現在放送中のテレビ朝日系ドラマ『ハヤブサ消防団』(毎週木曜21:00~)は、池井戸潤氏の同名小説を映像化する戦慄のミステリー。スランプ気味のミステリー作家・三馬太郎が亡き父の故郷、“ハヤブサ地区”に移住するところから物語が始まる。山間の小さな集落で、地元の消防団に加入したことを機に連続放火騒動や住民の不審死などの怪事件に次々遭遇する太郎。真相を追ううち、集落の奥底にうごめく巨大な陰謀に突き当たる。
女優の川口春奈が演じるのは、太郎と同様に東京からハヤブサ地区へ移り住んだ映像ディレクターの立木彩。実は彩には、集落の闇につながる過去が。今回はそんな“疑惑のヒロイン”を演じる川口にインタビュー。今作の見どころや、13年ぶりの共演となった中村の座長ぶり、そして今年の上半期について話を聞いた。
■田舎特有の人付き合いをリアルに感じられる作品
――池井戸潤氏のミステリー小説を映像化する今作ですが、最初に出演のお話を聞いたときの心境を教えてください。
池井戸さんの作品は男性社会を描く印象があったので、女性としてその世界に加われることがうれしかったです。池井戸さんのミステリー作品というのも新鮮でしたし、田舎町で事件が起こるというストーリーが面白くて、撮影が楽しみでした。
――台本を読んで面白いと感じたポイントは。
田舎町が舞台なのですが、台本を読んだとき、字だけでも自然の豊かさや田舎特有の人付き合いの濃さが想像できて、リアルだと感じました。特に近所付き合いなどの人間関係がいいところも悪いところも描かれているのが印象的でした。
――撮影はどんな雰囲気ですか。
今撮影に入って1カ月ほど経ったのですが(取材は7月上旬)、話が進むごとに、中村さんをはじめ消防団の皆さんと絡むシーンが増えていって、彩のキャラクター像や作品のトーンが見えてきたところです。
■中村倫也は周囲に気を使わせない座長
――中村さんとは、『ヤンキー君とメガネちゃん』(10年、TBS)以来13年ぶりの共演となりますが、当時の中村さんについて印象に残っていることはありますか。
当時は学園ものの作品でたくさんの人がいたので、個別に深い話をする機会はなかったんです。でも今回久しぶりにお会いして、飄々としていて自分の世界を持っているところは変わらないなと感じました。
――今回、共演していかがですか。
すごく楽しいです。恋愛要素もある役柄を演じるので、いろんな場所で一緒に撮影したり、感情をぶつけ合うようなお芝居をしたりと、中村さんとコミュニケーションを取りながら進めています。
――そんな中村さんの、座長として尊敬できるポイントは。
スタッフさんにもキャストさんにも気を使わせないところです。中村さん自身が気さくで自然体だからだと思うのですが、皆が自然体でいられる和やかな現場になっています。私も緊張したりプレッシャーを感じたりせずにお芝居ができて、すごく助かっています。
■“疑惑のヒロイン”彩の注目ポイント
――川口さん演じる彩がどんなキャラクターか教えてください。
最初は見ている方にとっても何が目的か分からない人物だと思います。過去が明らかになるごとに彩というキャラクターが分かりやすくなっていき、私もリラックスして演じられるようになりました。
――彩の注目してほしいポイントがあれば教えてください。
「絶対何かあるな」という描かれ方なので、最初から気になっていただける存在になっていると思います。太郎さんとの会話で彩という人物が見えてきますし、1話かけて過去やパーソナルな部分を掘り下げる回もあるので、さらに興味を持っていただけたらうれしいです。彩だけではなく、キャラクター一人ひとりにフォーカスが当てられて、恋愛やミステリー、いろんな要素が丁寧に描かれていくので、楽しみにしていてください。
――自然豊かなロケーションで撮影されているとのことですが、田舎は好きですか。
好きですね、やっぱり。自分自身が自然豊かな場所で育っていますし、落ち着きます。都内か、のどかな田舎かといわれると、生まれて育ってきたからかもしれませんが、田舎に魅力を感じます。若い内は都会で仕事をして、今後長い目で見て、落ち着いたときに田舎で暮らすという人生にも興味があります。