TikTokでの創作活動はじめ、バラエティ、ドラマ、映画など活躍の場を広げている景井。なかでも女優業というのはどんな位置づけなのだろうか。
「中学校の文化祭で劇をやることになったのですが、そのとき担任の先生から『主役をやってみたら?』と言われたのが最初です。当時、人前に出ることがすごく苦手だったので、嫌だったのですが、友達からも『やってみなよ』と背中を押されたので挑戦してみました。終わったあと、結構保護者の方からも褒めていただいて、どこかで『演じるって楽しいな』と思うようになっていました」
それでも「自分に女優さんなんてできるわけない」という思いは強く、心の片隅にはあったものの、口にも出さなかったという。しかし、始めたTikTokが大きな話題になり、芸能事務所にも所属することになった。
景井は「そこで最初に『お芝居をやってみる?』とチャンスをいただいて、中学生のころ思っていた気持ちが蘇ってきました」と語り、「実際お芝居をしてみたらすごく楽しくて。ありがたいことに、その後もいろいろな役をやらせていただき、いまは続けていきたいと思える仕事になりました。オーディションもどんどん受けていきたいです」と笑顔を見せる。
■憧れは安藤サクラ「いつかご一緒できる日が来たらいいな」
これまでも映画やドラマの現場を経験してきたことはあったが、「ここまでセリフ量が多い役は初めてだった」という景井。今回の撮影で感じたことも多かった。
「これまでTikTokでも自身の表現としてお芝居をするようなこともあったのですが、現場に入ってみるとやっぱり全然違うなと。TikTokって内カメで自分の顔や表情を見ながら撮影するのですが、映画やドラマは逆。相手と向き合って表現するので、その世界のなかでしっかりと役と向き合わなければいけない。すごく勉強になりますし、自分の未熟さも実感しました」
課題や至らない部分に向き合うことで、さらに女優業への意欲は増した。景井は「私は安藤サクラさんが大好きなんです」と憧れの存在を明かすと「是枝裕和監督の『万引き家族』を観て、ラストの安藤さんが泣くシーンに圧倒されました。どうしたらあんなナチュラルですごいお芝居ができるんだろうと。ほかの作品もたくさん見て、いつかご一緒できる日が来たらいいなと思っています」と未来に思いを馳せる。
いまは「いろいろな役柄を演じて経験を積みたい」という景井。「SNSから出てきたということもあって、結構キャピキャピしたような役が多いのですが、自分に近い落ち着いた役や、すごく重い役など、もっともっと幅を広げていきたい」と意欲を見せ、「『この子誰だろう、ちょっと印象に残るね』と言って調べてもらえるような、人を惹きつけられるようなお芝居をしていきたいです」と今後の抱負を語ってくれた。
1999年2月19日生まれ、熊本県出身。2019年にTikTokの投稿を開始し、わずか2年7カ月でフォロワー数1,000万人を突破。TikTokクリエイターとして人気を集め、注目される。現在はバラエティ番組のみならず、映画『TANG タング』(22)、ドラマ『チェイサーゲーム』(テレビ東京/22)等、女優としても活躍している。