ゆみと自身の共通点を尋ねると、「おせっかい」な点を挙げた。
「何か思ったときに放っておけない、人に対しておせっかいな部分は似ているかなと思います。気が付いたときに気が付いた人が言ってあげたらいいなと。言わないと『あれどうなったかな?』とずっと気になってしまう自分もいるので、思ったときになるべく言うようにしています」
そして、「ゆみのような、その場を明るくする力は常に憧れがあります」と告白。「私自身、誰かから元気をもらった経験もありますし、誰かに元気を与えられる人はすごいなといつも思うので、役を通してでもできていたらいいなと思います」と話した。
『舞妓さんちのまかないさん』で演じたつる駒役でも、その場を明るくする力に憧れを抱いたという。
「つる駒はとてもムードメーカー的な存在で人を楽しませようとするシーンもあったのですが、そういうことで誰かが笑ってくれたり、場が和むような体験はこんなに心が躍ることなんだと。自分にはなかった発想が芽生えて、不思議な楽しさを感じました」
とても丁寧に穏やかな口調でインタビューに応じてくれる福地。役を演じる際に、普段話すスピードよりも速いことが多いのでは? と尋ねると、「そうかもしれません」と答えた。
「役によって変えていますが、馴染んでいくようにいろんな方向からアプローチをしています。『もう少し間を詰めて』とリクエストされることもあって、自分では速く話しているつもりでももっと速く、そうした積み重ねで、少しずつ出来上がっていくこともあるので。役ごとにしっかりと作っていけたらと思っています」
演じている役ともタイプは異なるのかもしれないが、福地の持つ癒やしオーラによって明るい気持ちになっている人は多いに違いない。「そうなれていたらうれしいです」とほほ笑み、「演じてきた役に憧れる部分もあったので、自分自身もいい影響をもらえている気がします」と話していた。
1997年10月26日生まれ、東京都出身。2019年にNHK連続テレビ小説『なつぞら』で夕見子役を演じ注目を集めた。近年の主な出演作は、『サバカン SABAKAN』『あの娘は知らない』(22)、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(22・NHK)、Netflix『舞妓さんちのまかないさん』(23)など。現在、『それってパクリじゃないですか?』(日本テレビ)、『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』(NHK BSプレミアム)に出演中。9月2日より上演される『橋からの眺め』で舞台初出演を果たす。