2023年6月に宝塚歌劇団を退団した元娘役トップの潤花が、22日に放送されるテレビ朝日系ドラマ『相棒 season22』(毎週水曜21:00~)第6話に出演し、テレビドラマデビューを果たす。今回潤花が演じるのは、17年前に睡眠薬で眠らされて誘拐されたという「眠り姫事件」の被害者・里紗。当時里紗はすぐに救出され、犯人は投身自殺して事件は解決していたように思われたが、杉下右京(水谷豊)の元に犯人は自殺ではなく殺されていたとタレコミがあり――。果たして潤花は初めてのドラマ撮影にどのように挑んだのか。近況や今後の展望についても話を聞いた。

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    潤花 撮影:泉山美代子

■自分でも驚くくらい、飛び上がって喜んだ

――まずは『相棒』にご出演が決まった時、どんなお気持ちになりましたか?

『相棒』シリーズは家族が大好きで観ていて、私も小さい頃から観ていたんです。シリーズが始まったのは私が3歳の頃だったそうで、さすがに3歳の頃はまだ観ていなかったかな?(笑) でも、小学校に入った頃には観ていたように思います。そんな大好きな作品に出演できることになったときは、自分でもびっくりするくらいの動きで飛び上がりまして(笑)。信じられなかったんです。誰もが憧れるような、夢を見ているような……そういう方々が出ていらっしゃる『相棒』に出演できること、ここから新しく始めさせていただけること。その感謝は、これからも一生忘れません。

――役どころについて教えてください。

私の演じる蔵本里紗はいろいろなものを抱えている女性です。普通の生き方をしていなくて、家族や友達と元気いっぱいにワイワイと笑顔で生きてきたわけじゃないんですね。でも台本を読んでいたり、現場に入って里紗を生きてみたりして、彼女自身の中に人情味や人として何かを大切にするエネルギーを強く感じるんですよ。そういう部分の生きがいはとても共感しています。『相棒』って、人としての教えのようなものが詰まっているじゃないですか。それをちゃんと大切にして、最終的に皆さんと一緒に観られたらいいなと思っています。

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■温かく優しい『相棒』現場に「気負わずいられた」

――初めてのドラマに臨むにあたって、何かご準備はされましたか。

まず台本を読んで、客観的にもすごく魅力的な作品だと感じましたし、私自身が惹かれるポイントがあったんですよ。まるで、自分が作品を観ている感覚のような気持ちになれたので、その感覚は大切にしつつ、里紗として受け取れたものを自分の中に詰め込んで現場に臨みました。もっと神経質になったりするのかな、と思っていたんですけど、マネージャーさんから事前にいろいろと話を聞いておくことができたのもあって、あまり肩の荷を感じることなく撮影に入れましたね。ドラマ撮影は、舞台のお稽古のように本番1カ月前から相手とセリフを交わし合って、発してくださるものに対して私も里紗としてちゃんと生きられたら、という気持ちで挑みました。

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――変に緊張しすぎることもなく、リラックスして臨めたんですね。

もう、マネージャーさんをはじめ全スタッフさんに毎日言われていたんですよ。何か話せば、「気負わずに」って。でも正直、そこは救いになりました。それに、現場のスタッフの方や共演してくださる皆さんが本当に温かい空気で包んでくださって……。とても大切に愛情を注いで作品をつくっていらっしゃるのがすぐにわかりました。みなさんが生き生きとされていて、暗い顔やしんどい顔をされている方が全然いらっしゃらないんです。そういう現場って、きっとなかなかないんじゃないかって思うんですね。水谷豊さんや寺脇康文さん、高橋克実さんは、お会いするだけで心がほぐれていくようなお人柄だったので、本当に気負わずにいられました。

――現場の雰囲気も穏やかで心地よかったんですね。共演の方々からのお言葉で印象に残っているものはありますか?

私にとっては初めての経験ばかりなので、最初はカットがかかるたびに「やりにくかったら言ってくださいね」と皆さんにお声掛けをしていたんです。でも皆さん口をそろえて「全く問題ないですよ!」とおっしゃってくださって。「自由に楽しくやってください、それが何よりですから」と。なかなか言えなくないですか? 水谷さん、寺脇さん、克実さんも、それぞれご自身が役として生きていらっしゃって、私の方向性が違ったりしたらきっとやりにくい部分もあると思うんです。作品に影響が出るかもしれない。でもそれをすべて包んでくださるような大きさを感じられました。きっと苦しい、つらい思いやいろいろなご経験をされて、これだけの温かさ、優しさでいらっしゃるんだと思います。役者としても、人としても、とても尊敬しました。