dynabook X83の大きな特徴として、「モバイルノートPCなのにバッテリーをユーザーが交換できる」ことを訴求している。

その根拠として独自で調査したユーザーアンケート結果が示されており、その中で、バッテリーへの不満は処理能力に次いで2番目となっている。なぜ、2023年のこのタイミングで、モバイルノートPCの特徴として訴求することになったのか。

  • dynabook X83に搭載されたバッテリー交換機構。バッテリー故障時のダウンタイム削減を目指したものだ

  • Dynabookが実施したユーザーアンケートの結果。性能面の次に、バッテリー周りへの不満が多い結果になった

「ユーザーアンケートで不満として挙がっていたトップツーのうち、速さはCPUベンダーのテクノロジーが解決してきました。細かいところは、もうやっているところもあれば、これからというところもあるんですけど、基本的にはだいぶ解決に向けたパズルが埋まったなと思っています。そこで、2番目に多かったバッテリーの不満に向かい合ったということです」(中村氏)

バッテリーの不満に関しては、その不満点のほとんどがバッテリー劣化を原因としている。バッテリー駆動時間の短さも、仕様としての短さというよりは、長期間使用しているうちに劣化し、初期と比べてバッテリーが持たなくなっていることが不満と認識されているという。

加えて、バッテリー劣化で今最も問題となっているのが「バッテリーの膨張」だ。

これに関してはリチウムイオンバッテリーの特性上、現状は仕方のないことだという。「そうなる以前に(薄型のモバイルノートPCでもユーザーが自分で)交換ができるようにしようと」(中村氏)。これが現時点におけるベストのソリューションであり、dynabook X83で強く訴求する理由だとDynabookは説明している。

  • バッテリーは普段ロックされ、外れないようになっている。交換の際はロック解除スライドを押しながらバッテリーを外していく

7月18日の製品説明の資料やプレスリリースなどでは「セルフ交換バッテリー」の印象が強いdynabook X83だが、キーボードなどそれ以外にもCHANGERな訴求ポイントがある。

製品発表に合わせて受注も開始しているが、製品の出荷はキーストローク1.5mmモデルで9月から、キーストローク2mmモデルでは12月末を予定しているなど、長い時間をかけて開発作業が進む。

製品説明会には「当日の朝ギリギリで間に合った」というキーボードユニットのトライワンサンプルが展示されていたが、そのキーフィーリングは製品化に向け今後変わっていくという。これからdynabook X83がどのように“進化”していくのか。これからも随時レポートをお送りする予定だ。