聡子と教授との夫婦関係について、中田は「最初の方は年の差もあるから、聡子が田邊教授についていくような感じでしたが、時が経つにつれて、どんどん対等な夫婦になれていったのではないかなと思います」とも語っている。
その変化のさじ加減については「難しくはなかったです。要さんとも少しずつほぐれていって、いい感じに撮影が進んでいったと思います。撮り順が台本と合っていたので、私自身が撮影に慣れていく過程と、聡子が少しずつ成長していき、ちょっとだけ自信というか強さが出てくる過程をリンクさせながら演じることができました」と、順撮りも功を奏したようだ。
第94回では、聡子が初めて田邊教授に対して、はっきりと意見を述べるシーンも描かれた。
中田は「田邊教授に思っていることを言う時は、本当にあなたのことを尊敬しているし、あなたを支えたいんですという気持ちだけは忘れないようにしながら演じました」と話している。
また、浜辺美波演じる寿恵子と聡子が友情をつむいでいくシーンも味わい深い。
「とても大事な時に寿恵子さんが来てくださって、助けてくださったりします。聡子は、母としても妻としても先輩である寿恵子さんを頼りにしているし、自分自身ももっと強くなりたいと思っていると思いますし、実際にどんどん成長していくと思います」
■第99回のシーンで「本当に対等な夫婦になった気がしました」
第99回で、田邊教授が学長を務める予定だった女学校の廃止が決定したシーンでは、沈む田邊を聡子が奮い立たせるという見せ場が視聴者の心を揺さぶった。
「田邊教授が落ち込むというか、もうダメかもしれないとなってしまった時に、聡子が喝を入れて励まします。そこで初めて2人が本当に対等な夫婦になったような気がしました。今までも夫婦でしたが、手を添えるとか、そういうスキンシップが全然なかったのですが、そのシーンで初めて聡子が田邊教授に触れたので、それを見ても変化が感じられるかなと思います」
また、今後の聡子の見どころについても聞くと「聡子の成長を見守ってほしいですし、田邊教授と万太郎さんの関係が変わっていきつつも、お寿恵さんと聡子の変わらない関係性は続いていくので、そういうところに注目して見ていただきたいです」と締めくくった。
2000年1月6日生まれ、兵庫県出身。2014年、「第5回Sho-comiプリンセスオーディション2014」にてグランプリを受賞。主なドラマ出演作は、『セトウツミ』(17)、『中学聖日記』(18)、『善人長屋』(22)、『しょうもない僕らの恋愛論』(23)、『だが、情熱はある』(23)など。主な映画出演作は『3月のライオン 後編』(17)、『ミスミソウ』(18)、『見えない目撃者』(19)、『もみの家』(20)、『君が世界のはじまり』(20)、『街の上で』(21)など。
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