神木隆之介主演の連続テレビ小説『らんまん』(NHK総合 毎週月~土曜8:00~※土曜は1週間の振り返りほか)で、要潤演じる田邊教授の妻・聡子役で熱い視線を浴びている若手女優の中田青渚。神木演じる槙野万太郎VS闇落ちした田邊教授の構図が激化し、ヒールとして暴走してきた田邊教授だが、そこに歯止めをかけるキーマンとして急浮上してきたのが聡子である。ただの従順な妻で終わらない聡子の魅力を中田が語ってくれた。
高知県出身の植物学者・牧野富太郎をモデルにした本作では、幕末から明治、大正、昭和と激動の時代に、植物を愛し、その研究に情熱を注いでいく万太郎とその妻・寿恵子(浜邊美波)の波乱万丈な生涯を描く。田邊教授の後妻である聡子は、寿恵子と出会い、良き友情関係を築いていく。
和装がとてもしっくり来ている中田。時代劇への出演は、主演を務めたドラマ『善人長屋』(22)以来2作目となったが「時代劇はすごく好きです。お着物もやっぱり普段着ているものとは全然違いますし、着るとしゃんとして気合いが入る感じがあります」と笑顔を見せる。
万太郎にとって田邊教授は、最初に東京大学植物学教室に招き入れてくれた恩人だったが、万太郎の功績ラッシュとなる一方で、田邊教授はすべてが上手くいかず焦りと苛立ちを露わに。そして万太郎は、田邊教授から東京大学への出入り禁止を命じられてしまった。
朝ドラ初出演に喜んだという中田だが、聡子役にはとてもプレッシャーを感じたと言う。
「台本を読んだ時、こんなに素敵な役をいただいて大丈夫かなという緊張感がありましたし、重要な役をいただけたことにびっくりしました」
■話し方の速度を意識「大事な場面ではスピードを速めてみたり」
聡子を演じるにあたり、話し方の速度を意識したという中田。
「聡子はもともと話し方もゆったりしているし、大きな声を出したりはしないのですが、大事な場面ではもう少しスピードを速めてみたり、圧というか、少し芯のある声を出してみたりしています」
中田は田邊教授の人となりについて「本当に、ただ植物がすごく好きなんだなという印象です。でも、政府の仕事をはじめ、他にやらなければならないことが多すぎて、日々追われてしまうので、ちょっと不器用な人でもあるのではないかと」と捉えていた。
若き聡子は控えめでおとなしい性格で、常に教授を立ててきた古風な妻だが、回を追うごとに2人の夫婦関係にも変化が生まれていく。とことんダークサイドに堕ちていく田邊教授は、大学では敵ばかりを作っていくが、家に帰ると聡子だけは常に教授の味方であり、癒やしでもあった。
田邊教授が聡子を自分の好きなシダに例え、聡子に「私はお前の静けさを愛しているんだ」と愛をささやく穏やかな表情には心ときめいたが、教授の仕事上の話には首を突っ込めない聡子のもどかしさも描かれた。
中田も「あのシーンでの聡子は、田邊教授から『全部に踏み入ってこないで』と少し拒絶されたような気持ちになったのかなと。なんとなく寂しいような悲しいような、でも、教授のことを分かりたいという聡子の複雑な心境が描かれたシーンでした」と振り返る。