今作では、清舟のことを「先生」と慕う村一番の元気少女・琴石なる役の宮崎莉里沙(7)と共演。「最初は緊張するところもあったと思いますが、どんどんかわいい笑顔が見られて、それは五島列島の力もあると思うんです。日数を追うごとに成長するのも見どころの一つになると思います。他の子たちも、各々人間的に成長して表情が変わってくると思うんですけど、そういったことが少し見えて、うれしかったです」と目を細める。

そんな子どもたちに対しては、「大人との接し方と変わらないです。だから、莉里沙ちゃんともできるだけ対等にしゃべっていきたいと思っています」という姿勢。一方で、「僕たち若いチームで何か協力できることはしていきたいと思います。例えば、空いた時間で本読みをするとか、そういうことで心の距離が近くなったり、本当に絆というのができていくんじゃないかと思うので」とチームづくりの意識を語った。

  • 宮崎莉里沙(左)と杉野遥亮 (C)フジテレビ

祖父が「書道の先生になりそうだった人なんです」というほど達筆だったそうで、その血を引いているからか、杉野も小学生時代に「書星会賞」という賞を受賞したこともある書道の実力の持ち主。改めて、今作に臨むにあたって先生に習うと、「想像以上に書道の世界は広いなと思いました」と奥深さを知ったそう。

また、「書き初めと違って、大きな筆で書くのはパフォーマンスに近いところがあって、もうスポーツなんです。その感覚はすごく新鮮です。台本を読んで“こういうふうに戦っているんだ”と感じて、自分も俳優という職業で同じように芸術表現をする身として、清舟と分かり合えるところをちゃんとお伝えしていきたいと思いました」と決意を新たにした。

■疲れている人の癒やしになるドラマに

今作への意気込みを「書で表すと?」と聞くと、「ん~…」と悩みながら、「自分自身の意気込みとしては“熱”です。やっぱり良いものを作りたい、純粋なものをお届けしたい、見ていただける方々にエネルギーを与えられるような作品にしたい、皆さんが見ていただける時間帯だからこそできることをやりたいという熱量が自分の中にあるんです」と回答。それに加え、作品としては“癒(やし)”という文字を挙げた。

「日々の中でポジティブなことを見つけにくかったり、疲れている人の癒やしになるようなドラマだと思っているんです。例えば、五島列島の海のきれいな青が映るだけで、心がパッと晴れたりする。それに、人と人との絆とか、形になっていないものがすごく描かれている作品になっていると思います。都会で暮らしていた清舟が、隣の人と心の距離が近い島の人たちの中に身を置いたときに、人との触れ合いによって自分に正直になっていき、どんどん成長していくので、その姿にすごく勇気をもらえるし、それが芸術表現にも昇華されていく。今、暗いニュースや悲しい出来事が多い中で、このドラマが放送される意味というのは、そこにあるんじゃないかと思うので、週の真ん中で皆さんに癒やしが届いたらいいなと思います」

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