ドラマやアニメなど、あらゆるコンテンツに“謎解き”や“考察”が絡み合うこの時代に、挑戦的な番組が放送されている。その名も『イミコワ考察ミステリー 不気味な答え』(毎週金曜26:43~※関東ローカル、見逃し配信あり)。テレビ朝日の平日深夜を彩る「バラバラ大作戦」の1つとして2023年4月に『ダブルタップミステリー』がスタートし、10月より改題された同番組では、裏に恐ろしい事実が潜む怪奇現象、ハニートラップ、殺人事件を描いたショートドラマが放送され、視聴者がSNSで考察を繰り広げている。

今回は、視聴者と同じようにVTRを見て自由に考察するMCのパンサー・尾形貴弘と、同番組のほか、昨年まで放送されていた『野田レーザーの逆算』、現在放送中の『考察ミステリードラマ 意味が分かると怖い 「配信停止になった婚活ドキュメンタリー」』(毎週日曜23:55~)など新感覚の考察番組を制作しているテレビ朝日の岡村学氏にインタビュー。尾形がキャスティングされた理由やミステリードラマの“解答”を見せないこだわり、そして『ダブルタップミステリー』に隠されたストーリーについても話を聞いた。

  • 左からテレビ朝日・岡村学氏、パンサー・尾形貴弘

    左からテレビ朝日の岡村学氏、パンサー・尾形貴弘

■クオリティの高い映像はドラマ班も撮影

――まずは岡村さんにお伺いします。番組制作のきっかけを教えてください。

尾形:俺も全く知らないので聞きたいです。皆ゴリゴリのバラエティをやっているような「バラバラ大作戦」の中で、この番組だけ異質ですよね(笑)。

岡村:“ながら見”できるところもテレビの1つの魅力ですが、昔から、自分が制作側になったときには、腰を据えてじっくり見たくなるような番組を作りたいと思っていて。ホラーと考察を掛け合わせることで能動的に楽しめる番組にならないだろうか、というのが『ダブルタップミステリー』制作のきっかけでした。

――尾形さんは出演が決まったとき、どんな番組だと聞きましたか。

尾形:俺がドラマを見て考察する番組だということだけざっくりと聞いたので、裏に何かがあるのか、予期せぬことが起きるのかドキドキしていましたが、始まってみるとそんなことを忘れるぐらいドラマに夢中になりました。ドラマ班のプロも撮ってるんですよね。

岡村:僕とドラマ班とバラエティ班の3チームで撮ってます。

尾形:ドラマがしっかりしてるから、毎回グッと入りこんじゃってます。いろいろなところで撮影されていて、ストーリーも面白くて、とにかくドラマが魅力的です。

――驚きのクオリティですよね。謎を組み込んだショートドラマを毎週制作するのは、予算の面でも大変そうなイメージがありますが。

岡村:今はiPhoneで映画を撮る監督もいて、予算が低くても面白ければいいという風潮なので、この番組のドラマも今の時代っぽく映るんじゃないかなと。テレビも見逃し配信で見る方が増えましたし、何度も巻き戻して見たくなる考察系のドラマはそのニーズにもマッチしているんです。

■尾形、第一希望だったと聞き「証拠見せてください」

――そんな考察系の番組に尾形さんをキャスティングされた理由を教えてください。

尾形:僕は誰の“スケ”(代わり)だったんですか? 多分三番目くらいの希望だったんだろうな。

岡村:いやいやいやいや! リアルガチで一番目です。

尾形:本当ですか!? うれしいな、それは。証拠の書類とか見せてくださいよ!

岡村:(笑)。尾形さんは世間の皆さんのイメージ通り、何でも直球で臨んでくれる方。考察も熱量を持って全力でやってくれるから、視聴者の方の代弁をしていただきたいと思いました。考察の部分は、得意な方をゲストに招いて補っていければと。それが表の理由です。

――表の理由ですか。では裏の理由は。

岡村:あくまで僕の中でですが、尾形さんって真面目な顔をしてるとき、めっちゃ怖いんですよ。普段の何事にも全力なキャラクターとのギャップで、不気味さを感じるんです。

――“サイコパス”のような要素を感じるということでしょうか。

岡村:そうです! 素の表情が怖い方ってすごく貴重だなって。あと、尾形さんは読書家なんですよね。

尾形:新選組関連の作品や、東野圭吾さんをはじめとするミステリー系も読みますし、有名な本は結構読んでますよ。

岡村:そのイメージも浮かばないからか、なんだか怖いんです。

尾形:えぇ……!?

――なかなか聞かないようなキャスティング理由でしたが。

尾形:いや、ありがたいですけどね、それで呼んでいただいたわけですから。番組でも、もっと「あぁ!」とか「わー!」とか言ったほうがいいのかなと思ってたら、素でやってくださいと言われて。それがものすごく楽しいんですよね。本当に自然なリアクションしか出していない番組です。