お笑い芸人の小籔千豊が主宰する「KOYABU SONIC 2023」(コヤブソニック)が9月16日~18日にインテックス大阪にて開催される。約4年ぶりとなる同フェスは、過去にも増して豪華アーティストやお笑い芸人が参加し、大きな期待が寄せられている。さらに今回から、小籔が「ハマった」と公言しているオンラインゲーム「フォートナイト」エリアも追加され、音楽&お笑い&ゲームという新たなフェスにパワーアップしている。小籔にインタビューし、今年のフェスの見どころや、多面的に活動するモチベーションなど胸の内を聞いた。

  • 小籔千豊

    小籔千豊

■豪華アーティスト&芸人が集結「間違いなく盛り上がる」

約4年ぶりとなる「KOYABU SONIC 2023」。発表された参加メンバーたちは、日本の音楽シーンをリードするアーティストをはじめ、錚々たるお笑い芸人など非常に豪華だ。

「コロナ禍があって久々になりますが、普通のイベントだと『成功するのかな』と不安になったりしますが、『KOYABU SONIC』に関しては、これだけのすごいメンバーさんに出演していただいているので、間違いないと思っています。“KOYABU”なんて入っていますが、もともと僕は関係ないですからね(笑)。自信があるっていったらおかしいですが、皆さんすごいので僕がどうこうではなく、間違いなく盛り上がると思います」

2008年からスタートした「KOYABU SONIC」。年々大きな広がりをみせているが、小籔自身には、あまり大きな気負いはないという。

「もともと『ビックポルノ』というレイザーラモンと組んだラップグループを流行らせるために始めたフェスだったんです。だから、あまり大きくしたいとか、ムーブメントにしたいなんて思いは一切ありませんでした」

それでも初期の段階から、スチャダラパーやChara、EGO-WRAPPIN'、小泉今日子らが参加し大きな話題となった。

「ありがたいことに、素敵なアーティストの方が出てくださって、そこから少しずつ交友関係が広がっていくうちに、どんどん横のつながりが広がっていって、いまに至っています。ビッグポルノが解散して、大義名分がなくなったしまった。そこで吉本新喜劇ィズというバンドを作って。それもなくなって、どうしようかということで、いまやっているジェニーハイになったという感じなんです」

■ジェニーハイでは「僕は一番下手くそ。ずっと劣等感に苛まれている」

今年、アーティストとして参加するジェニーハイは、ゲスの極み乙女。の川谷絵音(ギター&プロデュース)、小籔(ドラム)、くっきー!(ベース)、中嶋イッキュウ(ボーカル)、新垣隆(キーボード)というメンバーで、全国ツアーも行った。

「ジェニーハイというバンドは『BAZOOKA!!!』というBSスカパー!で放送されていたバラエティ番組によって結成されたバンドなのですが、お笑い芸人がバンドやりました……というのが嫌だったので、やるなら本格的にやりたいと話をしたんです。そうしたら企画者側も『本気です』ということだったので、取り組みました」

「KOYABU SONIC」によってドラムを始めた小籔。ジェニーハイで「本気」になって音楽に向き合ったことは、小籔にとっても非常に大きなことだった。

「正直、メンバーのなかで僕は一番下手くそです。ジェニーハイのなかでは、ずっと劣等感に苛まれています。僕は小さいときから、割と集団のなかで、真ん中以下になったことがなかった。でも確実に自分が一番できないという自覚がありました。それはある意味でつらいことです。若いときに経験しておけばよかったなと思う反面、人生の終盤に差し掛かったなかで、新しい学びがあるというのは、恥ずかしさもあり清々しさもあります」