ただ、10年間ずっと短い前髪を続けてきたわけではなく、役作りで前髪を伸ばすことや、役作り関係なく伸ばしていた時期もあった。

「あまのじゃくなところがありまして、『前髪切りすぎた三戸なつめさんです』って紹介されることがほとんどなので、前髪をずっと切りすぎてないといけないんだと思うとなんか伸ばしたくなってしまって(笑)。伸ばしているときにバラエティなどに出るとMCさんがどう説明しようか少し困っていて、申し訳ないなと思いました」

大人イメチェンを狙って前髪を伸ばしたこともあったが、原点の髪型に戻った。

「20代後半になって『前髪長いのも似合うのかな?』と試したくなって伸ばしたときもありましたが、結局短いのが一番しっくりくると思い、今は落ち着いています。役に入ると伸ばそうかなという感じになりますが、役が終わった途端にめっちゃ切ります(笑)」

短い前髪にすると気分も変わるそうで、「短いほうが自分のことを『かわいいじゃん!』と思えて、自己肯定感が上がります。やっぱりこれが自分だなって」とにっこり。

現在33歳の三戸。これからも役以外では短い前髪を貫いていくつもりだという。

「片桐はいりさんみたいに、髪型で自分の個性を出しながら年を取っていきたいなと。おばあちゃんになっても前髪切りすぎていたいって思います。前髪ぱっつんのおばあちゃんもきっとかわいいですよね。全部白髪にしてやってみたいです」

『なつめろん』の撮影時も短いぱっつん前髪で、三戸らしさ全開の一冊に。短い前髪ながら、前髪を上げたり、さまざまなヘアアレンジもしているので、ファッションも含めていろんな姿を楽しむことができる。

撮影は、大好きな台湾で実施。「3年ぶりに行ったのですごくテンション上がって、仕事なのかプライベートなのか、判断がつかないぐらい楽しみながら撮影をしました(笑)。その楽しさが写真にめちゃめちゃ出ていると思います」と語った。

■三戸なつめ(みと・なつめ)
2013年にモデルとして活動を開始し、2015年に中田ヤスタカプロデュースによる「前髪切りすぎた」でアーティストデビュー。2018年より女優としても本格的に活動を開始し、2020年にNHK連続テレビ小説『おちょやん』、2022年にドラマ『ユーチューバーに娘はやらん!』や、タクフェス第10弾の舞台『ぴえろ』などに出演。数多くの映画、ドラマ、舞台など幅広いジャンルで活躍し、2023年で芸能活動10周年を迎えた。8月12日にフォトエッセイ『なつめろん』(宝島社)を発売。出版記念サイン会を8月26日に大阪、9月2日に東京にて開催。
  • ●フォトエッセイ『なつめろん』表紙および収録カット

スタイリング:藤原かよ ヘアメイク:桂川あずさ(CANNA)