――ガンアクションの撮影では火薬を使用するなど、また違った緊張感もあったと思います。

現場も緊張感がありました。リボルバーで敵を狙っているけど、火薬を入れるから顔に向けてはいけない。一瞬手が当たるだけで発砲してしまうので、絶対に手を外してなければいけないとか、一連のアクションの中で気を付けることが多くあり、考えずにできるようになるまでは練習が必要でした。

■楽しめる環境を作っていく意識「今の自分自身を楽しんでいる人は強い」

――そういった練習を重ねて“史上最強のダークヒロイン”小曾根百合が出来上がっていったと。今回、綾瀬さんが演じた百合は、未来を救うために体を張って慎太(羽村仁成)を守る“強い女性”でしたが、綾瀬さんにとって“強い女性”とは?

周りにとってもいいと思える決断ができて、誰に対しても変わらず思いやりを持っている人は、その人自身が強いからこそ、人にも優しくできるんだろうなと思います。

あと、今の自分自身を楽しんでいる人は強いですよね。日々の生活の中で、どんな些細な小さなことでも前向きに捉えて、自分で楽しめる環境を作っていく力はすごく大事だなと。楽しもうとする意識や自分がどういう視点で捉えるか、どういう選択をしていくかで変わっていくと思います。できれば楽しいほうがいいじゃないですか? なので、私自身も日々そういった環境を作れるように過ごしています。

――そういった考え方は女優という今のお仕事を続けられている中で、芽生えたものなんでしょうか?

お仕事でというわけではなくて、関わってきた方々がすごく明るい人が多かった。明るい人は、物事を前向きに捉える思考をたくさん積み重ねてきていると思うんです。私の母もそうなんですが、例えば私が「『リボルバー・リリー』に出るんだけど、時間がなくて練習ができてなくて、不安なんだよね」と相談したら、「アクションは得意中の得意じゃん! 自信持ってやれば大丈夫よ!」のようなことを言ってくれるんです。そうすると、“私はアクション得意だった! 自信持って行こう!”と前向きになれる。これまで、周りの人から前向きになる言葉をかけていただいてきたので、私もそういう言葉をかけることができる人なりたいです。

■綾瀬はるか
1985年3月24日生まれ。広島出身。2000年デビュー。近年の主な出演作は『今夜、ロマンス劇場で』(18)、『劇場版 奥様は、取り扱い注意』(21)、『はい、泳げません』(22)、『レジェンド&バタフライ』(23)など。