■ひなたの後ろ姿が泣けた
――柏木さんは昨年12月をもって、エビ中を卒業しました。グループを離れることを決めたのはいつ頃だったんですか?
2020年ですね。私がエビ中に入ってちょうど10年目だったんですけど、そのタイミングでグループを卒業しようかなと考え始めていました。10年で区切りもいいですし、元々芸能界に入ったきっかけとして、一人で歌って踊りたいという夢があったので、グループに入ってたくさん頑張ってきて、楽しく活動させていただいていたんですけど、もう一回夢を追いかけてみようかなって。そこからソロ活動のことを考えはじめました。あとは、新メンバーが入ってきたとき、私が伝えたいことも彼女たちに伝えられて、そこにお姉さんたちもいて、今のみんなだったら、私がいなくてもこのグループはやっていけるだろうなっていう風に客観的に見られたんです。グループに対してすごく信頼があったので、自分の夢や体調のことを総合的に考えて、2022年の12月に卒業することにしました。
――柏木さんがグループを卒業することになって、メンバーの皆さんはどんな風にそれを受け止めていたんですか?
卒業する1年前にみんなに伝えて、「卒業まで楽しく過ごしたい」と先に言ってたんです。「みんなと一緒にもっと笑いたいし、もっといろんな思い出を作りたい」って。じゃあ、みんなも「もっと楽しいことやろうよ!」って感じになってくれました。だから、私が卒業した次の日も、みんなはすぐに新体制のライブがあって、お互いに感傷的になることもなかったんですけど、唯一卒業ライブの日だけでしたね。リハーサルのときに「そういえば、ひなたいなくなるんだ」って感じになったんですけど、そのとき以外は誰も次の日から私がいない想像がつかなかったらしくて(笑)。
――柏木さんがいるエビ中が当たり前すぎて。
幕張メッセで卒業ライブをしたんですけど、みんなは次の日もライブがあるから早く帰らないといけないのに、私が帰るまで楽屋で残ってくれてたんです。そしたら、私を見送ったあとに、真山(りか)と星名(美怜)のお姉さん2人が楽屋で大号泣してたって。本当にそこでお別れになっちゃうから、小久保(柚乃)は私に「バイバイ」って言ったときに涙が出てきたらしくて、それが伝染してメイクさんも大号泣してたと後から聞いて(笑)。
マネージャー:美怜ちゃんが「レッスン道具を持って帰っていくひなたの後ろ姿が泣けた」って言ってたよ。
そうそう(笑)! それでまや(真山)さんも泣き出しちゃったらしくて(笑)。
――すごく感動的なエピソードなんですけど、当の柏木さん本人が不在の楽屋で皆さんが大号泣してたんですね(笑)。
そうみたいです(笑)。そこでみんなが私の卒業を実感したみたいで。次の日のライブでも「ひなたは途中で出てくるんじゃないかなってずっと思ってた」って、後から言われましたね。
――グループにとっても、柏木さんにとっても、すごくいい卒業の仕方をされたんですね。
本当にありがたいことに、そうですね。今までグループを離れるときは“転校”って言ってたんですけど、私のときは“卒業”って言って、ライブも“卒業式”っていうタイトルを付けてもらったんです。私自身、エビ中で学べることは全て学べたという思いがありますし、多分マネージャーさんたちもそう思ってくれたので、“卒業”っていう風に言ってくれたのかなって。エビ中のみんなとスタッフの皆さんには感謝しかないですね。
柏木ひなた
1999年3月29日生まれ。千葉県出身。2009年、小学5年生の時にスカウトされ、芸能界入り。2010年、私立恵比寿中学に加入。2013年、レギュラー番組 『エビ中☆なんやねん』(MBSラジオ)がスタートし、2022年までの約9年間にわたりメインMCを担当した。女優としても活躍し、2018年に上演された舞台『タイヨウのうた〜Midnight Sun〜』ではヒロイン・雨音薫役を務めた。東京ヤクルトスワローズのファンであり、2020年には『月刊 丸ごとスワローズ』(サンケイスポーツ)にて、スワローズ応援コラム「つばめに夢中! ひなたぼっこ」を担当していた。2022年、私立恵比寿中学 柏木ひなた卒業式「smile for you」をもって私立恵比寿中学から卒業した。2023年6月28日、ソロデビュー曲「From Bow To Toe」を配信リリース。同年7月12日には、1st EP『ここから。』を配信する。