戦していきたいですし、自分が面白いと思う方向に生きていけたらいいなと思っています」
演技挑戦による変化もあるそうで、声優初挑戦となった本作に関しては「人の表情の移り変わりに敏感になった」と告白。「誰かの表情を見ながら、その人の思いを繊細に受け取らないといけない時間が多かったので」と述べ、敏感になりすぎるのもよくないと感じているようで「自分らしさを忘れず生きていきたいです」と笑った。
さらに、「ただ歌うだけではなく、いろんな声で歌ってみたい」という思いも芽生えたと言い、「いろんな声の表情をつけたことで、『こういう声も私出せるんだ』と気づけたところもあったので、それも歌に生かせたらいいなと思います」と語った。