ポルノグラフィティのギタリスト・新藤晴一が初めてプロデュースするミュージカル「a new musical『ヴァグラント』」が、8月に東京・明治座で上演される。本作で、平間壮一とダブルキャストとして主人公・佐之助を演じるのが、俳優でありアーティストの廣野凌大だ。25歳にして数々の舞台で活躍し、今年3月には舞台『鋼の錬金術師』で主人公エドワード・エルリックを演じ好評を博した。本作で大役を担うことが決まったときは「誰かと間違っているのでは」と疑ったというが、そこから自分に求められていることを理解し「突っ走って暴れてやる!」と決意を新たにしているという。
若手実力派俳優としてこれまで数々の舞台に出演してきた廣野。しかし、そんな廣野でも、伝統ある明治座で行われる本作、しかも錚々たるメンバーのなか主演としてオファーを受けたことに「本当に自分なんですか? ちゃんと確認してください。もし間違えていたら恥ずかしいですから」と疑心暗鬼だったという。
しかし、新藤をはじめとする製作陣から「新しい風を吹かせたい」という熱い言葉を聞き、「それならば僕が適任かもしれない」と責任感が湧いてきたと明かす。
「今回僕がキャスティングされたのは、若い力を期待されているということだと思うので、伝統ある明治座という舞台ですが、そこはドンドン突っ込んでいって、暴れまくっていきたいです。もちろん、至らないところはいっぱいあると思いますが、そこは大人の方たちにバックアップしてもらえばいい……という気持ちで思い切りいきたいです。ダブルキャストの平間さんも僕とは同じことは絶対しないと思うので、ハプニングがあろうがしっかり楽しみつつ、“ショウ・マスト・ゴー・オン”の精神で頑張ります!」
廣野が演じる佐之助は、“マレビト”と呼ばれる芸能の民で、その仕事は「ヒト様の人生に区切りをつける」こと。
「芸能の民として人と触れ合ってきたからこそ、培われてきた感受性を持ち、妖しい魅力が色濃く出ているキャラクター。芸能の世界って華やかに見えがちですが、意外と泥臭いところもある。それを華やかに見せるのが格好いいのですが、その奥にある光と影みたいなものが、この『ヴァグラント』には描かれていると思います」
プロデュース・原案の新藤とはしっかりと話す機会があったという。
「新藤さん自身、ものすごくミュージカルが好きで、今回の作品では楽曲を20曲以上書き下ろしされたそうです。作品への愛を感じる一方で、キャストや演出家にしっかりと委ねてくれて、ご自身で巻いた種を、僕らがどう羽ばたかせていくかを楽しみにしてくださっている。とても温かい方だなと感じました」
廣野自身、子供の頃からポルノグラフィティの楽曲は聴いて慣れ親しんでいたという。
「2021年に『Bimi』名義でアーティストとしてもデビューしているのですが、やっぱりポルノさんは、詩も素敵で歌もキャッチー。覚えやすいメロディーだし、とても音楽スキルが高くてライブもかっこいい。そんな方とご一緒できるというのは、とても光栄です」