• 潤花

■これまで以上の何かを届けられると確信

――宝塚を退団されて数カ月ほど経ちましたが、新しい環境には慣れてきましたか?

宝塚にいた頃には感じていなかったんですが、振り返ってみるとすごく突っ走っていたんだな、と思いましたね。下級生の時にお役をいただいて、そこからずっと、すごい勢いで走っていたんです。本当にいろんな人に支えられて、無事に退団することができました。今は、事務所の方をはじめ、お仕事で出会う方々も含めて周囲の人々が、私が穏やかに、広く深くいろんなものを見られるような環境を作ってくださっているので、本当に自分を作らなくていいんです。こうやってインタビューをしていても、ダメなところを出さないようにしようとか、ちゃんとしたことを言おうとか、まったく考えていないんです(笑)。それを許してくださる環境でお仕事ができること、そういう場所にいられることが本当に良かったと思っています。

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■退団時の「もっといて欲しかった」という声への思い

――先日のディナーショーではファンの皆さんとの交流もできましたね。コロナ禍もあって、久しぶりにファンの方々とお会いできたのでは?

そうなんです。先日ディナーショーの本番を迎えたんですが、その時にも新たなスタートを実感しましたね。私はここの場所で新しい自分を見つけられたし、この自分のまま、いろんな役に出会っていきたいとより強く思いました。トップになってからはお茶会なども1度もできていないんです。それ以前はやれていたんですけど、状況的に難しい時期だったので……。そんなこともあって、退団するときには、ありがたいことに、ファンの方からもっといて欲しかった、というお声もたくさん頂戴しました。でも私自身としては、それ以上の何かを新たに皆さんにお届けできるんじゃないかという確信がありましたので、新しいステップの中で皆さんとお会いしたいという気持ちです。それは私のワガママかもしれませんけど、その想いをしっかり形にできるように、これから頑張っていきたいと思います。

■10年後の姿を想像「相変わらず…」

――ファンのみなさんに新しい潤花さんを楽しんでいただける、最初の1歩を『相棒』でスタートすることになりましたが、これからさらにチャレンジしていきたいことは?

今回、ドラマを経験させていただきましたが、その他のいろいろな現場にも行きたい。いろいろな作品で、いろいろな役で、映画やドラマなどいろいろな形で、女優として挑戦できることは成し遂げていきたいです。まだほとんど経験していない身で、意気込みばかりですけど。今回の里紗も自分とはまた違う部分を持つ役ですが、そういう自分とは離れている役をどんどんやってみたい。何かを抱えて必死にもがいて生きている役って、自分自身では経験していないことも役として経験できるんですよ。潤花のイメージを覆すような、まったくの別人を観ているかのような役にも挑戦していきたいです。宝塚でも、憎しみをもって人を殺そうとする役や、人を薬で眠らせてしまう役とか、現実ではできない役がたくさんありました。そういう役も、映像で経験してみたいですね。

――イメージをどんどん覆していくような役、楽しみです。最後に、10年後の潤花さんはどんなふうになっていると思いますか?

どうでしょう……相変わらず、大きな声で笑ってうるさいんじゃないでしょうか(笑)。でもきっと10年後は、今よりもいろんな方に出会っていると思うので、たくさんの人とお話をして、その出会いに感謝しながら自分のキャパシティが広がっていたらいいなと思います。

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■潤花
1997年9月19日生まれ、北海道出身。2014年に宝塚音楽学校入学後、2016年に宝塚歌劇団に102期生として入団。『こうもり/THE ENTERTAINER!』で初舞台。その後、チャーミングな雰囲気と華やかなダンスで注目を集め、2017年、『ひかりふる路』で、新人公演初ヒロイン。その後も3作品にわたって新人公演ヒロインを務める。2021年2月22日付でトップ娘役に就任。『シャーロック・ホームズ/Délicieux!』で大劇場お披露目。2023年6月11日、「カジノ・ロワイヤル」東京公演千秋楽をもって、宝塚歌劇団を退団。同年7月より芸能活動を再開し、11月、テレビ朝日系『相棒』でドラマデビューを果たす。