• 作間龍斗

    作間龍斗 (C)日テレ

櫨山Pが手がけた『恋の病と野郎組』でドラマデビューを果たした作間だが、その魅力は、「何を考えているか分からないところ(笑)。要求されることはやるんだけど、最終的に何を考えてるのか分からない感じがあるんです。でもそれが気になるわけでもなく、淡々とそこに居続けても大丈夫みたいな感じがあるのが、あの人の面白いところですね」とのこと。

アイドルを夢見るもオーディションに脱落し、進路に迷うという役柄で、「“昨日と今日で言ってること違うよ!”という感じが、彼だったら無理なく淡々とやってくれそうな気がして、金子さんと私の間で『彼がいい』となりました」と意見が一致した。以前、櫨山Pが「なんでそんなに淡々としてるの?」と聞くと、作間は「普段は自分の感情を隠して生きてます」と答えたそうだ。

■金子茂樹脚本で「漫才の感じに近いかもしれない」

前回タッグを組んだ『俺の話は長い』で、「向田邦子賞」「東京ドラマアウォード・脚本賞」を受賞した脚本の金子茂樹氏。彼が紡ぎ出す言葉は、「小池さんも吉岡さんも言ってるんですけど、『よくこんなことが書けるな!』というのをセリフにしてくるので、金子さんの体を通してでしか生まれ得ない魅力ということに尽きますね。あのセリフの面白さは、彼自身のキャラクターにも起因してると思います」と分析。

その上で、「それぞれのキャラクターがどうぶつかり合うかという臨場感に、テレビドラマというジャンルとしての素晴らしさがある」といい、「演者さんもお芝居をしてすごくやりがいがあると思うし、何テイクやっても毎回違うテイクになるだろうし、そういう“生感”を引き出してくれる脚本家さんだと思います」と信頼を寄せる。

  • 金子茂樹氏

今作も、金子脚本による丁々発止の会話劇が大きな見どころだ。

「最近はカットを割って時間をかけて撮っていくドラマが多い中で、今回は漫才を見ている感じに近いかもしれないですね。そこにリアクションの面白さがあるというところをテレビドラマとして狙っていくというのは、人間を見せるドラマの一つの方法論として私はまだ有効じゃないかと思っています」

当然、長回しのシーンもあるが、「“7ページ一発撮り”とか、“最終回は全部ワンシーンでやる”とか話してます(笑)。できるかどうか分からないですけどね」と、構想を明かしてくれた。

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●櫨山裕子
1960年生まれ、鹿児島県出身。東京女子大学卒業後、83年に日本テレビ放送網入社。『金田一少年の事件簿』シリーズのほか、『銀狼怪奇ファイル』『サイコメトラーEIJI』『ぼくらの勇気 未満都市』『anego』『ハケンの品格』『ホタルノヒカリ』『きょうは会社休みます。』『世界一難しい恋』『母になる』『俺の話は長い』などを手がける。