■5人の監督、多数の脚本家で制作

――今作から変わったところがあれば教えてください。

松岡:移動距離ですね。もうひどいです!(笑)

桜田:すごかったです……(笑)。

松岡:うちの車の走行距離が1万3千キロを超えました。知ってますか、日本1周が1万2千キロなんです。1クールの撮影で日本1周以上の移動です。あとは、ちゃんとエキストラの方がいらっしゃって、ゴールデンになったんだなと感じることができました。これまでは、ちょっと手の空いてるスタッフを出したりしていたので(笑)。

伊野尾:家政婦のドラマなので、家での撮影が多かったのですが、今作では外での撮影が増えて、こんなところにいるミタゾノさんが見られるんだ! と思っていただけるはずです。宮城県の美田園駅に行かせていただいたりもして。

松岡:仙台空港駅の隣の「美田園駅」とコラボして、駅や電車で流れるアナウンスを、ミタゾノがやらせていただくことになったんです。

桜田:えっ! そうなんですね! 知らなかった~!(取材は情報解禁前)

松岡:美田園駅でいつか何かやりたいよねという話を以前からしていたので、形になってうれしかったです。あとは1クールの作品に監督が5人いるのもすごいなと(笑)。1話完結型なので、たくさんの色を見せられたほうがいいなということで、脚本家もたくさんいらっしゃって。そして、すでに発表されていますが、今作でも毎話とんでもないゲストの方々が出演してくれます。今作で50話に到達したということで、1話に3人来ていただいていたとしてももう150人のゲストの方が出てくださったんだなと。相当な数の方に支えられて、ゴールデンに進出できたんだなと実感しました。

■演じる役と自身の共通点は

――撮影の合間で印象に残っているエピソードはありますか。

伊野尾:赤ちゃんが出てくる回があるのですが、松岡くんが赤ちゃんの前で見せる表情がすごく愛らしくて。あやすのがすごく上手なんです。赤ちゃんがかわいすぎて、ミタゾノさんじゃなく松岡くんの素敵な笑顔が出ちゃったりしていましたね。

松岡:あやしていると笑顔になっちゃうんですけど、ミタゾノは笑っちゃいけないので、カットがかかったあとに「今俺笑ってなかった? ごめん、もう1回やらせて」とお願いしたこともありました。天才的な赤ん坊で、全く泣かないんですよね。奇跡的な絵がたくさん撮れて、助けられました。

――演じるキャラクターそれぞれの魅力と、共感できるところや、自分と共通してるなと感じる部分があれば教えてください。

松岡:ミタゾノと僕がつながること……なにかあるかな。

伊野尾:料理とか、家事とか。

松岡:料理は確かに。

――考え方に共感できるところはありますか。

松岡:はっきり物を言うところは、たまに似てるなと思います。実際にミタゾノぐらい口にしてしまうと大変なことになってしまいますが(笑)、演じていると、スッキリした気持ちになれますね。

伊野尾:光はシリーズを重ねるごとにどんどんおバカちゃんになっていって、こんなに何もわからないバカだったっけ、と。でもそんなところが愛されるキャラクターになればいいなと思いながら演じています。僕と似ているところは、バカなところですかね(笑)。

桜田:実優はかわいらしくて愛嬌がありますし、自分の思ってることも素直に口に出せる素敵な女の子。自分と似ているところは……、人前で話す時に手が動いちゃう癖があって、手を動かさないと言葉が出なくなっちゃうので、身振り手振りの多さは似てるなと思います。

■伊野尾&桜田が松岡の座長ぶり絶賛

――伊野尾さん、桜田さんから見て、松岡さんはどんな座長ですか。

伊野尾:懐が深いです。ミタゾノさんが赤ちゃんから大女優さんまで、幅広い方々が演じる幅広いキャラクターを受け止められるのは、やっぱり松岡くんの懐の深さがあってこそ。僕が何を言っても受け止めてくれるところが素敵です。多分、僕が何をしても怒らないと思います。

松岡:うるせぇな!(笑)

伊野尾:それくらい優しいです。一緒にお芝居していて楽しいですし、現場でご一緒させていただくときはいつも心強く感じています。

桜田:松岡さんがいると、現場がサックサク進むんです。そこも座長として愛されるポイントの1つですし、皆さんがついていこうと思えるような“活力”をくれる方。なんて言うんですかね……、“生命”を感じるんですよ!

伊野尾:それ、新しい(笑)! 松岡くんの“生命”くわしく聞かせて!(笑)。

桜田:空気が湿っているところとか、暗いところでも、松岡さんがいると生命を感じられて、現場が明るくなるんです。今回ご一緒してそれをすごく感じて、「私、生きてるな」という。

――松岡さんは、お2人のコメントを聞いていかがですか。

松岡:伊野尾が感じているのは、渡瀬恒彦さんから教えてもらったことですね。緊張感を持って、現場を滞りなく進めるためにはスタッフとの信頼関係が一番大事。技術、美術、カメラマン、照明、録音……それぞれのスタッフとの確認作業はすごくやります。自分から「これで大丈夫?」って直接スタッフに声をかけていくやり方を渡瀬さんから学んで、僕も絶対に伝えていこうと思っていて。今作だと、小野武彦さんや寺島進さんが僕がそうしているのを見て「おいおい、渡瀬さんじゃないんだから」って言ってくれたので、ちゃんとできているのかなといい確認になりました。ひよりちゃんが言う、“生命”を感じるというのは……美輪明宏さんの影響ですかね(笑)。美輪さまはもうミタゾノみたいなものだから。

――それではお時間になりましたので……。

松岡:美輪さまの話で終わり!?(笑)

一同:(笑)。

――ありがとうございました!