――ヤスノブ隊員はメカニック全般に愛情をそそぎ、ニックネームをつけて可愛がるという一面がユニークですね。

最初、企画を見せていただいたら、ヤスノブは「メカに詳しい」って書いてあるんですね。僕にピッタリといっても、肉体派のキャラじゃないやん。どういうことだろう?と思っていたんです。でも、役を演じていくうちに、ヤスノブがメカにのめり込んでいくタイプだと実感し、僕が身体を鍛えるとか、スポーツするときに熱中していく気持ちと似ているなあと思うようになりました。僕が筋肉に寄せる思いを、ヤスノブはメカに寄せているんだなと考え、愛情の対象を置きかえて役作りをしました。第6話でコインランドリーの乾燥機にクルルと名前をつけたことについて、反響がすごかった(笑)。あのとき、初めてヤスノブが上半身裸になりましたけど、「なんで脱いだんだ」「身体を見せたかったのか」という声もいただきましたね。あの筋肉がすごくて、ちょっとストーリーが頭に入らなかったというご意見も、楽しくうかがいました(笑)。

――SNSを拝見していますと、SKaRDのみなさんが集まって一緒に遊びに行かれたりして、とても仲がよいように見えます。

ずっと一緒に半年間、撮影をしてきたこともあって、いまだにプライベートで会ったりすることがありますね。最初はみんな初めましてという感じで、どこかよそよそしさがありましたけど、いつの間にか仲良しになりました。撮影が始まる前に、控室で待機しているときや、撮影時の休憩中に、みんなでいろいろと話すことでだんだん仲を深めていったのかなって思います。ゲント隊長の蕨野友也さんが隊長という立場そのままで僕らに接してくださったし、テルアキ副隊長の伊藤祐輝さんも役のまんまのイメージ。撮影中でも、現場を離れても、同じ感覚で接していました。

――梶原さんが子どものころによく観ていたウルトラマンシリーズは、どの作品でしょうか。

幼いころにテレビで放送していたのは『ウルトラマンティガ』(1996年)でしたけど、再放送で観ていた『ウルトラセブン』(1967年)も大好きでした。ヤスノブの役が決まって隊員のユニフォームを着たとき、「子どものころから憧れていた防衛隊の隊員になれたんだ……」と感激しました。

――ヤスノブは射撃の名手という設定もあり、劇中でその腕前を披露していました。ガンアクションについてのお話を聞かせてください。

撮影が始まる前に、武器の扱いについて訓練を受けました。銃の扱い方についてもめちゃくちゃ細かく、たくさんの行程があって、難しかったですね。誤射を防止するため、普段は銃の引き金に指をかけてはいけないとか。これからテレビをご覧になる方は、SKaRD隊員たちの武器の使い方がすごくリアルだというところにも注目していただきたいですね。

――怪獣と戦うシーンではどんなご苦労がありましたか。

どんな怪獣が出るのかは、事前に画コンテを見せていただくので、このシーンはこういう芝居をすればいいんだなと想像ができるんですけど、やはり難しいんですよ。これまでやってきた芝居では、共演者の言葉だったり動きだったりを受けつつ、自分の心情を表していましたから。怪獣の場合は自分の想像力に頼るところが大きくて、頭の中で怪獣との絡みをシミュレーションして、こんな怪獣が来たらどうリアクションをすればいいか考えながら演じるようにしています。アースガロンのコクピットでは、後ろにゲント隊長やテルアキ副隊長がいてくれるので、やりやすいですね。

――第9話「オトノホシ」では、ガラモンの硬いトゲがアースガロンの装甲を貫き、コクピット内のヤスノブの眼前にまで迫っていましたね。

あそこのトゲは合成なので、実際には刺さっていません。でも、あの撮影も難しかったんです。ヤスノブはあそこで「目を閉じて」いないといけないのに、カットがかかってモニターチェックすると白目をむいていた(笑)。これでNGとなって、何度も撮り直しました。密かな苦労話です(笑)。

――今年の夏に開催された池袋サンシャインシティの「ウルトラヒーローズEXPOサマーフェスティバル(ウルサマ)」に出演された際、子どもたちからの声援を受けたときの感想はいかがでしたか。

子どもたちがもう一生懸命になって「がんばれー!」って言ってくれますし、大人の方までもが応援してくれる。自分がまるでウルトラマンになったような気持ちになって、高揚しましたね。ウルサマのステージは中央に張り出しがあるので、子どもたちとの距離も近づいて、嬉しかったです。

――梶原さん自身も、ウルトラヒーローに出会えて気持ちが高まったのではないでしょうか。

それはもう! ステージから離れた場所ではありましたが、ウルトラセブンがいるのを発見して「ああ、セブンや~!!」と思ったらすごくテンションが高まりました(笑)。あと、YouTubeで「SKaRD体操」の動画をアンリ隊員役の内藤好美さんとやっているのですが、子どもたちが僕らのお手本に合わせて元気に体操してくれるのが、ものすごく嬉しかったです。

――『ウルトラマンブレーザー』後半に向け、ヤスノブの注目ポイントを梶原さんから一言、お願いします。

ヤスノブはメカの中でも、特にアースガロンに特別強い感情を抱いています。これから先、アースガロンと一緒にヤスノブがどんどん成長していくエピソードがあるので、ぜひ見守っていてもらいたいですね!

(C)円谷プロ (C)ウルトラマンブレーザー製作委員会・テレビ東京