カードを操る錬金術師ライダーの活躍を描く新番組『仮面ライダーガッチャード』が、2023年9月3日より放送開始される。主人公・一ノ瀬宝太郎(演:本島純政)は人工生命体(ケミー)を宿した2種類のライドケミーカードを組み合わせて仮面ライダーガッチャードとなり、101体のケミーをすべて回収するため、激しい戦いに乗り出していく。
『仮面ライダーガッチャード』単独キャストインタビューの今回は、宝太郎と同じく「錬金アカデミー」で学ぶ錬金術師の先輩・鶴原錆丸を演じる富園力也が登場。錆丸は極端な人嫌いであり、他人が聞き取れるかどうか微妙なくらい声が小さいため、常に持ち歩いているタブレットのAIで会話をフォローし、意思の疎通を図っている。麗しい美少年風のたたずまいに似合わぬユニークな人物像を、アニメーション作品で声優もこなす富園がどのように演じていくのか、役にかける意気込みと、今後チャレンジしてみたいことについて話してもらった。
錆丸の「二面性」
――『仮面ライダーガッチャード』で富園さんが錆丸役を獲得した経緯から教えてください。
オーディションでは最初、何人か役の候補があり、そこからだんだんと絞られていく形でした。僕は錆丸だけでなく、宝太郎、スパナも受けていたのですが、最終審査のとき、錆丸の「二面性」みたいなキャラクターが僕に合致していたように思えまして、途中から、もしかしたらこの役になるかもしれない……といった予感がありました。
――錬金アカデミーで錆丸と同期の銀杏蓮華とは「ボケとツッコミ」の間柄だとうかがいました。蓮華役の安倍乙さんは「自分はツッコミ役」だとおっしゃっていましたが、役を演じられるお2人にとって、どちらがボケ、どちらがツッコミといった役割分担はありますか?
そうですね~、錆丸の発言に蓮華が鋭いツッコミを入れる、というのが基本パターンですけど、僕自身はボケとツッコミ、どちらも当てはまるような気がします(笑)。
――プロモーション映像では、他のキャラクターが元気に大きな声でお話をされている一方で、錆丸だけかすかな声で、聞き取れるか聞き取れないかというボリュームで喋っているのが印象的でした。
現場でも、ものすごく小声でしゃべるので、それだけでもうボケという感じなんです。周りが「え? 聞こえへん。何しゃべってるの?」みたいなリアクションをするので(笑)。大変なのは、僕のセリフを拾うためマイクを構えるスタッフさん。毎回、音響さんと僕の戦いが繰り広げられています。どこまでなら声を拾えるか? このボリュームだともう拾えないのか?とか、シーンごとに細かくやっています。
――人嫌い、という錆丸の設定については、どう思われますか。
コミュニケーションが苦手という感じなんです。錆丸本人がしゃべらない分、タブレットのAIに気持ちを代弁してもらっています。タブレットのAI音声は錆丸本人とは反対に、ぶっきらぼうというか、強気なしゃべり方なんです。錆丸がぜったいに言わないような、乱暴な言葉、たとえば「てめえ!!」みたい言い方で、内向的な錆丸をサポートしてくれるんです。
メンバーとの関係性
――「錬金アカデミー」に集う錬金術師キャストのみなさんの、現場での雰囲気はいかがですか。
現場に入ったらすぐ錬金アカデミーみたいな、和気あいあいな空気がすぐに出来上がりました。みんなで撮影の合間に「ワードウルフ」をやったりして、コミュニケーションを取っています。
――富園さんが兵庫、安倍さんが大阪、黒鋼スパナの藤林泰也さんが京都と、何やら『ガッチャード』レギュラーには関西出身の方が集まっていて、それが賑やかな雰囲気につながっているのかもしれませんね。
関西勢のキャストだけじゃなくて、みんなすぐに打ち解けて、ワイワイと騒ぐタイプがそろっていました。キャスト陣の中でいちばんお世話になっているのは、ミナト先生役・熊木陸斗さんです。面白いし、優しいし、まるで本当の先生みたいな方。年齢が僕らより上なのに、すごく話しやすい方なんです。