自身が撮影した映像を改めて見返し、「おせちがやっぱり豪華ですよね」と話す永山氏。太郎は毎年、自身が手作りしたおせちを社員たちに持たせており、永山氏もそれを記録してきたのだが、これまでは放送時期や時間の都合もありそのシーンがなかなか使われなかったため、今回、満を持してのお披露目となったという。
「太郎さんがまだ20代前半のときは、三が日に営業しているお店もほとんどなくて、正月はひもじい思いをしたらしくて。それこそ、お猿さんが食べる芋をふかして自分が食べるような。それが原体験としてあるので、弟子たちにはそういう思いをさせたくないというのが、太郎さんがおせちを作り始めたきっかけなんです。食材も自分で築地に仕入れにいってますし、おせちが傷んじゃうので、その日は暖房も入れないんですよね。寒いなか、朝からおせちを作るのは大変だと思うのですが、太郎さんは20年以上もやっています」
■永山氏が思う番組の注目ポイント
太郎のもとを訪れるタイミングについては、「太郎さんだけじゃなく、お弟子さんからも小まめに情報をもらえる」ため、「明日行きます」と一報を入れるだけで取材に行けるといい、さらに「太郎さんたちは一切隠さないんですよね。『これは撮らないでください』と言われることは本当にないので、いつでも好きなときに行って、カメラを回すことができる。決まった時間にアポをとらなくても良くて、自分の時間があるタイミングで行くのですが、太郎さんたちも『あっ、来てたんですか』という感じです(笑)」と目を細める。
今回の放送では、1人で興業もこなせるほどに成長していた新入社員の中村が突然、会社から姿を消す場面もあるが、永山氏はこのときも偶然取材に訪れていたそうで、「(新入社員たちの指導係を務める)ジュニアくんに『どうするの?』と聞いたら、中村くんの家に行ってみるというので、一緒に同行させてもらいました。ジュニアくんも、親身になって新入社員の子たちの話を聞いていたので、ショックだったと思います」と慮った。
新入社員たち、彼らの指導係を務めるジュニア、師匠の太郎と、それぞれからこぼれ落ちる本音。今回、ナレーションを読んだ指原莉乃は「それぞれに共感するところがあった」「年齢を重ねれば重ねるほど、全員に共感するんじゃないのかな? 全員にではないにしても、視聴者の皆さんも絶対に誰かには共感できて、苦しくなるんじゃないのかなっていうふうに思います」と話していたが、永山氏も「指原さんもおっしゃっていましたが、僕と同世代の人にも、今年から社会に出た人にも共感できるところがある。新人の指導係や中間管理職の人には、ジュニアくんの言葉が特に刺さるのではないでしょうか」と推察した。
最後に、永山氏が思う番組の注目ポイントを聞くと、「長期のドキュメンタリーでは、ディレクターがカメラを回すことも多いのですが、今回は1年半にわたってカメラマンが撮った映像が流れるというところにも注目してほしいです」とアピール。また、「季節感もすごく出すことができたんじゃないかな」と自信をのぞかせ、指原のナレーションについても「すごく上手で、取材した期間が報われた感じがしました」としみじみと語っていた。
(C)フジテレビ