また、お市を演じる際には岡田演じる信長のことを「ずっと頭の中で想像し、意識しながら演じていました」と言い、最初に岡田の演技を見て、想定していたよりもお市を強いキャラクターに仕上げたという。

「共演シーンは最初のほうだけでしたが、初めてお会いした時にすごく威厳があって、威圧感があるキャラクターに作ってこられているのだと思い、こういうお兄さんだったら私ももっと強そうにしなきゃと、想定していたよりも強く男勝りな感じにしました。台本だけでは想像できないような、岡田さんが作り上げたお芝居が付け加えられていて、役作りをこんなに深くされる方なのだと、とても驚いたのを覚えています」

薙刀のシーンでは、岡田からアドバイスをもらったという。

「構え方やほかの人がセリフを言っているときにどういう立ち方をしたらもっと武士っぽくなるのかなどを教えてくださいました。それがすごく腑に落ちるアドバイスばかりで、アクションもお芝居も極めていらっしゃる、すごい先輩だなと思いました」

松本が演じる家康については、「視聴者の方に近いというか、共感してもらえるようなキャラクターになっているところが一番の魅力だと思っています」と語る。

「家臣の前で見せる人間らしさや弱弱しい部分、心配性の部分などがしっかり見えて、応援したくなる共感できるキャラクターだなと思います。後半に入ってからの家康は、築山殿(瀬名/有村架純)を失うなどいろんなつらい思いをして少し違うフェイズに入っているというか、厳しさや割り切りが見え隠れするように変わりましたが、どんなつらい思いをしているのか視聴の皆さんも見ているからきっと共感してもらえると思います」

そして、松本の座長としての姿勢も称える。

「松本さんは本当に現場をよく見ていらっしゃって、共演者のことだけではなく、スタッフの動きやカメラの位置など細部まであれこれずっと見ているんです。アイドルらしさが現場でもあふれていたように思います」

また、ムロツヨシ演じる秀吉をビンタするシーンについて、「ハエをはらうような、私とあなたは格が違うのよというのが表現できたらいいなと思ってビンタしました」と振り返る。

「ムロさんのことが大好きですし、叩きたい気持ちはなかったですが、書いてあるし、思いっきりやってくださいとムロさんも監督もおっしゃって。でも、そのときのお市の気持ちになると、触れられそうになったことも許せないし、今まであんなに控えていたのに、何を軽々しく触ろうとしているんだという忌々しさ。できれば触りたくないから、叩くというよりは振り払ったような気持ちが強かったです」

本多忠勝役の山田裕貴とは、1月期に放送された北川主演のフジテレビ系月9ドラマ『女神の教室~リーガル青春白書~』でも共演していた。

「月9の撮休で『どうする家康』に来るという一緒の動きをしていて、去年からずっと山田くんと一緒にいるような感じがしています。心の友じゃないですけど、大変な時期を一緒に過ごし、いると安心する存在です」

山田とは通じ合うものがあったようで、「月9で山田さんと一緒にいることが多かったのでお話しする機会も多く、気が合うなと。占いの番組に出たときに、タイプ診断で私は『宇宙人です』と言われて、それを山田くんに話したら『僕も宇宙人って言われました』とおっしゃっていて。宇宙人に分類される芸能人は少ないらしいので、波長が似ているのだと思います」とにっこり。

「自分と、もう一人俯瞰で見ている冷静な自分がいて、自分が2人いるみたいなところも似ているのかなと感じることが多く、『山田くん天然だから話が噛み合わないでしょ?』といろんな人に聞かれましたが、私の中ではずっと噛み合っていて、変わり者同士でシンパシーがあったのかなと。なんか似ているのかなと思っています」と語っていた。

■北川景子
1986年8月22日生まれ、兵庫県出身。2003年にミスSEVENTEENでモデルデビュー後、『美少女戦士セーラームーン』(03~04年)で女優として活動を開始。2006年に映画『間宮兄弟』でスクリーンデビューを果たし、同年公開された『チェリーパイ』で映画初主演。近年の主な出演作は、映画『ファーストラヴ』『キネマの神様』(21)、『大河への道』『ラーゲリより愛を込めて』(22)、『それいけ!アンパンマン ドロリンとバケ~るカーニバル』(22 ※声の出演)、『劇場版 美少女戦士セーラームーンCosmos』(23 ※声の出演)、ドラマ『リコカツ』(21)、『女神の教室~リーガル青春白書~』(23)、『どうする家康』(23)など。

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