今年、芸能活動10周年を迎えた三戸なつめが、初のフォトエッセイ『なつめろん』(宝島社)を8月12日に発売した。2013年にモデルとして活動を開始し、2015年に「前髪切りすぎた」でアーティストデビュー、現在は女優としても活躍している三戸のトレードマークといえばもちろん、短いぱっつん前髪。役以外で前髪を伸ばしたこともあったが、やはり短い前髪が一番しっくりくるという。前髪に対するこだわりを三戸に聞いた。

  • 三戸なつめ 撮影:加藤千雅

30代になってフォトエッセイを出すことが「一つの目標だった」という三戸。その目標を、10周年の記念の年に実現させた。

「10周年の記念に何かやりたいと思っていたのですが、ずっと作りたいと思っていたフォトエッセイを叶えることができてすごくうれしいです。作っているときに、周りの人たちに支えられて好きなことができているんだなと改めて感じました。ラジオ番組に出演させていただくときなど、肩書きが多すぎてごめんなさいという気持ちになるのですが、それぐらい本当にいろんなことをやらせてもらっていて、周りの人たちのサポートのおかげだなと思います」

モデル、アーティスト、女優、タレント、さらに絵が得意で絵本も出版するなど、マルチに活躍しているが、もともとは読者モデルとして活動。そこから芸能界に興味を抱き、2013年にモデルデビューした。

「読者モデルをしていたときに、一緒に雑誌に出ていた先輩がアソビシステムに所属していていろんな方面で活動しているのを見て、私も幅を広げたいと思って芸能界に入りました。歌など好きなことがいっぱいあったので、いろいろな活動ができたらいいなと。そして、好きなことに挑戦させてくれる事務所だったので、自分に合ったところに入れてよかったなと思っています」

この10年間で特に自身にとって大きな経験になったと感じていることを尋ねると、2015年に中田ヤスタカ氏のプロデュースにより「前髪切りすぎた」でアーティストデビューしたことを挙げた。

「今回フォトエッセイを出させていただきますが、本を出せるというのはやはり、『前髪切りすぎた』でアーティストデビューし、三戸なつめの存在をたくさんの方に知ってもらえたというのが大きいと思います」

短いぱっつん前髪というビジュアルでインパクトを与え、多くの人たちにその存在が知れ渡ったが、今でもその印象は変わらない。

「いまだに前髪を切るとニュースになったり、いつまで経っても前髪に注目していただけているのは、『前髪切りすぎた』のおかげだし、ヤスタカさんのおかげだなと思います」

最初に短い前髪にしたのは中学生のとき。自分では「前髪を切りすぎている」とは思っていなかったそうで、「ヤスタカさんに『これでデビューします』って出されたのが『前髪切りすぎた』という曲で、『あ、私も前髪切りすぎていたんだ!』ってそこで気づきました(笑)」と告白。

「私、友達運がめちゃくちゃよくて、『あんたそれ切りすぎじゃない!?』って否定する人があまりいなかったんです。その頃、青文字系と言われる子たちの中で前髪が短いのが流行っていて、前髪短い子がけっこう周りにいたこともあって、切りすぎているとは気づかず、『ヤスタカさんから見たら切りすぎてたんや!』って思いました(笑)」と振り返った。