清舟が書道家としての成長を目指した序盤から、人間的な成長へと発展し、最終的には島の書道教室を開く展開へとシフトしていった今作。最終回は、さらに“その先”を描いていく。
書道教室を開くとは言っても、やはり清舟の書道家としての才能は島民たちも視聴者も全員知るところで「それでいいのか?」というモヤモヤは拭い去れないのが正直なところ。そして、ドラマのクライマックスとしても、一人の若い書道家の最終地点が書道教室とは、あまりに締まりがないように思える。だが最終回では、そのモヤモヤを次のステップへと見事に昇華させる物語をしっかりと用意している。
ある島への来訪者をきっかけに、なると父親(岡田義徳)との関係性、島民たちとのこれまで通りの営みを改めて深く描いた“その先”に、清舟の成長と島民たちと未来が融合した“書”がクライマックスに待っているのだ。それは前半に見た“作品”のようでそうではない、より輝きを放った、尊いものに仕上がっている。
清舟は一体どんな成長を遂げて、一体どんな“書”を最後に見せてくれるのか。どこまでも爽やかな視聴後感に包まれるに違いない最終回。必見だ。