現在放送中のABCテレビ・テレビ朝日系ドラマ『何曜日に生まれたの』(毎週日曜22:00~)。日本を代表する名作を多数生み出してきた脚本家・野島伸司氏のオリジナル作品で、高校時代の“ある出来事”をきっかけに、10年間ほぼ引きこもり生活を送っている27歳の黒目すい(飯豊まりえ)が主人公の物語だ。きょう13日に放送される第2話では、すいをモデルに物語を紡ぐ人気小説家・公文竜炎(溝端淳平)が、「物語として退屈だ」として10年前に共にバイク事故を起こしたサッカー部のエース・雨宮純平(YU)との話を提供してほしい、とすいに伝える。

今作で、すいの父・丈治(陣内孝則)と公文のコラボを担当する毒舌な出版社の編集長・来栖久美を演じているシシド・カフカ。今回はシシドに、今作や共演者の印象、そして約10年前、アーティストとして活動している中で突然ドラマに出演が決まった当時の葛藤など、“女優業”への思いを聞いた。

  • シシド・カフカ 撮影:宮田浩史

    シシド・カフカ 撮影:宮田浩史

■テンポ感を求められる会話劇に恐怖心

――シシドさんは、野島さんの作品にどんな印象を持っていましたか。

子どもの頃に『家なき子』(94年、日本テレビ)や『聖者の行進』(98年、TBS)を見ていた記憶がありますが、タブーに切り込んで痛いところを突くといいますか、作品で世の中に殴り込んでいるイメージを持っていました。「こういう世界もあるんだ、こういう人たちもいるんだ」と、自分は知り得ないようなことをドラマで見せてもらうという新鮮な体験をさせていただいた気がします。

――今作の脚本を読んだときの印象を教えてください。

ものすごく会話劇だな、ものすごいテンポで掛け合いしていくんだろうな、と感じて、最初に持ったのは恐怖心です(笑)。ト書きもほとんどなく、会話でストーリーが進んでいく脚本だったので。

――久美はその会話をリードするような立ち位置ですが、シシドさんから見てどんなキャラクターですか。

今まで、意外と自分に自信がない役、誰かに付き従う役は演じたことがあるのですが、久美のように自信があって、言葉が強くて、自分の立場をしっかり理解している女性は初めてです。演じたことがない役どころなので、不安と共に面白そうだと思いました。

――確かに、これまでにないシシドさんが見られる役どころかもしれません。

理不尽に不機嫌な役はたくさんやってきたんですけどね(笑)。

―― (笑)。そんな久美を演じていて楽しい部分は。

久美はチャキチャキとまわりの人の世話を焼いて、1つのシーンでもボケたりツッコんだりと忙しい人。感情のメーターをいつも振り切っているので、そのジェットコースターに上手く乗れたときは楽しいです。

■飯豊まりえ・溝端淳平・早見あかり・陣内孝則の印象

――7月に行われた制作発表会見ではキャストの皆さんの仲睦まじい雰囲気が伝わってきましたが、現場はどんな雰囲気ですか。

あんな雰囲気です(笑)。陣内さんが話して、溝端さんがツッコんで、という感じで。陣内さんはどんな話題でも超ド級のエピソードを持ってらっしゃるので、楽しませていただいています。

――キャストの皆さんの印象をお尋ねしていきたいのですが、まずは主演の飯豊さんの印象を教えてください。

とても可憐で儚い方だというイメージがあったんです。でも現場では陣内さんにも果敢にツッコんでいたりして、芯の強い女性なんだと新しい発見がありました。

――続いて、会見でも顔の系統が似ているとお話しされていた妹・芽衣役の早見あかりさんは。

話し方のトーン、抜きどころ、公文を操っている感じが芽衣にすごくぴったりなんです。こういう役がこんなにハマるんだ! と驚くほどでした。

――公文という謎を抱えた難役を演じる溝端さんの印象は。

脚本を読んで想像していた人物像と、皆さんが作り上げてきたプランが、公文だけ唯一違っていたんです。撮影が進んだ今は、この公文じゃないと成立しないと実感しています。皆が持っているものを惜しみなく出してぶつかっていく会話劇の中で、整合性のつく立ち位置を見つけるのは、公文が一番大変だったはず。溝端さんの中でいろいろな演じ方を試してこの公文にたどり着いたんだろうなと感じます。