――10万円ですか!
ゴジラを埋めるとなった時に、ソフビのキレイに塗装したところをちゃんと見てもらうには、やっぱり透明度が大事なんですよね。いかに透明で、気泡ができないように仕上げるか。そのためにどうすればいいかを調べると、やっぱり高いレジンを使った方がいいみたいなんですけど、エポキシレジンは固まる時に温度が上がり続ける“熱暴走”という現象に注意しないといけなくて、失敗もしやすいんです。実は、よく見ないと分からないんですけど、ゴジラの尻尾がちょっとだけ焼けていて。
それくらい本当に一か八かで、ソフビの改造と塗装に3日間ぐらいかけたけど、レジンに埋めたら終わりかもしれない……でも、覚悟を持ってやるしかない! と。YouTubeなどで調べていると、レジンアートといっても、あれくらいの大きさのものを作る人はあまりいないみたいなんですよね。やっぱり失敗のリスクがあるからやらないんだと思うんですけど、私は失敗しても面白いかなって(笑)。その失敗を視聴者の皆さんに共有できるんだったらと思って、挑戦してみました。他の人が普通だったらやらないところまでやった方が絶対見応えもあるし、私自身の技術力も上がっていくので、YouTubeは挑戦の場でもあります。
■“成長度合い”も見どころ
――「これは挑戦だった」という動画を他に挙げるなら?
タカラトミーさんからご依頼いただいて、『ダイアクロン』(変形合体ロボット玩具)のジオラマを作ったんですけど、あそこまで大きいサイズのジオラマを作るのはこの時が初めてで、一から瓦礫(がれき)を作ることにも挑戦しました。ビルが崩壊して、瓦礫がバラバラって落ちてたり、地面のコンクリートにひびが入って割れていたり、戦場の中で色々なものが壊れた中にロボットがいたら臨場感が出るじゃないですか。『ダイアクロン』のロボットたちをいかに魅力的に、その世界観が伝わるようにジオラマ化できるかっていうことを考えて、瓦礫の作り方やコンクリートのひびの入れ方などを調べて。なので、Zガンダムの動画を改めて見ると、ちょっと下手だなって思うんですよ。
――あのクオリティで!?
「うわ、ここのスミ入れちょっと甘いな……」というようなところがあって。今だったら、もっと上手に作れます! でも、あの時はあれが本気だったので、いい思い出ですね。遡っていただくと、成長が見えるはずなので、それはそれで面白いと思います。
――あとは、最近の動画と初期の動画では、東雲さんの声の出方も全く違うように感じました。
私も見返して、びっくりしました! 借りてきた猫みたいですよね……。声が細くて、「どうしたどうした? そんな自信ないんかお前」って感じで、ちょっともう、ずっとは見てられないです(笑)。
(最初は)たぶん緊張してたんだと思います。それまでは、デジカメで自分の動画を撮るっていう経験もほとんどしたことがなかったので、すごい構えちゃって。自分が話す時に聞いてる声と録音された声って全然違うじゃないですか。編集中にそのことに気づいてから、 「もうちょっとこう話そう」と意識するようになって、だんだん声が出るようになりました。
東雲うみ
9月26日生まれ。埼玉県出身。2020年1月、1stDVD『しののめちゃん』(竹書房)でグラビアデビュー。2022年3月10日、1st写真集『うみのなか』(ワニブックス)を発売。2023年9月1日、コスプレイヤーのえなこも所属する芸能プロダクション「PPエンタープライズ」所属となった。2023年10月、2020年10月に開設したYouTubeチャンネル『うみちゃんねる』のチャンネル登録者数が100万人を超えた。