終了後、最優秀賞チームに話を聞くと、「緊張しすぎてずっと手が震えちゃいました」「10枚以上プレゼンシートを作ったので、時間配分が難しかったです」と本音を吐露。勝因については、「賢そうに見えるように、メガネをかけたことだと思います。普段は授業とか画面を見るときしかかけないので、“衣装”として使いました(笑)」という演出や、「SNSで番組にちょっと足りない部分を突いたところかなと思います」という忖度ない提言が奏功したと分析した。
チームの全員が、今回のプレゼンに取り組むまで『私のバカせまい史』を知らなかったそうだが、実際に見て「めっちゃコアで、すごく面白いと思いました」と楽しめた様子。しかし、「やってる時間帯(木曜21時)がすごいネックなんです。夜ご飯を食べるときとか、もうちょっと早い時間にやってくれたら見るかなと思いました」「塾に行ってるんでまだ帰ってない時間なんです。もっと深夜帯でもいいかな」とハードルがあるそうで、TVerは「“権利上見せられません”みたいなのが結構あるんで、リアルタイムで見たいなと思いました」という。
普段、テレビ番組は「朝ニュースを見るか見ないかですね」「親が見てるのを一緒に見る感じです」と、自分から能動的に見ることはあまりないのだそう。それでも、「『新しいカギ』は家族全員好きだから、土曜に時間があったら必ず見ます。『学校かくれんぼ』とか『バチェ男』とか面白いです」と忙しい現代高校生において、週末の夜がテレビタイムになることが多いようだ。
そして、番組側からSNSの改善を託されたが、「とことんズバズバやっていきたいと思います」「(神奈川県の高校生視聴率)100%目指して頑張りたいと思います」「責任持って頑張ります」「視聴率が上がったらいいなと思います」と、意気込みを見せてくれた。
■地上波にとどまらず多角的にコンテンツ活用へ
加藤氏は、今回の取り組みを振り返り、「想像していた高校生像と、ギャップがありました。もっと普通のアイデアしか出ないだろうなと思ったんですけど、ちゃんとジャンプアップした提案をいっぱい出してくれて、ここまでレベルが高いのかと驚きました」と感想。また、「課題としては結構難しいものを出したつもりなんですけど、ちゃんと噛み砕いてプレゼンまで見事にやってくれたという印象です」といい、『私のバカせまい史』自体がプレゼンショーの番組だけに、高校生たちのスタイルも参考になったようだ。
番組の知名度や、テレビというメディアの位置づけについて厳しい指摘もあったが、「今までデータ上でしか見ていなかったんですけど、やっぱり現役高校生の口から出ると本当なんだなと思って、つい僕らも質疑応答で詰めちゃいました(笑)」とのこと。
その上で、「高校生たちがテレビを見ているイメージがあまりなかったんですけど、全く見ていないわけではないということと、“共通の話題”を欲しているんだというところが発見でした。何かそこに刺さるような“バカせまい史”のネタを考えていければと思います」と意識した。
番組では現在、高校生や大学生がスタジオで研究発表する「バカせま甲子園」企画も進行中。「今回のプレゼンでもアイデアが出ましたが、番組の戦略として教育コンテンツと強く結びついていこうという計画は当初からありました。今回の取り組みや『バカせま甲子園』に加えて、例えば食品系企業とコラボレーションして小学校で食育の授業を『バカせまい史』のパッケージでやるなど、地上波のバラエティ番組としてだけではなく、多角的にコンテンツを活用していくことを見据えています」と、今後“バカせま”の世界を広げていく構想を明かしてくれた。