――仮面ライダーXギーツに「変身」するくだりを撮影したときのお気持ちを聞かせてください。
びっくりしたのは、変身シーンを撮影する直前まで、どんなポーズにするのか決まっていなかったこと! こういうのはもう、すでに決められたポーズがあるもんだと思っていましたからね。現場に着いたら、中澤祥次郎監督から「変身ポーズ、どうしましょうか」って尋ねられて、今ここで決めるんですか!?と聞き返してしまいました(笑)。演じる者の希望を採り入れつつ、カッコいい変身ができるように作っていくんだと、そのとき知りました。自分としては、Xギーツという名前にちなんで、腕を「X」に組むポーズを入れてみました。
――腕のポーズに「X」を入れられたとすると、人気ギャグ「TT兄弟」の「T」の形も入れたくなったのではないですか。
確かに「T」も入れてみたかったなとは思いましたけど(笑)、クロスギーツに「T」の要素もないし、やめました(笑)。一瞬、ウケるかな……という考えが頭をよぎりましたが、カッコよさ重視で行こうと。やっぱり仮面ライダーなんだから、そこに笑いを入れ込むのは違うって思ったんです。
――実際に仮面ライダーへの変身シーンを撮影して、初めて知った苦労のようなものがあれば教えてください。
メラがポーズを取ってXギーツになるまで、カットを何回も分けていろいろなアングルから撮っていたことですね。やっぱり変身シーンは仮面ライダーの中でも大きな見せ場ですし、撮影スタッフさんがいかに力を入れているかがよくわかりました。
――ご自身の変身後であるXギーツの姿を間近で見たときは、やはりテンションが上がったのではないですか。
めっちゃカッコよかったですよ! テレビシリーズを含めて『仮面ライダーギーツ』に出てきた仮面ライダーの中で一番好きになりました。もともと「シャドームーン」(仮面ライダーBLACKの好敵手である世紀王)が大好きで、いわゆる「ヴィラン」と言われるカッコいい敵キャラクターには憧れがありましたから。
――仮面ライダーギーツ/浮世英寿の簡秀吉さん、仮面ライダーバッファ/吾妻道長の杢代和人さんとは、撮影の合間にお話などされたりしましたか。
2人とも、気さくに話しかけてくれました。簡くんは僕らのネタとか、YouTube番組とか見てくれていて、うれしかったです。撮影が終わってから知ったのですが、簡くんは京都出身で、僕と同郷だったんです。知っていたら、地元ネタでもっと盛り上がったんじゃないかって(笑)。簡くんも杢代くんも、「写真撮ってください」なんて言ってくれて、ツーショット写真を撮ったりして、楽しかったですね。
――長田さんが今回の『仮面ライダーギーツ』映画に出演されることについて、相方の松尾さんはどんな反応をされましたか。
あいつは、僕が仮面ライダーに出ると聞いても「チョイ役だろう」と今でも思っているはずですよ。絶対ナメています(笑)。僕からも松尾には詳細を話していませんからね。最近は、松尾だけアニメ声優の仕事をするとか、バラバラで呼ばれることも多いんです。
――映画での相棒・メロ役の工藤遥さんとはどのようなコンビネーションでしたか。
工藤さんとは初共演です。もともと「スーパー戦隊(快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー)」に出ていて、特撮作品の先輩なんだなと思っていましたが、それほど詳しい話を聞いてはいませんでした。メラとメロは同じ場所にいることが多く、2人で空き時間にお菓子を食べていました(笑)。雰囲気はとてもよかったです。メラとメロの関係性については、あまり男女の込み入った関係とかではなく、ゲーマーの友だち同士みたいな、カラっとしたつながりを意識して芝居をしていました。メラがメロにちょっとだけ気がある、くらいですかね(笑)。
――長田さんが今回『仮面ライダーギーツ』の現場に入って初めて知った「特撮ヒーロー作品」の撮影で驚いたことは何ですか。
撮影自体がポンポンとテンポよく進んで、コント番組の収録より速かったんじゃないかって思います(笑)。
――現在、長田さんの息子さんが5歳とうかがいました。年齢的に、現在『仮面ライダー』シリーズはご覧になっていたのでしょうか。
僕の息子は幼いころから「電車」が大好きで、実は「仮面ライダー」のほうには興味が行かなかったんです。だからこのインタビューを受けている時点では、まだ『仮面ライダーギーツ』の映画に出ることは話していません。公開されたら一緒に映画館へ見に行って、そこで楽しんでくれたらいいなと思っています。
――映画の中で、絶対に見てほしいメラの注目ポイントはどこですか?
やっぱり自分でポーズを考えた「変身」シーンかな。あえて「笑い」を封印し、俳優・長田庄平として頑張ったところですから(笑)。
――映画も含めて『仮面ライダーギーツ』はいわゆる「デスゲームもの」と呼ばれるジャンルに入りますが、チョコレートプラネットのコントにもこういった「デスゲーム」を題材にしたネタがありますよね。演じられてみて「こういう方向性はコントに使えるな」と思ったりはしましたか。
確かに、自分の作ったネタと『仮面ライダーギーツ』のデスゲーム感には「接点あるかも」と思いました。偶然あてはまる要素があってびっくりしましたね(笑)。これからは出演経験を活かして、特撮ヒーローをモチーフにしたコントネタが生まれるかもしれません(笑)。
――仮面ライダーに出演を果たした長田さんが、次に出演してみたいドラマや映画作品は何ですか?
今回「仮面ライダー」に出られたんですから、次は「スーパー戦隊」ですね! 若いヒーローの卵たちをとりまとめる、長官とか司令官の役があったら最高じゃないですか(笑)。
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