サポハに集まる大人たちの中で印象に残る人として挙げるのは、保険業を営む新免さん。つばささんの異動問題でも活躍したが、明るいキャラクターで食卓を賑わせてくれるという。

「サポハではいつも夕方6時半に晩ご飯を食べて、それぞれの家事担当をこなして、また夜の9時におやつのタイムで食卓にやってくるんですけど、新免さんが来た日のおやつの時間はとりわけ盛り上がり、ずっと他愛もない話をするんです。だから新免さんの存在は結構大きいですね。山本さんに何でもやらされて(笑)、口では『嫌だよ』って言ってるんですけど、実際には楽しんでいるように見えます」

また、山本さんの息子の中学時代の先生だった元教師の平山さん(通称・先生)と、山本さんとの関係性も興味深い。

「先生は山本さんより年上で、息子さんがお世話になった恩師なんですけど、山本さんの活動をすごく理解して、支えてあげたくてサポハに来ています。一方で山本さんは定年後に生きがいを失っていた先生に次から次へと任務を与えて、がんを患う中でも“まだやることがいっぱいあるよ”と生きがいを作ってあげているんです。見ていると、友達以上の不思議な愛情をお互いが持っていて、私も年を重ねたらこうやって心が通じ合う人と一緒にいたいなと思いました」

■瀬戸内寂聴さんのドキュメンタリーを見て制作会社に

台湾出身の王Dだが、日本でドキュメンタリーを作りたいと思ったきっかけは、瀬戸内寂聴さんを追った『NHKスペシャル「いのち 瀬戸内寂聴 密着500日」』(2015年放送)を見たこと。「私の心の師匠・中村裕ディレクターの作品で、寂聴先生は本当にキャラクターが強烈で衝撃を受けたんです。番組を見るだけでパワーがもらえるのだから、実際に一緒にいて取材したら人生が楽しくなるのではないかと思い、テレビの制作会社に入りました」と明かす。

今回密着した山本さんからも、たくさんのパワーを受け取ったという王D。26日放送の後編について、「サポハの中だけではなく、外にも新しい出会いがあります。山本さんとお互いに支えていくような家族なのですが、その子どもたちの成長も見どころになると思います」と予告している。

  • 王識涵ディレクター