現在放送中の仮面ライダーシリーズ『仮面ライダーギーツ』の「夏の映画」となる映画『仮面ライダーギーツ 4人のエースと黒狐』が、2023年7月28日から公開される。
映画のストーリーで、鍵を握る重要人物になるのは、未来の指名手配犯メラとメロ(演:工藤遥)。2人は「神殺しのメラとメロ」と呼ばれ、世界をいかにスピーディーに滅ぼすかを競う「世界滅亡ゲーム」を開催する。彼らによって、仮面ライダーギーツ/浮世英寿はかつてないピンチに陥ってしまう。ここでは、本作のメインゲスト・メラを演じる長田庄平にインタビューを実施。動きとセリフでお茶の間を沸かせる傑作コントを次々と送り出すコンビ「チョコレートプラネット」として絶大な人気を誇る長田が、「仮面ライダー」においてどのような「強敵」として立ちはだかるのか。ギーツの最大の敵=「仮面ライダーX(クロス)ギーツ」にも変身するメラを演じるにあたっての、強い意気込みを語ってくれた。
――「仮面ライダー」の映画に出演が決まったと聞いたときのお気持ちはいかがでしたか?
最初にお話を聞いたときは「チョイ役」だと思っていたんですよ。でも台本をもらって読んでみたら、あれ、セリフが多いな……これ、どういう役なの?なんて混乱しました。よくよく聞くと、めっちゃメインの敵役でね。これって手の込んだドッキリ企画なんじゃないかって疑ったほど(笑)。まさかこれほど重要な役で出られるとは、という驚きがありました。
――ゲスト出演するだけでなく、なんと仮面ライダーに変身もする役だということについてはどうでしょう。
これも台本を読んでいって「俺って変身できるんだ」と気づきました(笑)。仮面ライダーシリーズは子どものころから好きだったので、やはり変身できるというのは喜びでしかなかったです。
――『仮面ライダーギーツ』のテレビシリーズをご覧になった感想を聞かせてください。
出演が決まって、参考のために見はじめたのですが、すごく面白かったですね。先輩芸人のあべこうじさんが仮面ライダーメリー/小金屋森魚役で出ていたのも、最近になって知りました。新しい仮面ライダーが次々とゲームに参加して、最後まで残らないで途中退場していくっていうスタイルは目新しさがあって、刺激的でした。主人公のギーツでさえもぜったいに生き残るとは限らない、みたいなところがスリリングでいいですね。
――長田さんは1980年生まれとうかがいました。とすると、子ども時代は『仮面ライダーBLACK』(1987年)あたりを見ていたのではないですか。
そうですね。『BLACK』と次の『仮面ライダーBLACK RX』(1988年)あたりがちょうどド真ん中で、BLACKのフィギュアで遊んでいた思い出が今も残っています。RXだと、必殺武器の剣(リボルケイン)があったでしょう。その玩具も買ってもらっていて、よく遊びました。
――子どものころ好きだった「特撮ヒーロー」作品の世界に、今回飛び込まれた感想はどうですか。
めちゃくちゃ光栄だと思いました。まさか自分が子どものころから夢中で見ていたヒーローの世界に入れるとは……。芸人として芸能界に入りましたから、まず想像ができなかったですね。映画への出演は、以前ちょろっとはありましたけど、こんなにしっかりと役をいただいたことはなかったんです。
――長田さんが演じる「メラ」の役作りについて教えてください。
もともとSF映画やアメコミが好きなので、メラのキャラクターには愛着がわきました。ポップでクレイジーな人物像にしたいということで、映画『バットマン』(1989年/監督:ティム・バートン)でジャック・ニコルソンが演じた「ジョーカー」を意識してみたんです。子どもながらに、あのジョーカーの狂気じみたふるまいに凄く影響を受けましたから、そういった思いを役に込めました。
――とても派手なカラーリングの衣装でしたが、身に着けてみてどう思いましたか。
ちゃんと僕の体型に合わせて仕立ててくださって、フィット感がすごいなと感心しました。僕は中肉中背でタッパ(身長)もそんなに高くないと思っているのですが、メラの衣装を着ると道化っぽい気持ちになり、クレイジー感が自然に出るんです。メラ自身は世界を滅ぼすことについても大した悪意はなく、どんなことでも楽しんでやっているみたいなキャラクターですから、衣装はそのイメージにピッタリでした。