――今後はどうなっていきたいと思い描いていますか?
岩橋:今まではテレビに重きを置いて、漫才はテレビに出るためのツールやと思っていましたが、それがひっくり返り、劇場でしっかり目の前のお客さんを笑かすことに重きを置き、テレビは出られたらラッキーで、もしテレビで知名度が上がったら劇場に見に来てほしいという感じになりました。あと、NGKの入り口の看板に自分たちの名前も載せたいです。そして、いずれNGKのトリを任されるようになって、NGKの看板芸人になるのが目標です。
兼光:相方が言ったのに加え、「上方漫才大賞」は何回も取れる賞で、最多がオール阪神・巨人師匠の4回なので、5回を目指したいなと。そして、オール阪神・巨人師匠は紫綬褒章を取られているので、僕たちは人間国宝を目指そうと思います(笑)
岩橋:人間国宝!?(笑)
――今年初開催された「THE SECOND」に出場されましたが、今後も出場するのでしょうか。
兼光:次どうするのかはまだ決まっていないです。
岩橋:大賞をいただいて心が落ち着いた時に、またバトルはどうやろうという思いはありますが、前回早めに負けて用意していたネタはまだあるので、次ぐらいは出てみようかなと今のところは思っています。ただ、「絶対優勝や!」みたいなギラギラした感じではないです。1回目は優勝を狙っていましたが、そのあと「上方漫才大賞」をいただき、落ち着いて楽しく漫才をやっていくのもいい道かなと。やる気がないわけではないですが、「絶対優勝するぞ!」と力むと今までいい結果が出なかったので、もし出たとしても、楽しむことを大切にして身の丈にあったパフォーマンスをやるだけです。
――10月7日には大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホールにて「W祝!! 上方漫才大賞受賞&結成20周年 プラマイ寄席」を開催されます。どんなライブにしたいですか?
岩橋:僕たちはファンの方が少ないですが、深い人はすごく深く応援してくれているので、わざわざ足を運んできてくれるコアなファンの方と素敵なゲストの方たちと、楽しいお祭りみたいなライブにできたら。この日だけは自分たちが主役にならせてもらって、お祝いムードのイベントにしたいです。
兼光:お祝いライブという感じなので、とにかく楽しく、普段通りの僕らを見てもらいたいです。ゲストも気心の知れたメンバーたちで、今年の「上方漫才大賞」で新人賞を取ったカベポスター、奨励賞の吉田たちも来てくれるので、みんなで楽しく分かち合いたいです。
■コンビのギスギス感がなくなり漫才の掛け合いもより楽しく
――コンビの関係性がよくなってギスギス感もなくなり、漫才の掛け合いがより楽しいものになっていきそうですね。
岩橋:そういうのも漫才に絶対出ると思います。相方はアドリブしない人でしたが、アドリブするようになってきているし、ネタの尺10分が今まではちょっと長いなと思っていたんですけど、楽しくなって普段言わないことを言うようになって、10分でちょうどいい、なんなら足りないときもあるので、いいゾーンに入ったなと思います。
――兼光さんも楽しくなってきてアドリブを?
兼光:そうですね。自信と心の余裕も出てきて、より楽しめるようになっている気がします。
岩橋:コンビを組むときに、僕は「1回きりの人生やからチャレンジしたい」と言ったんですけど、彼は「1回きりの人生やから堅くいきたい」と。そういう本質は変わってないので、大賞をいただいたことによって安定したんだと思います。公務員みたいなハートに(笑)
兼光:確かに安心感が生まれました(笑)
岩橋:これからはとにかく2人で楽しんで漫才をするというのが一番やなと。大賞という形で認めてもらえたことで、いい関係性で漫才を楽しめるようになり、すごく大きなターニングポイントになりました。
――素敵な関係性になったお二人ですが、最後にお互いにメッセージを送り合っていただきたいです。
岩橋:これからはモノマネを中心にのびのびとやっていただきたいです。モノマネは天才なので、そこをしっかり伸ばして、モノマネ以外は深く考えないで気楽に。大賞もいただきましたし、これが正解なので。以前は僕がガミガミ言い過ぎてすみませんでした。これからはのびのびとやっていきましょう!
兼光:今後、解散っていうのだけはやめてください。以上です(笑)
岩橋:ハハハ! わかりました。僕がいろいろ言いすぎて「解散や」と言われたこともあったので、その人に「解散しないでください」と言ってもらえるのはありがたいことです。
岩橋良昌(1978年8月12日生まれ、大阪府出身)と兼光タカシ(1978年11月10日生まれ、大阪府出身)によるお笑いコンビ。高校の同級生で、2002年にNSC大阪校に入学し、2003年6月に結成。劇場を中心に活躍し、2007年に「ABCお笑い新人グランプリ」優秀新人賞、「NHK上方漫才コンテスト」最優秀賞、2012年に「上方漫才大賞」新人賞、2021年に「上方漫才大賞」奨励賞、2022年に「上方漫才協会大賞」特別賞を受賞。そして、結成20周年の節目の年である2023年に、「上方漫才大賞」大賞を受賞した。