フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00〜 ※関東ローカル)。16日は、反省ザルでおなじみの村崎太郎(「崎」は、たつさき)が率い、伝統芸能「猿まわし」を行う会社・日光さる軍団の新入社員たちに迫った『就職先はさる軍団2 ~汗と涙の新入社員物語~』の後編が放送される。
撮影・ディレクターを担当したのは、太郎を30年以上にわたって追い続けてきた、共同テレビの永山真治カメラマン。長年取材を続けるなかで生じた心境の変化や、今回の番組を通して伝えたいことについて話を聞いた。
■長年取材する中で芽生えた覚悟
1988年、カメラマンも応募することができる企画募集がきっかけで太郎の取材をスタートさせた永山氏。太郎とは実に35年の付き合いになる。一人の対象者を追う取材期間としては、途方もない時間だと伝えると、永山氏は「『35年もすごい』とよく言ってもらいますが、本当にあっという間。初めて会ったときのことも鮮明に覚えていますし、35年も経ったという気は全くしません。取材は毎回全力投球ですし、常に前に進んでいくので、『あれから何年経ったんだな』と振り返るタイミングもないんですよね」と力強く語る。
また、「僕と太郎さんが親友のような関係だと思われる方も多いんですけど、べったりというわけでもなく、ほどよい距離感なんです」と互いの関係性を分析し、「太郎さんは熱い方ですから、過去にはケンカ別れしそうになったこともあります。実際そうなった人も目にしてきましたし、いつか自分にもそういう日が来るかもしれないと思いながら、お付き合いをしていました」と、長く取材を続けるなかで芽生えた覚悟があったと打ち明ける。
しかし、近年は心境に変化が。
「昔だったら決裂していたかもしれない危機的な状況もありましたが、お互い年をとったこともあって、なんとかここは収めようという場面もありましたし、このままずっと取材を続けられるかどうかは別として、一緒にお酒を飲めない仲になるのはちょっと悲しいなと。決定的なケンカをして別れることは避けたいという気持ちに、ここ10年ほどでなりましたね。確認し合ったことはないんですけど、太郎さんもそう思ってるんじゃないかな」
■師匠って偉いけど大変なんだよ
今回の放送では、地方興行に出ていた新人の行いを撮影した動画が「サルへの過剰なしつけではないか?」とSNSで拡散されたことを受け、太郎がその問題とどのように向き合ったかが映し出される。
「お笑いの世界でも学校があって、そのままデビューする人のほうが多いですし、師匠と弟子という関係は少なくなりましたが、この映像を通して、“師匠って偉いけど大変なんだよ”ってところを伝えられればというふうに思います。太郎さんは、弟子の不始末は師匠の責任だと一番思っている方ですから。激しい部分もあって、怖いだけの人なのかなと思われるかもしれませんが、全くそんなことはなくて、すごく面倒見のいい人なんだということが少しでも伝われば、うれしいです」